「Isn't She Lovely」なら、
みんなが知ってますね、きっと。

うん、あれ‥‥いいかも。

‥‥あれ、やりませんか？

やりましょうか。

ジャズの歴史に出てくる
いろんなジャズのパターンの演奏で、
「Isn't She Lovely」。

うん‥‥いいね。

あの曲、終わんない「わけ」があるんですよ。
最後のところで
♪タタタ、タタタ、タタタ、タン、タン！　て
決めるんだけど‥‥。

それでまた、
はじめに戻りたくなるんですよね。

あれ、なんなんですかね、ほんとに。

誰かが出ると終われない。
それで、必ず誰かが出たくなる（笑）。
名曲なんですね、きっと。

あるピアニカのプロ奏者に
なぜプロになろうと思ったんですかって
聞いたことがあるんですよ。
そしたら「Isn't She Lovely」の間奏に‥‥。

ハーモニカだ。

あのハーモニカの間奏がいいなーと
思ったらしいんですよ。
で、友達に「この楽器、何？」って聞いたら、
「ピアニカだよ」って（笑）。

それは‥‥（笑）。

えー、ほんとに？

で、ピアニカを買って、夢中になって練習して、
すごくうまくなって、プロになった。
そしたら、「ハーモニカだった」という‥‥。

すでに遅かった（笑）。

いまさらハーモニカには戻れず（笑）。

そうです‥‥か‥‥（笑）。

でもあの曲なら、
アドリブ、ちゃんとできますよね？

ええ、できますね。
いろいろなスタイルでできる
コード進行の構造も持っていますね。

なんて言うんだろう、
「かっこいー！」って
終わりかたにしたいなあと思うんです。
ジャズにたいするぼくの印象って、
「大人ってかっこいい！」だったんですよ。

山下さんのサウンドも、
どこかで一曲、ほしいですね。

それは当然、ほしいですね。

うん、それは、どこにでも挟めますよ。
長くも、短くもできるし。

‥‥つまり、お客さんには
まずは、すばらしい音を聴かせるコンサートだと
考えてもらって、いいですよね。
で、それだけじゃない「お楽しみ」もある、と。
やっぱり、音楽の企画なんですから、
すばらしい音楽を楽しんでもらわないと。

ええ、基本のところは、そうでしょう。

で、タモリさんは、だいたいどこにでも、
間の手、入れられますよね。

‥‥ま、長いつきあいですし。

もう、長いつきあい（笑）。

それで、曲と曲の間を埋めていくと。

重要な人物についても語れますよね。
‥‥で、いつか「人物篇」てのも。

ああ、やれそうですねぇ。