糸井重里
・他の人にすすめはしないけれど、
じぶんだけが「使っている」考えがあります。
その考えは正しくないのです。知ってます。
そのひとつが、「確率2分の1」の理論です。
サイコロを振るとき、ある特定の数字を望んだとしても、
それが出る確率は6分の1です。
ふたつのサイコロを振る場合は、もうちょっと複雑で、
7の目が出る確率が6通りもあって最も高いのですが、
2と12の目は、それぞれ1通りしかないので確率は低い。
それでも、じぶんの望んでいる数字があった場合、
それが仮に「3」だとしたら、結果は、
「3」が出るか「3」が出ないかどちらかです。
「出る or 出ない」の2つに1つなので、
これを「確率2分の1」と決めるのです、じぶんだけで。
この「理論(?)」は、まちがいだとわかりますよね。
それでも、サイコロをカチャカチャさせて、
振る直前まで、「確率2分の1」と念じるのです。
外れることもあるし、当たることだってあります。
ぼくは、この考え方を、サイコロを振る場合以外でも、
けっこう(ひとりで密かに)「使っている」のです。
サイコロを振るのに近いような偶然性(わからなさ)が、
いろんな場面でよくあります。
そのときに、みんなと相談しているじぶんとは別に、
結果は、「当たった」場合と「それ以外」のどちらか、
と思うようにしているのです。
当たったら、それなりの次の状況に進めます。
ハズレても、次にどうするかを考えるので、
どちらにしても、その場ですべては終わらないのです。
「そっか。次、行こう」になります。
そのプロセスで元気をなくすことのほうが怖いのです。
やがては望んでいた「3」でも「4」でも出るんですよね。
重要な場面で、そういうことは言ってませんが、
これは科学の話ではなく、心のありようの問題なのです。
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