糸井重里
・気づく人は気づいていたのだろうが、
忘れている人は、忘れていることにさえ気づかない。
今日は三月三日だぞ、あの有名な「桃の節句」だぞ。
ひな祭りの中心の日だし、ひな人形を飾ったり、
ちらし寿司やら、ひなあられ、菱餅、白酒の日だ。
そういえば、そうだった、知識や思い出としてはある。
だが、あんがいみんながすっと通り過ぎていく。
小さい、あるいは若い女の子のいる家はちがうんだろうが。
どうして、これほど忘れられているかと考えてみた。
ひとつは、ひな人形のテレビCMを見てないせいだと思う。
おそらく、昔のようにじゃんじゃんCMできるほど、
ひな人形の売上げが大きくないのではないか。
まずはもう、どこも家が狭いからね。
最上段の男雛と女雛だけでいいや、と決めてしまったら、
三人官女だの五人囃子だのの御一行様は、もう要らない。
もちろん付随する調度品や家具類なども買わないだろう。
出したり仕舞ったりもたいへんだし、ということで。
これはもう、お葬式が少人数の家族葬になっているのと、
同じように「ひっそりと内々で」になっていくわけだ。
つまりもう、みんなが意識する祭りじゃないんだなぁ。
そして、桃だ。忘れないでくれ、桃の節句だぞ。
でも、ご近所で桃の花が咲いているのを見たっけ?
山梨だとか岡山だとか、桃の産地の人ならともかく、
桃の花が咲いてるなぁと意識したおぼえがないのだ。
梅や桜との花のちがいも、実はよくわかってない。
どれもバラ科だという知識はあるんだけどね。
ちょっとしたら、もう桜が咲き出しちゃうから、
そっちに大きな話題もとられてしまうしな。
食べるときの桃は、あれほどみんなが注目しているのに。
でも、今年のわたしは思い出したよ。
だからどうだというわけでもないが、
バレンタインや恵方巻を無視して生きているぼくが、
桃の節句を思い出し、「忘れてたなぁ」と詠嘆している。
桃よ花よ、もうしわけないが、これより語ることもない。
来年も思い出せたら、同じようなことを語ってみたい。
今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
おそらく今月中に、また桜が咲き誇る日がくるんだよなぁ。
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