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♪ジャンジャカ ジャンジャカ ジャーン。 |
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あけましておめでとうございます!
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やあーー!
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きょうは、糸井さんがいつもつくっているカレーを
ここで再現していただきます。
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♪ヘイヘーイ、ウェーーーイ。
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その荷物は?
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自分がつくってるやつをつくるわけだから、
持ってきました、必要なものを。
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必要なものとは、どのような?
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このような。
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お、なんか、機械?
‥‥あー、バーミックスというやつですね。
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うん。
スパイスをじゃんじゃん使いますからね、
バーミックスで砕くんです。
で、砕くスパイスが、こいつら。
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おおー、どっさり。
業務用ですか。
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専門店で買っています。
それから、ギー。(どん、と置く)
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ギー。
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すましバターですね。
乳脂。
※ギィとかギーとか、表記は様々
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ギーでつくると、やっぱり違いますか。
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香ばしい香りがね、独特の。
でも手に入らなければ、
ほかのあぶらでも大丈夫なんです。
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なるほど。
自宅から持ってきたのは、以上ですか。
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そうです。
スパイス一式と、ギーを持ってきました。
‥‥で?
きょう使う野菜は、これなんですね。
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はい。
なんとなくの量を買っておきました。
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じゃあ、もう、この野菜を切っちゃえば?
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ぜんぶですか。
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ぜんぶいっちゃいましょう。
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どういうふうに切りましょう。
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ふつうに、「カレーらしく」です。
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カレーらしく‥‥。
わかりました。
では、
タマネギのみじん切りから‥‥。
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ほほう、
カレーのルーは、これですか。
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そのあたりをミックスするのが
いいかと思いまして。
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ナイスだと思います。
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ありがとうございます。
お肉は牛バラのブロックを800グラム。
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ふむ、800グラム。
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というような材料で、
きょうは何人前のカレーをつくりましょう?
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量は‥‥
つくりながら考えようか。
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つくりながら。
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いつもの倍くらいをつくろうと思ってたけど、
これだけ材料があればさ、
けっこう多めにつくれるかもね。
だから様子を見つつ、多めにつくりましょう。
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了解です。
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♪それじゃあー ぼくはー
スパイスの準備にぃー
とりーかかるよぉー♪
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ん? すでにいい香りが‥‥。
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でしょー。
匂う、香る! 匂う、香る!
どう? そっちは。
タマネギ、きざんでる?
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はい、進めています。
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よーし、スパイスも進めるぞぉ。
まずはこの、
いちばん時間がかかるカルダモンから。
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こいつの皮をひとつひとつ、むくんです。
カルダモンの皮をむく‥‥。
ひたすら、むく‥‥。
よいしょ。
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これがなかなか骨の折れる作業で‥‥。
よいしょ。
カルダモンをたくさんむきたいのに、
ひとつをむくのに、こんなに手間がかかる。
よいしょっと。
これ、たいへんだわ。
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‥‥しかしまあ、あれだねえ、
これだけぼくが、
たいへんだって言ってたら、
「ちょいと手伝いましょうかい?」
みたいな人がひとりくらい‥‥
多くとは言わないよ、ひとりでいいんだ、
たったひとりくらい現れてよさそうなもんだけど、
どうにも、あれだね、せちがらいというかね、
みんな自分の仕事で手一杯なんだねぇ、
まあそれはそれで仕方のないことでそれぞれが‥‥
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手伝います。
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そうかい? なんだか悪いね。
‥‥タマネギの仕事は大丈夫なのかい?
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大丈夫です。
心強いヘルプがやってきてくれました。
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あー、この人たちなら安心だ。
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さすがみごとなタマネギのみじん切りです。
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ニンジンは、
実にカレーらしい乱切り(らんぎり)に。
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♪おどま らんぎり らーんぎり
おどま らんぎり らーんぎり♪
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‥‥わかりにくいとは思いますが、
糸井さんはいま、
熊本民謡「五木の子守歌」の替え歌を歌いました。
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下ごしらえとしては、
ニンニクとショウガも、やっておかないとね。
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はい。
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ニンニクは、適量をきざんでおいてください。
ショウガは、いい感じの分量をすりおろして。
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そのあたりをどんどん、
アシスタントたちは
感覚を頼りに進めています。
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すばらしいですね。
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このカレーの未来は、まったく明るいです。
みんなが、ひらめきで進めていますね。
‥‥あ、そうだそうだ、
たいせつな下ごしらえがもうひとつありました。
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なんでしょう。
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肉です。
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肉の下ごしらえ。
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このブロックの半分を、
焼き肉用くらいの薄さに切ってください。
残りはサイコロ状に切ります。
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薄く切ったほうは最初から煮込んで、
ソースにコクを出していきます。
サイコロのほうは、
表面だけ焼いて最後の最後に加えます。
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つまり、サイコロのほうは、
肉のうまみを逃がさずに食べるわけですね。
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そういうことです。
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カルダモンの皮は、
このくらいむけばいいでしょうか。
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よしとしましょう。
でも、スパイスの下ごしらえは
まだまだありますからね。
ここがいちばん手間のかかるところです。
ひとつずつ、きっちりやっていきましょう。
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糸井さんは、
こういう真面目な料理が好きですよね。
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そんなのばっかりが好きなんですよ、
ジャムとか煮豆とか、
真面目にやりさえすればおいしくなるのが。
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カレーのスパイスも。
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まさしくそれです。
つづけましょう。
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(つづけましょう。
次回もスパイスの下ごしらえです) |