〈O2〉がスタートしてまもなく、 ブランドの初期から寄り添ってくださっているのが 「tsuki.s(ツキドットエス)」です。 きれい見えする上品なデザインでいて、 どこか人懐っこくてチャーミング。 袖を通せば気持ちがよく、 何度着てもへたりにくい丈夫さと、やさしい風合い。 特別な日だけの服ではないけれど、 いつの間にか自分にとっての「とくべつ」になっている‥‥ そんな存在です。 だから、気がつけばいつも ワードローブのいちばん手に取りやすい場所に。 そんなtsuki.sの冬服の中から 〈O2〉チームが「かわいい!」「着たい!」とときめいた 3つのトップスをセレクトしました。 デザイナー・末永津喜子さんの 3つのトップスにまつわるお話とともに、 どうかみなさんにもその気持ちが伝われば。
末永 津喜子(すえなが つきこ)
糸会社にて編物講師、ニットテキストのデザインを経て、 大手アパレルのニットデザイナーとなる。 2011年に自身のブランドtsuki.sを立ち上げ 現在にいたる。
ブラウス袖プルオーバー
今シーズンから、tsuki.sは心機一転のスタート。 とはいえ、デザインのテイストや空気感は これまでのままです。 あらためて“自分らしさ”と向き合いながら、 シンプルに、軽やかな気持ちで、 これまでの歩みをコンパクトに整えていくようなシーズンに。 「もっと自分に寄り添う服を」。 そんな思いで、いま、本当に着たいと思う服を あらためて見つめなおしています。
このブラウス袖のプルオーバーも、 その中のひとつで、とても気に入っている一枚です。
この冬はあたたかくなりそうで、 分厚いニットとかよりも重ね着しやすい カットソーが活躍するかなと思ってつくりました。 袖だけを布帛(ふはく)にして、 きれいなブラウスのように見えるように。 寒い日は、ニットベストやジャンパースカートとも 合わせやすいんです。
身頃までぜんぶシャツ地にしてしまうと、 重ね着のときにごわついたり、 アイロンがけもたいへんですよね。 これなら、アイロンがけは袖だけでOK。 ハリのあるタイプライター生地に、あえてシワをもみ込む ワッシャー加工を施しているので、着心地も軽やか。 シワの表情もきれいなので、 アイロンをかけず、そのままの風合いを たのしんで着ていただくのもおすすめです。
袖と身頃で生地を切り替えることで、 袖のボリューム感と身頃のすっきり具合の メリハリも生まれました。 身頃はすっきり見えますが、 じつはわき下の身幅より裾まわりを 1.5cmほど広くしているんです。 その理由は、腰まわりで 生地が引っかからないようにするため。 バストで生地が横に広がるぶん、 全体はまっすぐに見えますよ。 ぽっちゃり体型の方や胸のある方でも コンパクトに見える、そんなバランスです。
ウール天竺ロングカーディガン
ウールの服って、「家で洗えるのかな?」って 迷うことがありますよね。 このカーディガンはウール100%ながら、 ウォッシャブルなんです。 とはいえ、手洗いで、脱水は短めに。 干し方にも気をつけてもらえれば、 伸びたり、だれたりすることもありません。
とても細番手の糸の天竺編みなので、 キメが細かく編地にツヤがあり、見た目も上品。 長い繊維のメリノウールを使っているので、 ウォッシャブルだけどあまり毛羽もなく、 糸も甘撚りなので やさしくやわらかな肌ざわりです。
身幅も着丈もたっぷりのロングカーディガンですが、 羽織ると軽く、落ち感があるので ストンときれいなシルエットをつくってくれます。 薄手なのにあたたかいから、 わたしはコートのライナーがわりに着ることも。 一番上のボタンだけ留めてAラインを楽しんだり、 全部開けてカジュアルに着ても◎。 軽いので、さっと肩にかけるのもおすすめです。
このブルーは、暗くなりがちな 冬のコーディネートの差し色にぴったり。 わたし自身も黒や紺を着ることが多いので、 ときどき印象的な色を着たくなるんですよね。
袖丈は少し長めにして、 手元からちらっとブルーがのぞくように。 腕が短めの方でも安心してください。 袖口で止まって、くしゅっとたわむ感じもかわいいですよ。
ウェーブマリンセーター
tsuki.sで手塩にかけてつくってきたニットたち。 このセーターは、自分でも「かわいい!」って 言ってしまうくらいのお気に入りです(笑)。
手仕事のよさがいきたニットには、 愛嬌と人懐っこさがあって、ぬくもりがある。 家庭用編み機(家庭機)を使って、 手で機械を動かしながら 糸の加減やテンションを調整していくので、 ぴたっと整いすぎない、 味わいのある表情が生まれます。
ボタンホールは透かし編みで穴を開けたり、 くるんとした部分は引き抜き編みで表現したり、 家庭機でできることはすべてやっています。 袖口のスリットも、家庭機ならでは。 ハサミで切ってロックしたりはしていないんですよ。
襟は、わたしの好きなボートネック。 編地のテンションがややゆるめなので、 襟元はきっちりダブルにして、 ゆるめのリンキング(1目1目を合わせて チェーンステッチのように縫製する方法)で仕上げています。
いろいろな編み方を取り入れていますが、 手芸的になりすぎないように気をつけています。 もちろん手編みのよさはあるんですが、 みなさんが着ていただきやすいように、 かわいさやクセの主張が強くなりすぎないよう、 抑えてつくっています。 いかに“引き算”できるかを考えました。
素材は、tsuki.sのニットといえばの強撚ウール。 限界まで強く撚った糸を、 さらにもうひと声ぎゅっと撚ることで、 型くずれせず、毛羽も出ない。 編みはあえて甘めに。 そのほうが、糸の流れが見えて好きですね。
tsuki.s
ブラウス袖プルオーバー
各¥20,900(税込)
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ホワイト
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ブルーグレー
tsuki.s
ウール天竺ロングカーディガン
¥28,600(税込)
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コバルトブルー
tsuki.s
ウェーブマリンセーター
¥41,800(税込)
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ストーンホワイト×
ダークネイビー