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なにしろ10分の作品ですからね。 |
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ですねえ、どこまでお話しましょう? |
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むずかしい。 |
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なーんにも知らない状態で観て、 わたしたちもすごく驚いたわけだし。 |
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そっかー、そうだよねえ。 |
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うん。 ここはいつも悩みどころなんですよ、 どこまでお知らせすればいいのか。 |
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なので、よく言っているのは、 「これから観ようと思っている人は ぜひ、読まないでください」と。 |
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そう、ぜひ読まないで(笑)。 |
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ここでページを閉じて(笑)。 |
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妙なページだねえ(笑)。 |
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でも、「あ、そういうお話なんだ」って ちょっと知ってから、 観てみようかな? って思う人もいるよね。 |
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そうですね、いらっしゃいますよね。 |
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話はそれますが、永田さんって とにかく一切、知りたくない派なんですよね。 |
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あ〜、そうそう(笑)。 |
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事前情報はなんにも知りたくないと。 映画の予告編を観るなんてもってのほか。 先に観た人が感想を語り出したりすると、 わりとね、本気で怒ります。 |
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そうそう、永田さんはそう(笑)。 |
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一方、その正反対がモギさん。 |
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モギさんってどうなんですか? |
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たとえば「昨日、演劇観た」って言うでしょ? すると、 「どんなストーリー? ラストは?」って。 |
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へえ〜、知っても平気なんだ。 |
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「大勢に影響なし」なんだそうです。 「聞いていた、これかぁ!」と楽しめるし、 あらかじめ内容を聞いておけば、 自分好みかどうかを事前に判断できる、と。 |
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なるほどねえ、それぞれなんだねえ。 |
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まあ、そのふたりはかなり極端な例ですが。 でも、そうですね、 これをきっかけに「観てみよう」と 思われるかもしれないかたに向けて、 ごくごく簡単にあらすじをお話ししましょう。 |
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はい、いつものようにですね。 例によってこれ以上は知りたくない! と思ったら、ページを閉じてくださいね。 |
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永田さんは、ここで閉じてください。 |
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モギさんは最後までいっちゃってください。 |
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まいります。 ‥‥ある町に、つみきのように 建てられている家があるんです。 どうやらその町は、水没してしまっている。 徐々に水面が上がってくるのにあわせて、 人々はレンガを積み重ね、 どんどん上に、部屋を作っているんですね。 まあ、そういう村ですから、 出て行ってしまう人が多いようなんですよ。 そんななかで、ひとつの家に ひとりで住み続けているおじいさんがいる。 いくつも、つみきのように家を重ねて。 |
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というのが状況設定ですね。 ここでページを閉じてもいいかもしれません。 |
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永田さん、まだ読んでたりしないでしょうね。 |
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モギさんは引き続きどうぞ。 |
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で、ある朝、おじいさんが目を覚ますと、 また床上まで水があがってきているんです。 おじいさんは建て増しを決意して、 もう一階上にちいさな家を作りはじめます。 それで、水につかっちゃった部屋から ボートに乗って家具を出そうとした時に、 くわえていたパイプを落としてしまうんです。 ちゃぽん。 |
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起承転結でいうならば、 ここはまだ「起」のところかもしれません。 ページを閉じるひとつのポイントです。 |
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妙なページだなあ、閉じろ閉じろって(笑)。 |
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たしかに(笑)。 |
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パイプを落っことしたおじいちゃんは なんと潜水服を着てそれを拾いに 水の中に潜っていくんです。 よっぽどだいじなパイプなんでしょうね。 一階下でパイプを拾うんですが、 それを拾うときに、 フラッシュバックで記憶がよみがえる。 それがね、亡くなった‥‥ |
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亡くなった奥さんの記憶だね。
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それで、おじいさんはハッと思って、 さらに下の階に通じるドア‥‥ というか、あれはハッチというのかな? ふだんはそのふたを開けて魚釣りをしている。 そのドアを開けて、 下に下に潜っていくと、 それぞれの階での思い出がよみがえって‥‥。 孫の記憶もありましたっけ? |
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孫もあった。 |
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ベッドに横たわるおばあさんに ごはんを食べさせている記憶も。 |
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あ、そうか、記憶を逆にだもんね。
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孫がいる階の下では、 娘さんがお嫁にいく記憶が。 |
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逆に逆に。
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記憶を手前のほうからね。 |
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そうそう、さかのぼってく。
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で、どんどん、どんどん下に行くと、 ついに1階にたどりつく。水の底に。 そこでは、この場所が水につかる前の 草原だったころの記憶がよみがえって‥‥。 |
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まさか永田さん読んでないでしょうね。 |
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一同 |
(笑)
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まだ若いおじいさんが、 幼なじみの奥さんに出会ってから、 結婚するまでの記憶が、 こう、やわらかく、表現されて‥‥。 |
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そう。いいんですよねえ、そこが‥‥。 |
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ぜんぶを思い出したおじいさんは、 もう一度いちばん上の部屋に戻ってきて。 そこでは当然ひとりぼっち。 でも、ひとりぼっちなんだけど、 ワイングラスをふたつ並べてね、 しずかに乾杯をして終わり、という‥‥。 |
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だめだ、いま聞いてても泣けてきた。 |
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一同 |
(笑) |
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そうなんですよね、 知っているのに、 心が揺り動かされるんです。 3回観てもそれぞれに感動がありました。 ということは、このあらすじを知っていても 悪い影響はあまりないのかもしれませんよ? |
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うーん、ぼくらはその順番で観てないから そこは何とも言えないんだけど‥‥ すくなくともミステリーのタネ明かしを しているわけじゃないよね、今回。 |
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うん、それとはちがう。 |
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そもそもぼくらのこの、つたない説明で 作品のすべてをあらわせるはずがない(笑)。 |
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そりゃあそうだ。 |
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セリフのない作品だったから、 拾いきれない情報もたくさんあるはずだし。 |
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DVDだと長澤まさみさんの ナレーション「ばぁ〜」もあるしね。 |
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‥‥うん? なに? その「ばぁ〜」って。 |
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ナレーションバージョンの「ばぁ〜」。 「Ver.」だから、「ばぁ〜」。 |
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‥‥いい発音だねぇ。 |
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発音の話はさておき、 そのナレーションバージョンで、 拾いきれなかった情報も すこしわかったりして。 |
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それでさらに、絵本を読めば‥‥。 |
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あ、そうそう! 絵本もあるんです。 それにはストーリーが ややこまかく書かれてある。 |
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そうだったのか〜っていう。 |
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うんうん。 |
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絵本は、アニメーションとは別で 新しい描き下ろしなんですって。 |
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へええ〜。
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ぜんぶ水彩画で描き下ろしているそうで。 |
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いまのおじいさんの暮らしも ちょっと書いてありましたよね。 |
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はい。そのあたりは 読んでいただいてのおたのしみと しましょうか。 |
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ですね。
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では、こんなところでー。 |
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‥‥よもや永田さん読んでないよね?
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