ミュウゼ | 糸井さんには会うことができたから、 現在の目標は ブイちゃんにお会いすることですね。 |
南 | ブイヨンにはまだ会ったことない? |
祖父江 | 会わないほうが逆にいいこともありますから。 |
ミュウゼ | あります。 |
祖父江 | 考えどこですね、これは。 |
ミュウゼ | かわいかったりすると 憎たらしく描けなくなっちゃう。 |
祖父江 | ほんものを見ると心が遠のくんですか。 それとも、逆? |
ミュウゼ | ほんものを見ると、 違うところをいっぱい見ちゃうのかもしれない。 そこにある「体の重さ」とかね。 |
糸井 | 体重は7.7キロです。 |
ミュウゼ | 私のイメージのブイちゃんは、 4.5キロぐらいです。 |
糸井 | 離脱した状態の体重ですね。 |
祖父江 | そうですね、魂を抜いた分だけ軽い。 |
糸井 | 動物の体って意外とみっちりしてんだよね。 それに、生きてる哺乳類は 基本的にぬるぬるくねくねしてますよね。 |
ミュウゼ | ああ、なるほど、そうですね。 |
糸井 | ベリーダンスみたいにくねくね、ってね? |
ミュウゼ | ……はい。 |
糸井 | 人の冗談にはすごく冷たいね。 |
南 | そうなんだよ。 |
糸井 | 全然ゆるくないんです。 |
祖父江 | 厳しいんです、つねに。 |
ミュウゼ | 厳しくはないけれど、 前世は爬虫類ですから。 |
糸井 | だから伸坊とも、全然平気で。 |
ミュウゼ | はい。伸坊さん、 こういう方はなかなかいらっしゃらないです。 |
糸井 | 伸坊は優しく見えますけど、 ほんとは怖いですよ。背中に牙を持っています。 |
ミュウゼ | 牙? どういう状態ですか? |
糸井 | 怒ったときに振り返ると 背中でがーっと口が開いて、咬むんですよ。 |
ミュウゼ | でも私、前世、ワニですから。 お友だちかもしれない。 |
糸井 | そうかもしれないね。 |
南 | 俺はね、来世、ゾウなんですよ。 |
ミュウゼ | ゾウなんですか。来世? |
糸井 | 人間に生まれ変われないんですよ。 |
南 | この前、ブータンのお坊さんに言われた。 |
ミュウゼ | 何ゾウですか? |
南 | そこまではわかんない。 |
糸井 | きっとろくでもないゾウですよ。 |
ミュウゼ | 子ゾウ? |
祖父江 | アフリカゾウじゃないと思うんだよね、 ブータンだから。 |
糸井 | チベットゾウ? |
南 | なんだろうね。 |
糸井 | ブツゾウ? |
祖父江 | ブツゾウ。 |
ミュウゼ | きっと優しいゾウですね。 |
糸井 | ろくでなしの、気の優しいゾウです。 |
南 | そのゾウの背中に牙が、突き抜けてんの。 |
糸井 | それが特徴です。 |
祖父江 | へぇ。 |
ミュウゼ | 伸坊さんがゾウに見えてきた。 |
祖父江 | うん、見えてきましたね。 |
南 | この人たちはすぐ、 言われたら、すぐ。 |
糸井 | 見えちゃう。 |
ミュウゼ | 社長ちゃんはブータンで どう言われたんですか? 社長ちゃんもゾウ? |
糸井 | 社長ちゃんはもっとつまんないんだよ、 人間だよ。 |
ミュウゼ | じゃあゾウより一段上? |
南 | 上です。 |
糸井 | だからまあ、いろいろと、 ぼくはぼくなりに、郵便貯金とか、 してることありますからね。 |
ミュウゼ | あ、そうか。 |
糸井 | 伸坊が陶芸とかしてる間に、 ぼくは違うことしてますので そこの差がたぶん出たんですね。 あとはね、ぼくは100歳まで 生きるでしょうかという質問をしました。 |
ミュウゼ | で? |
糸井 | 通訳の方がお坊さんに聞いてくれて 「……はい、100歳は無理だそうです」 |
祖父江 | ドキドキしますね。 |
