轟木さんの先輩で、パタンナーの森 千春さんを迎え、
「スマートボーダー」のかたちを検討した前回。
森さんがさっそく
XSサイズのパターン(型紙)をつくってくれました。
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これだけ見ても、どんなかたちになるか
想像しにくいと思いますが、
このパターンには、実は
轟木さんのある思いが込められています。
「ボーダーシャツは男女兼用の
ユニセックスなかたちが多いのですが、
男性、女性、それぞれが着たときに
きれいなシルエットになるようにつくりたいです。」
つまり、XSは
女性が着たときにきれいなボーダーシャツ。
いいですねえ!
ワクワクしながら、待つこと約一週間、
届いたサンプルがこちらです。
井伊さん同様、まだ生地ができていないため
真っ白の生地でつくった、プロトタイプ第1号です。
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さっそく、着てみましょう!
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袖は手首にかけて細く、肩は内側に入り、
ウエストまわりもすっきりしています。
体の線に自然と沿った感じ。
首もとはボートネックで、袖は七分丈。
裾の脇にはスリットが入っていて、
後ろの裾が前よりも少し長くなっています。
なんだかほんとに、かたちがきれい!
轟木さん、どうですか?
「(じっと見つめて)
‥‥うん。さすが、森さん!
すごくきれいなシルエットだと思います。
うれしい‥‥。
『ボーダーは腕が太く見えるから着ないの』
といっていた人のことを思い出しましたが、
この袖なら大丈夫じゃないかな。
女性の華奢な部分、手首がみえるような丈ですしね。
うっかり、モテ(る)ボーダーをつくってしまいそう。
首のところが若干窮屈そうなので、
もうすこーし、下げたくて。
肩をもうちょっとだけ首のほうに入れたいかな。
森さん、どうかなぁ?」
森さん
「うん、大丈夫だと思う。
轟木が思う、『これくらい』のところに
ピンをさしていってくれる?」
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「うーん、これくらいかなぁ。
ボートネックでも、
下着の肩ひもが見えない、あき具合にしたくて。」
轟木さん、後ろはどうでしょう?
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轟木さん
「丈は、いいですね。
‥‥スリットは、なくてもいいかもしれない。
スリットがあるとカジュアル、
ないときれいめ。という気がしますね。」
森さん
「ボーダーという柄がカジュアルな分、
形はシンプルでキレイにしておくのも、
いいかもね。」
轟木さん
「うん、シンプル。
よし、今回はスリットなしで。
そのほうが全体のバランスがいいみたい。」
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こういった細かい部分について、
森さんと話し合いながら、微調整を加えていきます。
森さんによると、「スマートボーダー」は、
一般的なボーダーシャツとちがって、
本格的な洋服に近いパターンになっているそうです。
だから、体の線に寄り沿っていても、
着ていてきゅうくつな感じがしません。
「スマートボーダー」の「着ると気持ちいい」は、
裏起毛によるやさしい「肌ざわり」だけでなく、
動きやすく、それでいて美しいシルエットを保てるという
「着ごこち」や「着ているときの気分のよさ」も、
兼ね備えたものになりそうです。
次回は、サイズ展開と、メンズのデザインを検討します!