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ほぼ日手帳

糸井重里

・はっと気がついたら、ぼくは砂漠の中にひとりだった。
 というような映画は見たことがあるだろう。
 「はっと気がついたら」どこかの場面にいた。
 これはあわてる、心の準備もなしに、
 なにがなにしてどうすればいいのかわからない。
 砂漠の中にひとりでも、王子様の白馬に乗せられてでも、
 なんとか次の行動が思い付けるような気もするが、
 これは困るよー。
 →→「スキーのジャンプ台で滑降中だった」。 
 どうすんだよ、俺よ、転んで止まることさえできないよ。
 31度の傾斜を滑ってる、その速度は120キロらしい。
 転ぶとか滑るとかの判断さえてもできっこない。
 これは困るだろうなぁ、なんてことを思いながら
 ミラノ・コルティナ オリンピックを見ているわけです。

 落下しながら空中でくるくる回転する種目も多いしね、
 でこぼこの急坂をごんごん滑り降りる競技だとかもね。
 これが、つながらないんだ、じぶんの経験や体験と。
 子どものころにちょっとスキーやったおぼえはある。
 雪のなかで転がりまわったこともある。
 しかし、どこの誰が空中で回転したことがあるのだ。
 空中で回転しろと言われても、それも無理だと思う。
 クルマで高速道路を100キロで走ったことがあれば、
 F1レースで300キロの速度について、
 「想像つかないけど、すごいんだろうな」と想像する。
 だけど、ボードを足につけて空中で何回転もするって、
 「想像つかないけど」と想像することができないのだ。
 そして、だって、皆さん、いいですか? 
 ぼくらが中継画面で見ている1440の回転とかって、
 ほとんど「スローモーション」で見ているんんですよー! 
 等速で見ても、なにがあったのかわからないでしょう。
 ひゃーとか、こわーいとか言ってますけど、
 ほんとは「なにがなにやら?」のまま、感心している。

 道具をつかってるし、雪とか氷の助けもあるけど、
 人間がやれることって、人間のわからないところまで、
 こんなところまで行ってるんですよねー
 (スポーツ以外でも、きっとこうなんだろうなぁ)。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
あらゆるモノゴトは理解できないくらいに専門化していく。

昨日のコラムを読み逃した方はこちら。

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