ほぼ日編集部の平野慎也です。
9人の乗組員が日替わりで書いている
「ほぼ日3分コラム」を続けていたところ、
ぼくに、思いがけない幸運が訪れました。
高校時代の恩師、関先生から教わった
「書いたら部分点、書かなきゃ0点。」
という言葉について書いた文章が、
なんと先生ご本人に届いていたのです。
20年来の「ほぼ日」読者でありながら、
教え子がここで働いているとも知らずに。
もう会えないと思っていた関先生のもとへ、
22年ぶりに会いに行ってきました。
- 平野
- おしゃべりしながら歩いているうちに、
美薗中央公園まで着きました。
- 関
- ここ、みんなで来たこともあったよね。
こんなに広い公園が駅前にあるんだから、
ほんとにいいところだと思うなあ。
- 平野
- ぼくも、電車に乗りながら公園を見ていて、
こんな広い公園が近くにあったらいいなあって
思いながら見ていました。
高校時代には、当たり前の景色だったのに。
- 関
- いま住んでいるところの近くには、
こういう環境はないの?
- 平野
- 自転車で大きい公園には行けますけど、
ちょうどいい広さで遊具も豊富な公園が
近所にあったらうれしいですよね。
- 関
- しかも、駐車場もたくさんあって無料だし。
でもさ、東京なら車にも乗らないでしょ?
車もいらないし、教育環境も含めて、
やっぱり東京は住みやすいよね。
でもよかった、平野くんがいま、
住みやすいところにいるみたいで。
それからもうひとつ、
聞かれなくても言うんですけど。
- 平野
- はい、言ってください。
- 関
- 私ね、実家が静岡の中部地方なんですよ。
この4月から実家に帰って、
親ふたりと暮らすことになっているんです。
夫がまだ浜松にいるので家はこっちにあるんだけど、
これから静岡市のほうに行きます。
で、親ふたりと住むとなると、
みんな同じような反応をされるんです。
どんなふうに声をかけてくれると思います?
- 平野
- 「大変だね」とか?
- 関
- そうでしょ。本当にそう言うんです。
それは本人たちもそう言ってます。
「大変だよ。世話見てもらって悪いね。
そんなに簡単なことじゃないよ」って。
そこからほぼ日に戻るんですけどね。
- 平野
- ほう、そこから戻りますか。
- 関
- 「こんな会社あるわけない」って思うわけですよ。
ほぼ日で働いているみなさんって、
自分たちの会社のことを平気で褒めますよね。
他の方が書いている文章を読んでいても、
「こういう先輩がいて声をかけてくれた。
こんなにみんなが助けてくれた」って。
そんなことある? って思うの。
でも、ほぼ日は本当にある。
そんな会社があるんだから、
私も心配ばかりしてちゃいけないって思うの。
- 平野
- ほぼ日は、あります。
- 関
- ね、あるでしょ。
だから、私もいけるんじゃないかなって。
「介護する」「親は大変」「実家帰る」って、
みんなは、心配するんですよ。
「大変じゃない?」「うまくいかないんじゃない?」
「自分を犠牲にしてるんじゃない?」って。
でも、あるわけないって思える会社が
実際に存在しているんだから、
私だって「そういう家族やれるぞ!」と思って。
- 平野
- びっくりしました。
ほぼ日という会社の存在が、
先生を勇気づけていたなんて。
- 関
- 私はほぼ日となんの関係もないただの読者なのに、
勝手に思っているわけじゃないですか。
みんながたのしそうにやっている会社なんて、
あるわけないと思っていたのに、実在してる。
きっと、これから両親の介護をする世界でも、
大変なだけじゃないかもしれない。
- 平野
- その「存在している会社」にいるわけですが、
なんとかなるもんだなって思うんですよね。
ほぼ日手帳チームに入って10年ちょっとになりますが、
その頃でも世の中のムードとしては、
「紙の手帳は廃れていくものだ」とか
「このデジタル全盛の時代に」と言われてました。
ぼくがチームに入った頃の販売部数は50万部で、
それでも十分すごい数字でしたけど、
そこからチームのみんなでがんばって、
海外でも受け入れられるようにもなって、
ついに100万部を超えましたからね。
あ、これはまったくの余談ですけど、
このあいだ手相を見てもらったら、
ぼくはなんとかなる運勢らしいんです。
- 関
- へえー、なあにそれ。
どこがそうなの?
- 平野
- 手のひらにM字型につながった線があると、
ご先祖さまが見守ってくれているとかで。
だから、いつかなんとかなるんだと思いながら
生きていけたらいいなって。
- 関
- わあすごーい、おめでとうございます。
私も今日ね、手帳を持ってきたんです。
まずは、じゃーーん!
- 平野
- わあ、北岸由美さんのカバーだ。
ありがとうございます!
- 関
- この手帳はね、私が4月から使うの。
でも、告白しますけど今年初めて買いました。
- 平野
- あ、本当ですか。
それはすごい、デビューです。
ありがとうございます。
- 関
- だから、100万部のうちの1冊だよね。
これまでは憧れが強すぎちゃって、
「使いこなさないと」と思っていたから、
なかなか買えないでいたんですよ。
でも、持ってみたらすっごく嬉しくなった。
この感じわかります?
- 平野
- わかりますよ、そういう声はよく聞きますから。
メモでも日記でもなんでも構いませんので、
どんどん使ってください。
- 関
- はい、がんばります。
で、ちょっとこんなところで広げますけど、
この袋に入っているのは‥‥。
- 平野
- あっ、ほぼ日5年手帳?
- 関
- えっ、なんで? 袋の上からなのに、
四角いフォルムだけでわかるんだ。
- 平野
- そういうの得意なんですよ。
- 関
- これね、母が使っていた手帳です。
うちの次女が就職した年の敬老の日に、
私の母に贈ったものなんですよ。
たぶん、私が薦めたんだと思うけど、
子供たちが手帳を使っていたんだと思うんです。
最初の1年は書いていたみたいですけど、
途中から体調を崩して、施設に入ったタイミングで
書けなくなっちゃったんだけど。
- 平野
- 先生のお母さまが書いていたんですね。
- 関
- ずっと実家に置いてあって、
どう使っているかは知りませんでした。
でも、今日お目にかかれるからと思って、
実家から持ってきました。
でも、4月に母は家に戻ってくるから、
また手帳を使うかなあと思ってます。
- 平野
- よかったら先生も、親子で書いてください。
(つづきます)
2026-03-28-SAT
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