糸井重里
・5月14日の日付が変わらないうちに、
サンダル履きで近くの郵便ポストまで歩いた。
他の用事ではない、ハガキを投函するためだった。
直前まで、小沢健二「月と街のAidate」の会場にいて、
ついさっき帰ってきたばかりだ。
「ハガキに、なんでもいいから書いて送ってください」
と、コンサートの締めのタイミングで本人が言っていた。
「できるだけ、今日のうちに、思いつくことをなんでも」
ネット上の読みやすいフォントでなくて、
ハガキの手書きの文字を読むのがとてもうれしいという。
「いまは、都内からだと一日で着きますから」であるとか、
「切手も貼らなくてもいいですし、宛先も印刷されてます」
というような説明も次々として、
「ハガキを出してください」とお願いしていた。
コンサートは、ほんとうによかった。
色とりどりの企みやいたずらに近いような工夫が、
とんでもない本気さで準備されていたし、
ステージの構成も演奏も歌も、質量ともにすごかった。
さまざまな伝えたいことは、
きっと誰かがどこかで語るだろうけれど、
ぼくは、そのさまざまを伝え切るための
「強くてしぶといエネルギー」になによりも感心した。
小沢健二は、いまあらためて生まれ直している。
そんな時間を共有しているような気がして、うれしかった。
というようなことについては、それはそれとして、
客席の人たちにあらかじめ配られていたセットのなかに、
ハガキと鉛筆が入っていて、書いて出してくれ、と。
あんなに言うのだから、ぼくはハガキを出そうと決めた。
そして、話は最初に戻るわけだ。
読むほうもうれしいかもしれないが書くほうも気持ちいい。
ハガキに、こんなふうによかったなどと急いで書いて、
夜中にポストまで小走りで行く快感は格別のものだった。
ぼくみたいな人のハガキが、たぶん何百枚も集まるだろう。
それを小沢健二が読んでいるところを想像して、
なんとうらやましいコンサートのエンディング、と思った。
今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
料金後納のハガキを配るのは、いずれまねしてみたいぞー。
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