| 糸井 | 
          そうか、あるんですねぇ、 
            鶴瓶さんでも、 
            このままじゃいけないっていう気持ちが。             | 
        
        
          | 鶴瓶 | 
          それは、ありますよ。 
            ‥‥そんなんいうたら、 
            糸井さんだってそうでしょう? 
            なんや、 
            ダラダラ、ダラダラしてるけれども。             | 
        
        
            | 
        
        
          | 一同 | 
          (笑)             | 
        
        
          | 鶴瓶 | 
          ダラダラ来てんねんけども、 
            ずーっとやってるでしょう「ほぼ日」。             | 
        
        
          | 糸井 | 
          うん(笑)、やってる。             | 
        
        
          | 鶴瓶 | 
          だから、「ほぼ日」なんていうのは、 
            言うたらほら、 
            あの「つぶやき」‥‥ 
            「つぶやき」いうのは何や? 
            ああ、「ツイッター」。 
            「ほぼ日」っていうのは、 
            「ツイッター」みたいなのの、走りやん?             | 
        
        
          | 糸井 | 
          うん。 
            ‥‥ん?             | 
        
        
          | 鶴瓶 | 
          まぁ、ぼくはそういうこと 
            よくわかってませんよ。 
            だから言うてることが 
            違ってたらごめんなさいね。 
            でも、要するにずうっと、 
            それこそ「ツイッター」とか言われる前から、 
            インターネットでやってるわけでしょう。 
            ブームをつくるとか、 
            そういう感じではなくて。             | 
        
        
          | 糸井 | 
          そうそう、 
            それはそうなんですよ。 
            「ブームをつくるぞ!」っていうのとは、 
            ずいぶん違う感じでやってますね。             | 
        
        
            | 
        
        
          | 鶴瓶 | 
          ずーっと、そうですやん。 | 
        
        
          | 糸井 | 
          ‥‥あのね、鶴瓶さんさ、 
            つい最近おれは、 
            鶴瓶さんがいま言ったようなことを 
            考えてたんですよ。             | 
        
        
          | 鶴瓶 | 
          ほぉ、そうですか。             | 
        
        
          | 糸井 | 
          つまり、 
            「後の先(ごのせん)」というか‥‥。 
            「まず相手に攻めさせておいてから、 
             あとで自分が攻め込むパターン」 
            おれはこれをやりたがるな。 
            っていうことに自分で気づいたの。             | 
        
        
          | 鶴瓶 | 
          ああー、それはあるね。             | 
        
        
          | 糸井 | 
          このあいだ、 
            白鵬の特集をテレビでみたんですよ。             | 
        
        
          | 鶴瓶 | 
          うん、うん。             | 
        
        
          | 糸井 | 
          白鵬は、どう出るかというのを 
            相手に決めさせるらしいんです。 
            で、向こうが7来たら、 
            「残りの3からおれの相撲にするんだ」って。             | 
        
        
            | 
        
        
          | 鶴瓶 | 
          なるほど、そうやろね。 
            あれですよね、 
            「仕掛けの負け」 
            という言葉もあるでしょう。             | 
        
        
          | 糸井 | 
          ああー、はいはい、ありますね。 
            なるほど、それも同じだ。             | 
        
        
          | 鶴瓶 | 
          仕掛けの負け。 
            こっちからは仕掛けないで、 
            向こうがヒントを与えてくれてから、 
            自分がどう出るかを考える。             | 
        
        
          | 糸井 | 
          だから、1番じゃないんですよね。             | 
        
        
          | 鶴瓶 | 
          そうそうそう。             | 
        
        
          | 糸井 | 
          1番にやりたがる人ではないんです、 
            正直を言えば、ぼくは。             | 
        
        
          | 鶴瓶 | 
          ぼくもそう。             | 
        
        
          | 糸井 | 
          そうですね。             | 
        
        
          | 鶴瓶 | 
          べつに2番でいたいとか、 
            そんなことは思わへんけど。             | 
        
        
            | 
        
        
          | 糸井 | 
          そうそう、 
            2番でいいってわけじゃなく。             | 
        
        
          | 鶴瓶 | 
          相手がどう来はんねんっていうのは、 
「スジナシ!」なんかでもそうなんです。 | 
        
        
          | 糸井 | 
          まず、ゲストの出方をみますよね。             | 
        
        
          | 鶴瓶 | 
          むかし、上岡龍太郎さんに 
            よく言われたのは、 
            「おまえは、どんなに面(めん)を打っても、 
             面を認める人間やな」と。 
            だから、「面」って、剣道の面ですよ。             | 
        
        
          | 糸井 | 
          ええ。             | 
        
        
          | 鶴瓶 | 
          「面ーっ!」 
            て来ても、逃げない。 
            打たれてんねん、こないして(打たれてる仕草)。 
            「はい、わかりました、面」。             | 
        
        
            | 
        
        
          | 糸井 | 
          ははははは。             | 
        
        
          | 鶴瓶 | 
          「効いてないやん」と。             | 
        
        
          | 糸井 | 
          ああ。 
            それ、俺もそうだわ。             | 
        
        
          | 鶴瓶 | 
          そうでしょ?             | 
        
        
          | 糸井 | 
          そう。             | 
        
        
          | 鶴瓶 | 
          「面!」 
            逃げないで「面」って打たれて‥‥ 
            「はい、面。面、よう入れた」 
            向こうは「効いてない?!」と。 
            「こて!」とやられても、 
            思っきり入れさせといて‥‥ 
            人にとっては恥なことでも、 
            「はい、こて」 
            それ、効いてないやろ? と。             | 
        
        
          | 糸井 | 
          ああー(笑)、 
            上岡さんがそれ言うのよくわかるね(笑)。             | 
        
        
          | 鶴瓶 | 
          それはね、自分も意識してないねんけど、 
            「面」というんなら、 
            「面」なんやろなぁと思う。             | 
        
        
            | 
        
        
          | 一同 | 
          (笑)             | 
        
        
          | 鶴瓶 | 
          それを認める、いうかね。 
            「面」を認める。 
            面で打ってくる人を。 
            まあ、理屈っぽく言うとそうやと思うた。             | 
        
        
          | 糸井 | 
          ああー。             | 
        
        
          | 鶴瓶 | 
          面を入れられることも、 
            ぜんぜん悪くないって思うでしょう?             | 
        
        
          | 糸井 | 
          そうだ。 
            死ぬわけじゃないんだから(笑)。             | 
        
        
            | 
        
        
          | 鶴瓶 | 
          そうそう。             | 
        
        
          | 糸井 | 
          それで死んじゃったら困るんだけど(笑)。             | 
        
        
          | 鶴瓶 | 
          死んじゃったら困るけど、うん。             | 
        
        
          | 糸井 | 
          打たれ強いわけでも何でもなくて、 
            「どういう遊びをしたいのかは 
             あなたが考えていいですよ」というか。             | 
        
        
          | 鶴瓶 | 
          そうそうそう。             | 
        
        
          | 糸井 | 
          で、そうしたほうが 
            相手の力をちゃんと見せられるから、 
            ゲームとしてはおもしろいんですよね。             | 
        
        
          | 鶴瓶 | 
          そう!             | 
        
        
            | 
        
        
          | 糸井 | 
          向こうが何もやらないうちに 
            こっちがぜんぶ勝っちゃいましたじゃあ‥‥。             | 
        
        
          | 鶴瓶 | 
          つまらない。             | 
        
        
          | 糸井 | 
          つまんないですよねぇ。 
            人に出合う意味がない。  
             
            (つづきます) |