バブー&とのまりこの パリこれ! 住んでみてわかった、パリのあれこれ。
2003年、フランスに単身で渡り、 現在はパリを拠点にヘアメイク&フォトエッセイストとして 活躍しているとのまりこさんが、 愛犬のバブーくん(アイルランド出身)を相棒に、 パリ暮らしのちょっとびっくりな出来事や、 へぇ〜っと感心する習慣などなど(*)をお届けします。 *もちろんすべてのフランス人やフランス全土に共通しないこともあります。 週に1回、でも気まぐれにもっと更新するかも? すてきな写真とともに、おたのしみください。 Amusez-vous bien!

 
とのまりこさんと バブーくんのプロフィール
 




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フランスのKFCには、
「オリジナルチキン」がない?!

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フランスのKFCには、
「オリジナルチキン」がない?!

バブー

みなさんボンジュ〜ル。
パリは一部で桜が咲きはじめるほど
暖かく春らしくなりつつも、
同時に花粉が一気に飛びはじめて、
花粉症で悩む人が多い季節になってきたよ。

花粉の種類は日本とまた違うけれど、
鼻水・くしゃみ・目の痒みで
苦しむ人が多いのは、日本もフランスも同じだよ。

とのまりこ

2週間ちょっとの日本一時帰国を終えて
パリに帰ってきた私と息子ですが、
こちら、日本滞在中に思わず
撮ってしまった写真。
みなさまお馴染みのファーストフード
「ケンタッキーフライドチキン」の写真です。

今回食べる時間はなかったのですが、
前を通りかかると「おっ!」と思って、
気になってしまう理由があるのです。

日本でKFCを見かけるとついつい写真を撮ってしまうのは、
「オリジナルチキン」が恋しいから!

バブー

「ケンタッキーといえば‥‥」の
この写真にも写っている主力商品
「オリジナルチキン」。

なんとフランスのケンタッキー(KFC)には、
このオリジナルチキンがないんだよ!

「KFCに『オリジナルチキン』がなかったら、
じゃあ何があるの?!」
って思っちゃうでしょ??
でもフランスでは
「オリジナルチキン」はないんだ。

とのまりこ

フランスのKFCでは、
クリスピー系のチキンが主力商品。
骨のない「テンダー」という胸肉、
そして辛い手羽元の「ホットウィング」。

バケツに入ったチキンも、
このどちらかか、
2つが混じったものになるのです。

これがフランスのKFCのバケツ。
これは辛い手羽元の「ホットウィング」32個入り。
子どもと一緒だったら骨なし胸肉「テンダー」と
「ホットウィング」の半分ずつのバケツを。

フランスのKFCは、
1970年代に一度目のフランスへの進出が
失敗に終わり、1991年に再上陸。
当時は「オリジナルチキン」をメインに
販売していたそうですが、
2000年以降、国内店舗を増やす過程で、
フランス人に受け入れられやすい
今の人気商品
「テンダー」や「ホットウィング」に
メニューをシフトしていったのだそう。

バブー

外食として、公共の場で素手を使って
バリバリかぶりつくスタイルが
フランス人にはあまり好まれず、
ナイフとフォークでお行儀よく食べられる
「テンダー」が好まれ、
「オリジナルチキン」が消えてしまったんだって!
なんだか「美食の文化」フランスならではの
理由だよね?!

ちなみに、イギリスなど
ヨーロッパのほかの国には
「オリジナルチキン」があるようで
(全ての国は確認できていないけどね!)、
フランスの特別なKFC事情みたいだよ。

夜は特に、Uberの配達員だらけになる、
フランスのKFC。
「ケンタッキー」や「ケンタ」ではなく
「ケー・エフ・セー」と呼ばれます。

とのまりこ

フランスのKFCで
「オリジナル」という名前がついているのは、
「コロネル・オリジナル」というバーガー。
これは、11種類のスパイスを使った
オリジナルレシピの味つけがされている
肉を使ったバーガーで、
中身は骨なしのフィレ肉。
フランスであの「オリジナルチキン」の
味をいただくには、
このバーガーを頼むしかありません。

フランスで「オリジナル」とつくのは、このバーガーだけ。
「オリジナルチキン」と同じ11種類のスパイスとハーブで
味付けされた、あの味のチキンが挟まっています。

ちなみに「コロネル・バーガー」の
「コロネル」とは、
「Colonel Sanders」(=カーネル・サンダース)の
「Colonel」(=大佐)部分が取られたもの。

「Colonel」(カーネル)という英語が
ヨーロッパに入ってくる過程で
「コロネル」という発音に変わったようで、
日本で「カーネルおじさん」の呼び方で
お馴染みのあの創業者のおじさんは、
フランスでは「ル・コロネル」(=大佐)と
呼ばれています。
また、日本のような
「優しい白い髭のマスコットキャラクターの
おじいちゃん」ではなく、
「偉大なる創業者」というイメージのよう。

フランスのKFC。カーネルサンダースおじさん、
ロゴには使われているけれど人形は店頭にいません。
もしあったとしても、あっという間に
さらわれていなくなるはず‥‥。

バブー

日本ではお店の前に
カーネルおじさんが立っているのもお馴染みだけど、
フランスのお店にあのおじさんはいないんだよ。

そしてみなさんはきっと
「ケンタッキー」とか「ケンタ」とか
言うよね??
フランスではね、KFCをそのまま読んで
「ケー・エフ・セー」って呼ばれているよ。

日本でケンタッキーといえば
「オリジナルチキン」に
「ビスケット」のイメージだけど、
フランスにはありません‥‥。

とのまりこ

「オリジナルチキン」の違いのほかにも、
バーガーやラップ系のメニューが
とっても多かったり、ベジタリアンメニューや
白身魚のフライを使ったバーガーがあったり
(もはやチキン屋さんの範囲を超えている)。

日本のKFCではお馴染みの、
メープルシロップをかけて食べる
「ビスケット」もなかったりして、
違うところだらけなのも面白い!

緑の「Veggie」マークがついているのが、
ベジタリアンメニュー。
青い「Fish」マークがついているのが魚。
もはやチキン屋さんを超えた多様なメニューがあるのも、
様々な人種や宗教が混ざるフランスならでは。

バブー

世界共通だと思いがちなチェーン店も、
国によって大きな違いがあるんだね。

だからこそ「オリジナルチキン」を見かけると、
ついつい写真を撮ってしまう、
ボクの飼い主まりこちゃんなのです。

それではみなさん、
今週もおいしい1週間を!

お肉が大好きなボクのために、
ドッグメニューも作ってくれたらいいのにな♪

 

*とのまりこさんの本*


「シンプルシックで心地よい暮らし
パリの小さなアパルトマンで楽しむおうち時間」
出版社 : 世界文化社
発売日 : 2021/5/29

 

 

※この連載を再編集し、
 書き下ろしも入れて新潮文庫になりました。
 こちらをぜひご覧ください!(2015年8月出版)

フランス雑貨のお店オープンしました。
バブーくんは日本滞在時に、お店にいます。

「Boîte」(ぼわっと)
東京都杉並区西荻北4丁目5−24
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2026-03-17-TUE

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illustration:Jérôme Cointre