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ほぼ日手帳

糸井重里

・4月も、いまごろになるとさすがに気になってきます。
 予定とか決めないタイプの人にも、黄金週間はやってくる。
 手回しのいい人は、すでにそこでどうするかについて、
 予定も組んであるのでしょうが、それがない人もいます。
 たとえば、ぼくです。
 苦労してあれこれ予約したり、旅の支度をしたり、
 スケジュール調整して混雑のなかに突っ込む気迫がない。
 その日その日のお天気しだいでゆらゆらしていよう。
 そういうことにしたら、ある意味らくちんなのでした。

 しかし、今年の連休は、充実しているはずなのです。
 だって、渋谷PARCOの「ほぼ日曜日」が、
 あこがれの「歌謡曲喫茶」になるんですから。

 「ジャズ喫茶」もあったし「ロック喫茶」もあった。
 いい音響システムで音楽を聴きながらお茶をする店。
 かつては行きましたよ、ぼくもよく、そういうところ。
 だけど「歌謡曲喫茶」ってあったんだろうか? 
 たぶん「歌謡曲」というのが「ふつうの歌」だったので、
 わざわざ特別な店で聴かなくても、家でも街でも、
 どこでも流れていたからだと思うんですね。
 でも、いまはそんなシーンはないです。
 歌は、どこにいても「個人」が聴くものになっちゃった。
 そのよさ、ありがたみもわかるんだけど、
 空間を伝わってくる音の波を全身で感じるって、
 あるいは他の人も聴いている場所で聴いてるって、
 とても心うれしいものなんですよね。

 そして、流行歌という意味でポップスも含めた
 「歌謡曲」というものが、とにかくいい(!)んですよ。
 その曲がその詩がその音楽がどういいんだろう
 っていうことについては、その夜のゲストが、
 きっと「すっごく愛をこめて」語ってくれます。
 ぼくも、そのゲストのほうの役割もするのですが、
 むしろ喫茶店の客席のほうに毎日のように通うつもりです
 (ほれ、その「通う喫茶」ですから)。
 大拍手とか歓声とかと無縁に、ただいい音で聴く歌謡曲。
 どの日もあれです「だれも来なくてもやる」イベントです。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
教室の「放課後」になんとなく集まって音楽を聴くみたいな。

昨日のコラムを読み逃した方はこちら。

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