東京ミッドタウンで、
Tokyo Midtown Awardという
デザインコンペティションがありまして、
それの1年目が「日本のお土産をデザインしてください」
というテーマだったんです。
2008年のことで、
このグラスはそのときにつくりました。
ぼくもけっこう旅行が好きで、
いろいろな場所でお土産を買うんですけど、
お土産って賞味期限がすごく短いですよね。
1ヶ月くらいすると、飽きてきちゃったりとか。
よくありがちなのは、
その土地で見たらすごくよかったオブジェなのに、
家に置いた瞬間‥‥ん? なんか違う。
ですから、オブジェをお土産にするよりも、
その人の生活にちゃんと入ってくるような、
「日用品」をお土産にするのが
いいんじゃないかと思ったんです。
それで、「グラス」はどうだろう、と考えてみました。
テーマは「日本のお土産」だったので、
日本を代表するコンテンツ、
「富士山」のかたちのグラスを思いつきました。
それを世界中で日用品にしてもらうには、
世界中で流通している飲みものを組み合わせたい。
‥‥みんなが好きなビール。
ビールを、富士山のかたちのグラスに注げば‥‥。
そんな流れで、このアイディアはうまれました。
また当時、
TwitterとかFacebookが流行りはじめていたので、
みんなが写真を撮ってアップしたくなる、
どんどんシェアされていくような、
プロダクトができたらおもしろいだろうなぁ、と、
そんなことも考えながら
このグラスをデザインしていました。
最近では、「富士山グラス」で画像検索すると
いろいろな写真を見ることができて。
それはやっぱり、うれしいし、たのしいですね。