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ほぼ日刊イトイ新聞

2025-05-10

糸井重里が毎日書くエッセイのようなもの今日のダーリン

神田祭だ。
 二年に一度、この時期、神田はえらいことになっている。
 みんな、ふだんの「町のおじさん」じゃないのだ。
 それぞれに、「神田祭の人」になっている。
 いや、同じっちゃ同じなんだよ。
 あのカレー屋のあのおじさんだ、と子どもが声をかけたら、
 いつもと同じように「あいよ」とニコニコしてくれる。
 だけど次の瞬間からもう、歩く姿が祭人(まつりびと)さ。
 五輪真弓の名曲『恋人よ』のなかに
 「マラソンびとが遠ざかる」という歌詞があるけれど、
 いまうちの近所じゃ「まつりびとが行き交っている」よ。

 5月11日といえば、
 NHKホールでは「矢野顕子×上原ひろみ」のコンサートだ、
 立川では吉成名高選手の試合もあるわけだけれど、
 なんだってかんだって神田祭なんだよ、ぼくらはね。
 「錦町三丁目版の祭のポスター」では、
 トム・クルーズばりの主役を張っている山下さんは、
 今年はひざを傷めていて、医者に神輿は禁止されている。
 つまりはトム・クルーズは出ない「神田祭」ということだ。
 そこだけだ、残念なのは。
 神輿とともにゆらゆら歩くのは、たぶん大丈夫だろうから、
 ぼくもだけど、力まない「祭人(まつりびと)」をやる。
 「ほぼ日」からは、若い衆も参加が増えたし、
 あとは、お天気がちょうどよくなることだけを祈ります。

・お話はかわりますが。
 先日、年に何度もお会いする知り合いから、
 引っ越しのおしらせメールを受け取りました。
 ずっと東京にいて、こんどの引っ越し先での
 農作業的な仕事もやっていた方ですが、
 本格的にそっちの仕事をやることになるようです。
 やっぱり、そういうふうになったか、と返信をしました。
 「きっと、TちゃんYちゃん夫妻の選択は、
 最良なんだと思いますよ。
 どういう道を辿っても、
 あとで『よかったね』と言ってそうだし。」
 そんなふうに書いてるぼくも、
 どういう道を辿っても、あとで「よかったね」と
 言えるようなじぶんでありたいとも思いました。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
まずは、いまいる神田に引っ越してきて、よかったねです。


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