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ほぼ日手帳

糸井重里

・いつか、もうちょっと考えてから書こう。
 そう思ってとりあえず記しておくメモというものがある。
 ほんとうに、もうちょっと考えて書くこともある。
 もうちょっと考えるのだけれど、
 そこで書けなくなってそのままになっているメモもある。
 おれはしっかり考える力が弱いんだなぁと、
 ちょっとね、劣等感みたいなものもあるんだけど、
 そういうことじゃないかも、と思うようになった。

 かつてコピーライターをやっていた時代に、
 たとえば「おいしい生活。」というコピーを書いた。
 その先に、数行のボディコピーは書いたけれど、
 それは論文でもないし、文字数もほんの少しだった。
 あのとき、「もっと詳しく語れよ」と言われたら、
 そのコピーの解説を長々としゃべっただろうか? 
 何度か、そのコピーについて取材されたことはあるが、
 とてもとても、相手が納得するようなことは話せなかった。
 それでよかったんだと、いまさら思ってもいる。
 たとえば、俳句とか、短歌とか、短い詩の文。
 「古池や蛙飛び込む水の音」と詩をつくった人がいる。
 ここにボディコピーはいらないし、
 さらに、じっくり考えて論文にする必要もない。
 ただ、この十七音の短詩について、
 作者がそうしたいなら、いくら語ってもかまわない。
 そういうことなんじゃないだろうか。

 まことに我田引水であるのは承知の上で、
 メモの短文も、芸術の表現形式にはないけれど、
 「そのままでもいいんじゃない?」と思ったのだ。
 そこで書かれていることをそれ以上説明することも、
 やりたきゃやればいいし、やらなくても発表すればいい。 

 ◆自由というものが、
 どれだけすばらしいものなのかについては、
 「自由にさせないことが刑罰である」
 という事実によってもわかる。
 ‥‥これは、メモをそのまま記したものである。
 続きを書いても、なんかくどくなるだけのようにも思う。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
ということについても、もっと短くメモできたかもしれない。

昨日のコラムを読み逃した方はこちら。

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