ミッツのことは何も気にせずに、 
								    牛はいたってマイペースにしていた。 
								    病気は、よくなったり、悪くなったりしていたけれど、 
								    最近は、わりと問題もなく、過ごしているように見える。
  
                                    注目を浴びたいときに、浴びて。
  
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								  好きなときに、好きなだけ毛づくろいをして。 								   
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								▲へんな格好。 								  
								   
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								そういえば、牛は、 
								    ほんとうの飼い主・Hさんが飼う前は、 
								    野良ねこだった、と聞いていた。 
								    さぞ人間になついて、 
								    エサをもらって暮らしていたのだろう。
  
                                    ほんとうの飼い主・Hさんにもう一度聞いてみたところ、 
								    なんとちがった。 
								    「あ、牛はね、玄関に置いてあったのよー。やぁねー」 
								    Hさんは、近所でも有名なねこおばさんだった。 
								    近所のひとたちが、勝手に来て、 
								    勝手にねこを置いていくことが、たびたびあった。 
								    牛も、そんなふうに、生まれたてとかではなく、 
								    大人になってから、捨てられたということだ。 
								    知らなかった。
  
                                    それを聞くとまた、牛の見え方が変わってくる。
  
                                    ちょっと色っぽいポーズをとってみたり。
  
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								  人間のじゃまをしたり。 								  
								   
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								  きみも、いろいろあったんだね。 
								  いまは、ここ東京にいるし。 
								  猫生、なにがあるか、わからない。 
								  とにかく、牛が元気で、しあわせでいてくれることが、 
								  わたしはいちばん、うれしいな。
  
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				(つづく) 
				   
				  2012-05-08-TUE |