糸井重里
・家のバスにゆっくり身体を沈めて、
いやぁ、お風呂はいいなぁと思いつつ、
これがどうして温泉とはちがうのだろうと考える。
特にこのごろはずっと、「湯の花」を精製した
「くまのおすすめ温泉のもと」を入れているので、
つかっているお湯はとても温泉に近いと感じているのだ。
お湯の温度も温泉の思い出をもとにしてやや熱めにした。
じぶんの身体とお湯の関係だけを考えたら、
これはもう温泉と同じなのではないかとは思う。
温泉に入ったあと、しばらくしてから
「まだ身体がぽかぽかあったかいなぁ」と気がつくよね。
たぶん、ほんとにあったまってるんだと思う。
家で「温泉のもと」を入れたお風呂でも、
それなりにけっこう温泉に入ったあとみたいになるのだ。
あと、温泉のお湯につかっているときに、
「あったまるなぁ、温泉がしみこんでいるなぁ」と思う。
家の「温泉のもと」を入れたお風呂でも、これは感じる。
もう、こうなったら同じじゃないかと思いたい。
思いたいのは山々なれど、やっぱり温泉はもっといいのだ!
家のお風呂場は、家のお風呂場の姿かたちをしている。
どれほど高級なタイルを敷き詰めようが、家の風呂場だ。
ほんとの温泉に入って「いかにも温泉」な景色が
目に入ってくるのと、やっぱりずいぶんちがうのだ。
どうすれば、家で温泉に入った気分を味わえるのだろう。
家のお風呂で、つまらないタイルの壁面を見つめながら、
ぼくは考え続けていたのだが、最近その結論が出た。
「そのつもりになる」練習をすればいいのではないか。
目を閉じて「これは温泉だ、あああ気持ちがいい」と、
思い込めるなら、それはもう温泉なのである。
思い込めないなら、思い込めるまで練習をするまでだ!
そうすれば、家で毎日温泉のよろこびを味わえるはずだ。
最近「主観を育てる」ことを意識しているわしじゃ、
必ずや、無料で道具不要の温泉誘致を成功させるであろう。
◆今日の質問no.039「お忙しいですか?」シンプルです。
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今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
「心頭滅却すれば火もまた涼し」よりは簡単そうな主観温泉。
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