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ほぼ日手帳

糸井重里

・時代はどんどんどんどんせちがらくなっている。
 かつての「ふつうの感覚」は、「もう古い」というより
 「よゆうありすぎ」と批判されそうなくらいの変化だ。
 まぁ、「コスパ」とか「タイパ」ということばが、
 日常の場面でひんぱん使われるようになったとき、
 「そういうものなのかなぁ」と疑問を感じたりもしたが。
 もしかしたら、もう時代は、
 「コスパタイパという考えに疑問を感じるようなこと」が、
 もう「オワコン」と言われるのかもしれない。
 まぁ、とても昔から「あれはもう古い」ということを、
 言いたてることで、新しさが陣取りをしてきたんだけどね。

 というような前置きをしたうえで、
 「30歳成人説」のことを思い出している。
 これは、ぼくもいまでもそんな考えを持っているのだが、
 他の人たちも言っていたような気がする。
 それはつまり、法律上は「20歳で成人」なのだけれど、
 いまの実際の社会では、20代なんて
 まだ子ども時代の延長みたいなもので、
 ほんとうに大人になるのは30歳でいいのではないか、
 という説である。
 そのころは「モラトリアム(先延ばし)」ということばが、
 否定的によく使われていた時代だった。 
 それを、肯定的にひっくり返したのが「30歳成人説」だ。
 昔々は、若くして一人前に働くことが当然だったが、
 社会は複雑になっているし、人間の寿命は延びているし、
 20歳で大人と決めるのは急ぎすぎじゃないかな、と。
 ぼく自身の実感としても、
 成人なのかなぁと思えたのは、30歳ぐらいだった。
 後輩の人たちに「20代はまだもっとバカでもいい」と、
 さんざん言ってきたつもりもある。
 失敗やまちがいまで含めての「発想や行動」が、
 その後に生きる長い時間のための「土台」になるのだし。

 ところが、現実は「18歳が成人」に引き下げになってた。
 なんだか「バカやってる場合じゃない」という感じだな。
 やっぱり、どんどんせちがらくなっている時代に、
 「30歳成人説」は、実はかえって大事なんじゃないかい。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
市川のパンチくん見ている時間は、ほんとに助かってます。

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