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ほぼ日手帳

糸井重里

・いよいよ、「生活のたのしみ展」が近づいてきた。
 「ほぼ日」の社内も、ちょっとした緊張感がある。
 みんな、それぞれにややギアを上げて動いている。

 もちろん、「生活のたのしみ展」は仕事ではあるけれど、
 「はたらく社員旅行」みたいな感じもある。
 いや、そういうふうに言うと「そんなのイヤだ」と
 思われてしまうかもしれないが、まぁ、たしかに、
 「はたらかされる社員旅行」だったら最悪かもしれない。
 そこらへんはうまく言えないのだが、
 よく人にも「文化祭」にたとえられたりもするが、
 「文化祭」だとちょっと足りない気がするんだよなぁ。
 上手下手やバラつきはあるけれど、
 ぼくらのやっているのはやっぱり仕事なんだよなぁ。

 「いっしょに経験する場」というのが、とても近いかな。
 社内の乗組員たちが、ここに出展してくれる人たちが、
 お客さんとしてやってきてくれる人たちが、
 バイトで集まってくれた人たちが、いっしょに経験する。
 なにを経験するのだ? おお、それがうまく言えない。
 それこそ「いま流行の言語化」しにくい感覚を、
 それぞれのみんなが感じて、交換したり共有したりする。
 やがて、またそれぞれが、感想として、思い出として、
 ことばとして、方法として、話し合ったりを続ける。
 それは、「次には、もっとこうやろう」という知恵になる。
 次にもっとやれそうな気分は、「希望」になる。
 終わったら、疲れもいっしょに共有して休む。
 あれこれのことを、人と話してみたくてうずうずする。
 「生活のたのしみ展」ではない仕事の持ち場に戻る。
 次の計画がじわじわと語られ、未来への循環がはじまる。

 マイケル・ポランニーの「暗黙知」という考え方は、
 野中郁次郎先生が「SECI」モデルとして発展させたけど、
 ぼくらのやってることは、それに近いかもしれない。
 ま、「うまく説明できないけど、いいね」というボールを、
 みんなで蹴って遊び続けているだけかもしれないけど。
 理論に合わせてモノゴトを運んでいるわけじゃないので、
 本番前、いつものようにドタバタとはたらいております。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
ぼくもそれなりにあの長丁場を完走する気で準備中でーす。

昨日のコラムを読み逃した方はこちら。

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