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| コーヒー道具のお話というわけで。 | |
| 次は何にしましょう。 | |
| ええと‥‥じゃあ、ポット。 | |
| ポット。 | |
| ポットの話、いきましょうか。 | |
| いきましょ、ポット。 | |
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| ドリッパーにセットした豆に お湯を注ぐための道具です。 |
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| たいせつですよね、ポット。 | |
| はい、とても。 福田さんのそれは、いいやつですね。 |
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| はい。 これはいいポットです。 |
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| ステンレスの、いいやつ。 高かったでしょう? |
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| ええ、ぼくにしてみれば。 高い、高いんですよ。 |
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| いちまんえんくらいしますよね。 | |
| しました。 高価な買い物だったので、 もう、ものすごく印象的におぼえています。 |
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| へえー、どこで買ったんですか? | |
| あ、どこで買った、という質問ですか。 どこで買ったのかは、 ちょっとおぼえてないんですけどね。 |
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| それ‥‥ダメじゃないですか。 | |
| いやいや。 | |
| いやいやじゃなくて(笑)。 印象的だって言ったのに。 |
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| 買ったときにお店の人から 言われたことを強くおぼえています。 |
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| 何て言われたんです? | |
| 「これはいいポットなので、 高いけれど、いいですよ」 |
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| ‥‥きっとお店の人は そんな言い方をしてないと思いますけれど、 わかります。 要は、本気ですすめてくれた、と。 |
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| はい。 「こういう高いのを買ったからには あとへは引けない、 これからはちゃんとコーヒーを淹れよう」 そう決心したことを 今でも手に取るように思い出すことができます。 |
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| じゃあ買ったお店も思い出してください。 | |
| うーん‥‥はてっ! あっれは、どっこやったか‥‥。 |
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| いいです、それはもう。 これ、火にかけられるんですか? |
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| かけられます、かけられる。 じゃんじゃん火にかけてます。 これで何でもやってますよ。 |
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| 何でも? | |
| 植木に水もやってます。 | |
| う、植木に水‥‥。 | |
| 便利なんですよ、何にでも使えます。 | |
| 頭のお皿にも? | |
| やめてください(笑)。 | |
| 頭のお皿が乾かぬよう、湿り気を。 | |
| そんなに無理矢理カッパの話にせんでも‥‥ あっ!! |
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| な、なんですか? | |
| 思い出した。 どこで買ったか急に思い出しました。 あそこだ、鎌倉です。 鎌倉の「ディモンシュ」というお店です。 |
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| 鎌倉。 | |
| 「カフェ・ヴィヴモン・ディモンシュ」という お店があって、そこの2号店で買いました。 まだぼくが大阪に住んでいたころです。 |
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| 大阪からわざわざ鎌倉まで来て、 買ったんですか。 |
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| はい。 | |
| それは、あれですね、 かなり気取った男ですよね。 |
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| いやいや、そんなことないです。 | |
| 「ちょっと鎌倉まで、 コーヒーポットを買いに行ってくるよ」って。 |
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| ふぉふぉふぉふぉ。 | |
| みなさん、いまのは笑い声です。 | |
| やめてください(笑)。 | |
| つい、無駄なおしゃべりになっちゃいます。 いけません。 ちゃんと実のある話をしないと。 |
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| そうですよ。 | |
| 福田さんのこのポットは、 ほんとに細く、お湯が出ますよね。 |
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| 出ますね、安定して細く。 でもぼくはまだ、へたくそな気がします。 |
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| すこしずつ細くお湯を出すのって、 けっこう集中しますから。 ぼくもよく失敗します、手が震えて。 |
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| はい。 | |
| で、こっちのポットなんですが、 これは「月兎印のスリムポット」です。 |
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| 野田琺瑯の工場でつくられた。 | |
| そうそうそう。 通称「ゲット(月兎)」。 今はたしか5色くらいあるんですが ぼくが買ったときは、 この「キャメル」と「ホワイト」の 2色しかなかったんですよ。 悩みに悩んで、こっちにしました。 |
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| 小さいのもありますよね。 | |
| ええ、これは大きい方です。 小さいのもかわいいですよねー。 もう剥がれちゃいましたけど、 最初は「月とウサギ」のシールが貼られてて。 |
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| やっぱり山下さんは、ウサギが決め手ですか。 | |
| それもあります。 でも、全体的なたたずまいというか‥‥。 初めて見たのは、 雑誌『クウネル』の、 あれは5号でした。忘れもしません。 月兎印のポットができるまでの記事を読んで、 もう、すぐに探して買いました。 |
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| ミーハーですね。 | |
| 何とでも言ってください。 | |
| でも、使いごこちは良かったんですよね。 | |
| そうそう、そこです。 コーヒーポットは、何がポイントかって、 注ぐときに、こう、 お湯がダボダボと踊らずに ほそーく出てくることですよね。 |
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| はい。 | |
| あと、ポットから出たお湯が、 注ぎ口の下をつたってボタボタしちゃうと、 もうだめじゃないですか。 月兎はそこが大丈夫かな? と思いながら、かわいさだけで買ったんですが、 使ってみたら‥‥優秀なんですよ。 |
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| そうみたいですよね。 | |
| あちこちぶつけて、 こんなになっちゃいましたが、愛用してます。 |
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| 使いこんでる。 | |
| この前、野田琺瑯さんの工場に 行けたんですよ。 「月兎印のスリムポット」が できるところも見学できて、 コンテンツにもして、感無量でした。 |
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| 琺瑯、いいですよねぇ。 | |
| ステンレスもいいですよ、プロっぽくて。 ぼくは今、 「ユキワ(YUKIWA)コーヒードリップポット」 というのがすごく気になってます。 |
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| しかしまあ、ポットのことだけで、 こんなに話ができるもんなんですね。 |
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| まだドリッパーのことさえ話してないのに。 いやほんと、 まだまだ話したいことがいっぱいある。 |
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| ほんとです。 | |
| こぉれは、たっのしいですねえー。 | |
| ふぉふぉふぉふぉふぉ。 | |
| 今のは笑い声です。 |
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(つづきまーす) |
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