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「ご無沙汰してます。 よろしくお願いします。 最近オリンパスの新しいカメラを 入手しましたよ」 |
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「おひさしぶりです! じつはぼく、古いレンズに はまってるんです」 |
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「ぼくは年季の入ったEOSキッス!」 |
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菅原一剛さん、お久しぶりです。 |
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よろしくおねがいします! |
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オリンパスのE-P1(*)を手に入れましたよ。 |
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ああ、いいですねえ。 |
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革を貼ってみたりして。 古めかしくていいかなと。 |
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俺もやってみようかな。 |
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附属でついてた34ミリ相当の単焦点レンズ、 |
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古いレンズって、 メーカーの違いもさることながら、 ガラスのコーティングが違うんです。 |
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そんなに違うんですか。 |
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光は波動だから 速いスピードの光と 遅いスピードの光があるんですね。 紫外線が速くて、 肌も焼くぐらい強いんです。 それを写真は平面で受け止めるわけだから、 スピードが速いほうが先に届く。 |
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はい。 |
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そうすると、ほかのあとから来た光が 届いたときには、 もう感光が終わっちゃってるから、 それをカットしていかなきゃいけないんですよね。 紫外線をカットしていくというのは、 写真の歴史だと言ってもいいかもしれないです。 とくにデジタルになると、 速いスピードで届く光だから 電気的に誤作動も起きて、 ノイズも起こる可能性がすごく高い。 だから、紫外線だとか赤外線、 いわゆる一般的に人間の目に 見えないといわれている光は、 どうせ見えないんだからって カットしながら開発が進められてきたという デジタルカメラの歴史があるんですね。 とはいうものの、このあいだ、 ビートルズのCDすごかったじゃないですか。 聴かれました? |
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僕はモノラルボックスを買いました。 |
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すごいでしょ、音が。 |
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うん、すごいです。 |
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あれって、ぼくらが思っていた CDの音じゃないですよね。 なんかもっと生っぽい、 ある意味アナログよりも生っぽい新しい音。 CDも出始めの頃はすごく音が痩せちゃって、 細くなっちゃった感じがあったけれど、 今回のビートルズのCD、 音が細いとか痩せてるなんて印象、 まったくないですよね。 そういうふうにデジタルも 進化してきてるんです。 |
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音、いいんですよね、やっぱり。 |
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みんな気がついてるんです。 今のデジタルカメラの物足りなさは、 最初のCDと同じだと思う。 フイルムカメラを知ってる人は、 デジタルカメラを使うと何かちょっと、 何か物足りないというか。 僕も100パーセント好きって言えないですから。 |
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音楽は、レコードの針の雑音や ラジオのノイズを含めて、 聴いててうれしかった。 |
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雑音を含めたものですよね、音楽は。 いまでもライブに行ったら雑音だらけです。 |
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写真もそうなんです。 前、「写真がもっと好きになる。」の中でも、 絵を描いて説明したことあったと思いますけど、 円錐形でしょう。 空気そのものも含めて 「どうやって写すか」ということが大事なはずなのに、 デジタルカメラは、そこを全部割愛して キャプチャーすることに頑張っちゃってる。 そんななかで、やっぱりレンズ、 とくに古いレンズを使えるというのは、 すごく大きな発見がありますよね。 「それこそが素晴らしい」 とは言わないけれど。 |
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難しいところですね(笑)。 |
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「トイカメラがいい」というのと 一緒のことになっちゃうから。 もちろん、そこには 一つの大きな可能性がありますよ。 でも、たとえばライカのレンズって やっぱり本当にバランスがよくて素晴らしいし、 そういうレンズがつけられるだけで カメラはちゃんと反応しますよね。 しかも、最近のこのマイクロフォーサーズとか 「E-P1」にも、もちろん「E-P2」にも搭載されている CMOSセンサーと呼ばれてるのは、 CCDに比べると階調表現が豊かな印象があります。 柔らかいと言ったらわかりやすいかもしれない。 だから今のレンズほど紫外線をカットしてない 古いコーティングのレンズでも、 その感じが、出る気のかもしれませんね。 |
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レンズがあるので撮ってみます。 |
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そしてこれは、ライカのMマウントレンズ。 |
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さらに、パナソニックの作った |
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いいね。 やっぱり、今の時代に合ってるね。 |
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レンズで写りがぜんぜん違うっていうのは ぼくもこのごろ痛感してるんです。 |
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今、レンズメーカーのシグマのレンズが ヨーロッパですごい売れてるんです。 安いわりによく写るって。 光をいかに写そうかと、 各レンズメーカーは頑張ってきたわけだけど、 赤外線と紫外線をカットしてどう写すか、 っていうことが、今、焦点になってる。 デジカメの場合ね。 そうすると、シグマみたいな レンズ専用メーカーの性能が ぐっと注目されるようになっている。 |
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なんかお話が、オーディオに似ていますね。 昔、僕、オーディオがすごく 好きなことがあって |
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ぼくは、今でも好きですよ(笑)。 |
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あれもほら、スペックというか、 一所懸命カタログに記されてる数字を 追い求めるメーカーと、 まったくそこダメなんだけど聴いてみると 「おお!」みたいなのっていうのありましたよね。 |
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そう、同じですね。 結局、数字じゃないなって思うでしょう? 車でも何でもそうじゃないかなと思うんですけど、 機械はスペックだけじゃない。 スペックがすごく具体的に反映してくるのって パソコンぐらいじゃないのかな。 |
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そういう感覚が、このE-P1になって よみがえったんですよ。 僕がずっと死蔵していた フイルム一眼レフ時代のレンズとか、 40歳記念のライカのレンズとかが 全部デジタル使えるようになったんです。 まあ、アダプターは必要なんですけれど。 |
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そこがけっこうするんじゃない(笑)? |
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ん、高いと言えば高い、 1万円台です。 |
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あ、でも、それでレンズが 使えるようになるんだったら、 と思える額でもあるんですね。 |
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そしてマニュアルフォーカスのレンズって、 いま、中古で買ったら安いものもいっぱいあって。 |
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そうですね。 |
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むかしがんばって買った記憶があるので、 悲しいぐらい安いんですけどね。 でも、すごくいいですよ。 |
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僕も家にある自分のライカのレンズを たまにつけて使います。 |
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楽しいですよね。 |
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うん、写りがやっぱり「まったり」するの。 だから、デジカメ嫌いになったりとかした時には そういうのも、いいかもね。 職業的に毎日フイルムを使っているので、 余計になんか「やっぱりデジカメ、ダメだなあ」 みたいに思うことも、あるんですけど、 でも、デジカメにはデジカメにしかない、 便利で、楽しい部分もあるじゃないですか。 |
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はい。僕らは職業ではないので、 デジカメいやだなと思わないですよ。 というか、それしかないんだから、 そこでどう遊ぼうかなって思います。 |
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あるじゃないですか、フイルムカメラが(笑)。 |
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はい、いまでも大事にもってますけど、 だけど、やっぱりフイルムを入れて お散歩に行こうという 精神的な余裕は‥‥ない(笑)。 |
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(笑)。 |
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いや、持ちたいという気持ちは、 あるんですよね。 |
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気持ちはね。 |
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こう考えりゃいじゃないですか。 |
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どう考えりゃ? |
(つづきます) |
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