第92芸
突然の哀しみ |
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どんな人でも、一人や二人の人間は
殺していることと思います。
殺さないまでも、入院やキトクぐらいなら
必ずさせているはずです。
あんまりしないほうがいい、とは思うけれど、
ま、しちゃったものはしょうがない。
「親父がキトクなもんで、今日、帰ります」とか
「祖母が亡くなったので……」
なんて、古いミエミエの嘘なのですが、
とっさには、それぐらいしか
思いつかないものなんですねぇ。
とにかく、突然の不幸におそわれる可能性は、
誰にもあります。
行きつけの場所でやらないと、意味がありません。
この遊びは、
あなたのところに電話がかかってこないことには
始まらないのです。
あなたのいる所に、
あなたを呼び出す電話がかかってきました。
「ハイハイ」と立ちあがる際、気づかれないように
氷を一個手に持って行くのです。
そして、話している問に、
目の下に先ほどの氷をあてて溶かします。
電話が経ったら、ムッツリ黙って席に戻りますが、
その時には、あなたの顔は涙でグッショグショです。
周囲の人に電話の内容をたずねられたら、
正直に泣き声のまま答えてください。
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