糸井 | ああ、無理ですか。 「90歳は大丈夫だそうです」 |
ミュウゼ | 近い、近い。 |
糸井 | ぼくは質問を「上」に設定したおかげで だいぶ稼ぎました。 「長生きするでしょうか?」という 質問にしちゃうと、 もっと低く収まったかもしれない。 |
南 | なるほどね。 |
糸井 | 少し前まで68歳他界説があったので。 |
ミュウゼ | 68歳? それって夭折じゃないですか。 |
糸井 | 夭折じゃないと思いますけど、 つまり自分の父親が、ジャアーー。 |
ミュウゼ | そのようせつではありません。 |
糸井 | 父が68歳で他界したからなんだけど、 ぼくは90歳ということで いま、人生設計のやり直しを しているところです。 |
ミュウゼ | このまえ、100歳まで生きられる薬が 発見されたとかなんとか聞きましたよ。 |
糸井 | あ、知ってる。 「レなんとか」っていうんだよね。 腹を減らしてるといいんですよ、 腹を減らしてるとたしかその遺伝子が出るの。 |
南 | そうそう飢餓みたいな遺伝子でしょ? |
糸井 | そう! 必要なカロリーの30パーセント、 腹を減らすのよ。 |
南 | 腹八分目じゃなくて七分目? |
祖父江 | いっぱい食べちゃだめだね。 |
糸井 | そうすると、 つやっつやのぴんぴん人生になっちゃう。 |
南 | やっぱり。 |
糸井 | それを出す薬の名前を調べましょう‥‥ (iPhoneで検索する) レスベラトロール。 |
祖父江 | ベス、 |
糸井 | レスベラトロール。 |
祖父江 | トロールって妖精? |
ミュウゼ | 妖精は違うわ、祖父江さん、 それはご自分のことよ。 |
糸井 | スチルベン誘導体ポリフェノールの一種。 だから、赤ぶどうの皮とかなんじゃない? |
南 | ポリフェノールね。 |
糸井 | で、みなさん、薬の名前は? |
一同 | ‥‥‥‥‥。 |
祖父江 | ベラール‥‥トロール。 何かついてた、 何とかベラトロール。 |
南 | トロールはついてたね。 |
祖父江 | トロールとベなんとかがついてた。 |
糸井 | あまりにも惜しい。 |
南 | ベラも合ってるよ。 |
ミュウゼ | リス‥‥ |
糸井 | なんというか、 女の人と女の人が絡み合ったりする まぁ、ショーがあるじゃないですか。 |
南 | レス? |
ミュウゼ | レスベラトロール! |
糸井 | イエース、イット・イズ! |
祖父江 | おー、すごーい。 |
ミュウゼ | でもこれがね、30分もしたらまた忘れちゃうの。 |
糸井 | 大丈夫ですよ、女の人と女の人が、 というとこからはじまればいいんですから。 |
南 | レスだけ覚えてる。 |
糸井 | ベラのところが、妖怪人間です。 |
祖父江 | ベム、ベラ、ベロ。 ベラは女の人だ。 |
糸井 | トロールは, 「トロールが出たぞ」のトロール。 |
南 | トロールって何ですか? |
糸井 | トロルですよ、トロル。 |
祖父江 | 妖精です。 |
糸井 | 怖い妖精ですよ。 祖父江さんとは違う妖精。 |
祖父江 | 昔、ぼく、 しわくちゃな妖精って言われたことある‥‥。 |
ミュウゼ | それはちょっといいですね。 |
祖父江 | それはつまり、化けものって感じ? |
ミュウゼ | いや、化けものじゃないよ。 |
祖父江 | あ、ほんと? いまの言葉は優しい‥‥。 |
糸井 | ミュウゼは祖父江さんには優しいですね。 |
ミュウゼ | だって祖父江さん、いい人ですから。 でも、イラっとしてるときは冷たいですよ。 |
祖父江 | うん。ミュウゼさん、冷たいときがある。 |
ミュウゼ | イラっとしてるときだけね。 |
(つづきます) |
2011-07-12-TUE |