糸井重里
・ぼくは、わりとラーメン好きである。
まずは「情報」としてのラーメンも好きである。
ラーメンの記事があると読んだりもするし、
あちこちの店に、機会があれば行って食べたりもする。
ある程度、ここが好きという店もあるから行くのだが、
あちこちに気になる店があったら、出向いていって食べる。
BS-TBSの『ラーメンを食べる』という番組は観る。
ぼくなんかよりずっとラーメン好きの友人もいて、
そういう人たちの話を聞くのも好きだ。
ラーメンそのものもおいしく食べるのだけれど、
その世界のことを知ったりするのもおもしろいのだ。
ぼくも含めてラーメン好きたちは、
いまのラーメンの業界のことを、
「競技スポーツ」のように見ているところもある。
まず「どんぶりに一杯」という競技場は決まっていて、
食べる時間も、客単価も、おおよその材料も決まっている。
麺、スープ、具、基本的にこの要素で勝負をする。
どれだけ手間暇をかけようが、材料を吟味しようが、
やりたいだけ自由にやればいい。
命がけでがんばる人がいてもそれはそれでいい。
その結果のラーメンがお客に支持されれば価値である。
価値が勝ちだ、行列や評判、売り上げで結果も出る。
ラーメンについて知識情報が増えていくと、
無闇にラーメンに詳しい「通」たちも増えてくる。
ここらへんも競技スポーツに似ているかもしれない。
客だった人がラーメン店をはじめるケースもある。
競技スポーツの戦略戦術などが専門化していくように、
スープのつくり方も、複雑な秘術のようになっていく。
理屈や科学でわかるものもあるし、
錬金術師の話のように思えるものもある。
どちらでもかまわない、価値が生み出せればいいのだ。
読み物としてのラーメンはスリリングでおもしろい。
‥‥とか言ってるのもほんとの気持ちなのだけれど、
おいしい「町中華」のメニューのひとつにあるような
ただ「ラーメン」というやつも、うまいんだよねー。
そんなに秘伝でもなさそうなものも、うまけりゃ勝ちだ。
ただのラーメン好きの客は、お気楽なもんだ、ゴメンよ。
今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
たぶんぼくは、あんまり詳しくないほうのラーメン好きです。
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