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ほぼ日手帳

糸井重里

・「努力」に似たようなことをしていると、ほめられる。
 いま、「ちいかわ臨書」ということをしていて、
 年寄りの冷水、六十どころか七十七の手習い、
 と言われるのも覚悟しているが、毎日こつこつやってると、
 「努力しているおじさん」のように見られるので、
 なんだか、ほめられ気味になるのです。
 そんなんじゃねぇのです、ただやってるだけですから。
 ばかじゃないのと思ってる人もいそうですが、気にしない。

 「ちいかわ臨書」は、「ちいかわ」だからたのしい。
 そしてあえて「臨書」と言ってるので、発見があるのです。
 もともとは家の上司が書道の「臨書」をしているのを見て、
 「なんだかおもしろそうだなぁ」と思っていたので、
 ちょうどよかったのです。
 まねる、ということが「まなぶ」の基本だということは、
 前々からそうかもしれないと考えていました。
 実際に「ちいかわ臨書」をやりはじめて、
 これはもうその通りだと確信を持つようになりました。
 もとの「手本」を描いている作者が、
 どれくらい大胆で、しかも細心であるかが、
 真に迫って伝わってくるのです。

 と、この先がさらにありました! 
 「カラオケ」は臨書です。
 いい歌だなぁと思うから、それをじぶんも歌うわけです。
 じぶんの気持ちで、じぶんの身体で歌ってみると、
 その曲の良さ、詞のよさが、あらためてわかってきます。
 さらには、歌い手がどういうふうに歌っているか、
 そのすばらしさも伝わってくるんですよね。
 じぶんの歌っているその歌が、いかに、
 もともとのお手本になる歌から距離があるか、
 残念ながらよーくわかってきます。 
 カラオケしてると、その歌や歌い手への敬意が生まれます。
 ね、「臨書」と同じ構造なんですよ、カラオケって。
 あ、臨唱か! 今日はそれをし過ぎて、のどを傷めました。

 ◆質問no.025は「得意なことはありますか?」です。 
 かんたんに「ない」と思わずに、考えてくださいね。
 よかったら、メールに書いてぼくに送ってくださいませ。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
おなじみのカラオケ友だちのことは、唱友と呼ぼうかなー。

昨日のコラムを読み逃した方はこちら。

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