| ルディー | 
        もうひとつ、日本は 
          若い人が集まるお店とかについて 
          騒ぎすぎだと思いますよ。 
          たくさんお客さまが行くところが儲かってる、 
          って思い込みですね。 
          売上アップしても、利益はどうだかわからないし。 
          若者が安い1000円くらいの物を 
          いくら買ったからって 
          売上自体、それがなんだっていうの、 
          ってくらいじゃないですか。           | 
      
      
          | 
      
      
        | 糸井 | 
        ほんとですねぇ。 
          若い人がピーチクパーチク言いながら 
          買い物をするところを、 
          みんながうらやましがってたり、 
          かわいいねって思ったりするのは、 
          あれは、やっぱり、 
          メディアの特性ですよね。           | 
      
      
        | ルディー | 
        そうです。 
          メディアが騒ぐからなんですよね。           | 
      
      
        | 糸井 | 
        たとえばフィンランドだって、 
          GDPとか、ずっと低いでしょ。 
          フィンランドのことを、 
          ぼくらはいずれもっと調べようと思っているんですが、 
          一人ひとりの生活とか見てると、 
          ものすごく質素で楽しそうなんですよ。           | 
      
      
        | ルディー | 
        やっぱり、相対的なもので 
          みんながそういう生活してれば 
          日本人だって幸せに感じられるんですけど。 
          他人と比べて見ると、やっぱり、 
          自分には、あれがない、これがない。 
          だから自分は幸せじゃない。           | 
      
      
        | 糸井 | 
        アメリカのマッチョイズムを、 
          半端に輸入しちゃって、そこがなんか 
          幸せ感をわからなく 
          しちゃってるんじゃないかな。 
          ぼくは、自分の中のマッチョイズムを、 
          ビルがにょきにょき建ったときに、 
          ある種、人類として 
          性的に興奮してるんじゃないかな、 
          っていうふうに思ってて。 
          やっぱり、にょきにょき建つ、 
          っていうのはうれしいんだよ、 
          っていう意見もあるかと思って、 
          上海に見に行ったんですよ。 
          にょきにょきを。           | 
      
      
          | 
      
      
        | ルディー | 
        はい。           | 
      
      
        | 糸井 | 
        でも、うれしくなかったんですよ。 
          うらやましくなかったんですよ。 
          ずっと貧しかったときには 
          あの建ってるのがうれしいんで、 
          ある程度見てからだと、 
          うらやましくないんですね。 
          いろいろ、試し算をしてる最中なんですよね。           | 
      
      
        | ルディー | 
        ああー、なるほど。 
          やっぱり、北欧って 
          これからの日本が行く道かも 
          しれないですよね。           | 
      
      
        | 糸井 | 
        うん。案外、変えられるのは、 
          若すぎるやつらとじじいだと思ってるんです。 
          それは、両方とも 
          マッチョイズム持たないで済むから。 
          まぁ、そんな大それたことができるまで 
          生きてるとは思えないけれど、 
          長生きしたくなるんですよね。           | 
      
      
        | ルディー | 
        日本、うーん、もうちょっと 
          元気出してもらいたいと思いますね。           | 
      
      
        | 糸井 | 
        また、吉本さんの話なんですけど。 
          アフリカ的段階の土地、 
          アジア的段階の地方と、 
          それから、いま現代、近代と、 
          3つの地区を、いまの技術だったら、 
          ミックスした都市計画ができるっていうのが、 
          講演テープの中に入ってて。 
          「そういうことっていうのは、 
           発展して行った先にはあると思いますね」 
          って言い方してて、 
          憧れですよね、逆に言うとね。           | 
      
      
          | 
      
      
        | ルディー | 
        うん。 
          やっぱり、東京に集まりすぎてる 
          っていうのが問題なんでしょうね。 
          田舎も少し再生してもらわないと。           | 
      
      
        | 糸井 | 
        田園があり、森林があり、商圏があり、 
          そこに船が来たらもっといいですよね。 
          ‥‥みたいなこと、いちばんね、 
          実は東京だってできると思ってるんですよ。 
          でもたぶん、 
          土地の値段が付いちゃってからだから 
          難しいんですよね。 
          アフリカ的場所を作れないからね。 
          地方都市だったら、できますよね。           | 
      
      
        | ルディー | 
        できます。           | 
      
      
        | 糸井 | 
        ぼくは、いま「ほぼ日」っていう仮想の場所を、 
          町みたいに機能させようと思ってるんだけど、 
          ほんとのリアルの町で 
          そういう遊び方ができるんじゃないかな、 
          っていうのは、生きてるうちに 
          できるとおもしろいなぁと思ってるんですよね。           | 
      
      
          | 
      
      
        | ルディー | 
        ぜひ、がんばっていただきたいと思います。           | 
      
      
        | 糸井 | 
        ほんとはダイレクトマーケティングの話も 
          聞きたかったんですけど。 
          うちは、よそとコラボしていくことを、 
          意識的に増やしてるんですけど、 
          そのコラボしたチームに対して 
          ルディーさんみたいな人が 
          ちょっと、助言くださったり、 
          教えてくださることがあったりすると、 
          なんか見えてくるものが。 
          やっぱり、異文化の組み合わせになるんで、 
          両方わかってる人に、 
          ちょっと訊いてみたいことが 
          出てくると思うんですよね。           | 
      
      
        | ルディー | 
        何かありましたら、ぜひ。           | 
      
      
        | 糸井 | 
        そのときは、ぜひ。 
          ぼくら「ほぼ日」は 
          そういう場所なんで、 
          ただおもしろきゃいいやでやってるんですけど、 
          ぜひ、よろしくお願いします。           | 
      
      
        | ルディー | 
        いえ、こちらこそ。           | 
      
      
        | 糸井 | 
        ありがとうございました。 
          いやー、おもしろかった。 
          いままで知らなくてごめんなさいね。           | 
      
      
        | ルディー | 
        とんでもないです。 
          読んでいただいて、 
          書いていただいて、 
          呼んでいただいて、 
          もうほんとにうれしくて。           | 
      
      
          | 
      
      
        | 糸井 | 
        せめて、この本がみんなに行き渡るように、 
          また、がんばります。           | 
      
      
        | ルディー | 
        ありがとうございました。 
          友人に売れないと言ったら、 
          演歌歌手だって、 
          みんなCDを配って歩いて 
          2年後に売れ始めたりするんだから、 
          がんばってやりなさいって 
          言われました(笑)。  
           
          (ルディー和子さんとの対談は、 
           これで終わりです。 
           ひきつづき「ほぼ日」のお金特集は 
           つづきます。 
           どうぞ、おたのしみに。 
           どうもありがとうございました!) |