- 乗組員C
- みうらじゅんさんに教えてもらったのですが、
昔、糸井さんはイーグルスの
『ホテル・カリフォルニア』のレコードを
個人でたくさん買っては、
事務所に来た人たちに配っていたと(笑)。
- 糸 井
- はい(笑)。
- 乗組員A
- 配っていたんですか?
- 糸 井
- 「もったいない」と思ったんでしょうね。
- 乗組員B
- 当時あんまり聴かれていなかったんですか?
- 糸 井
- いや、流行ってはいたんですけど、
ビートルズみたいな有名さじゃないから、
だったら「あ、俺が配ればいいのか」って(笑)。
みうらが学生の頃の話ですよね。
すごくおどろいてましたよ。
- 乗組員C
- びっくりしたとおっしゃってました(笑)。
「あの糸井さんが、来る人来る人みんなに
『ホテル・カリフォルニア』を配ってるんだよ」って。
- 一同
- (笑)
- 糸 井
- 俺、そういえば「モノポリー」も配ってたわ(笑)。
- 乗組員C
- それも「もったいない」と思ってですか?
- 糸 井
- うーん、なんだろうね。
お金を持っているよりも、
みんなでたのしみたい人っているじゃん。
クラブでドンペリを入れたり。
ああいうことなんじゃないかな。
- 乗組員B
- でも、ドンペリを入れる人って、
じぶんを誇示したい気持ちがありますけど、
糸井さんはまたちがいますよね。
むしろ利他的というか。
- 糸 井
- じぶんよりも、
「カリフォルニア」を誇示したい(笑)。
- 乗組員B
- そうそう(笑)。
- 糸 井
- だから‥‥お手伝い?
- 乗組員B
- あ、そうですね。
SNSで無名の人の本を応援するときも、
それに近いものを感じます。
- 糸 井
- 誇示じゃなく、お手伝い。
- 乗組員C
- それはサンパチとはちがいますね。
- 乗組員B
- ゴリラともちがう。
- 乗組員A
- 恐竜の化石ともちがいます。
- 乗組員B
- だから、きょうの話を
「糸井重里はおかしなものをたくさん買う人でした」と
ひとつにまとめることもできるけど、
その背景に流れているものが
みんなちがうっていうのがおもしろいね。
- 乗組員A
- そのなかでも、
サンパチはメディア性がありますね。
- 糸 井
- 当然、サンパチを買うのは、
ほぼ日をやってるからというのはあります。
これで遊べるぞーという気持ちはある。
だから、みんなのために買うのかもしれない。
ほんとうは。
- 乗組員A
- サンパチはそういう詩かもしれない。
- 乗組員C
- 詩の話もまだまだできますね。
- 乗組員B
- とはいえ、そろそろ終わりの時間なので、
最後にぜんぜんちがう角度の質問をいいですか。
- 糸 井
- どうぞ。
- 乗組員B
- 買うことが詩になるという話は、
ぼくもおもしろいと思うのですが、
それをコンテンツにすると、
「それ、お金があるからできるんですよね?」
という意見もかならず出てきます。
- 糸 井
- はい。
- 乗組員B
- 今回のことに限らずですが、
糸井さんはそのあたりのことは、
いつもはどんなふうに思うんでしょうか。
- 糸 井
- そういう声はかならずあります。
それはもうしょうがない。
でも、買いものの話でいうと、
ぼくはお金を持ってないときから
ずっと同じ考えなんです。
- 乗組員B
- あー、変わっていないんですね。
- 糸 井
- 昔からずっと同じなんだけど、
会社として動くときは、
そのへんはけっこうシビアになるんです。
「やめといた方がいいんじゃないか」とか
「もうちょっとケチにやろうよ」とか。
それはみんなのお金だからですよね。
でも、個人となると話は別で、
じぶんのお金が通帳に入っているか、
マイクの形をしてるかのちがい。
- 乗組員A
- あぁ(笑)。
- 糸 井
- ぼくは昔からずっとその考えなんです。
すっごくおいしい料理が3万円だったとき、
「えっ、3万円!?」って思うじゃないですか。
ぼくはいまでもそう思いますよ。
- 乗組員A
- 思います、思います。
- 糸 井
- その3万円が将来の蓄えとか、
もしものときとか、
そういう名前で通帳に入っていてもいいけど、
ときどきなら、それがマイクやゴリラになっても
いいじゃないかなってぼくは思うんです。
だって、1週間くらい海外旅行したら、
それこそもっとお金を使うわけでしょう?
- 乗組員E
- この前、ブラジルに行ったんですけど、
飛行機代と2週間ほどの滞在費で、
60万円くらい使いました(笑)。
- 一同
- おぉーーっ。
- 糸 井
- それは通帳に60万円入っているか、
ブラジル旅行をしたかのちがいなだけで。
- 乗組員B
- 急に仲間が60万のマイクを買ったら
「どうした?!」ってなりますけど、
「ブラジルに行ってきました」だったら、
「そうなんだー」ってなります(笑)。
- 糸 井
- 「お金がある人はいいですね」は、
「才能があっていいですね」にも似てますよね。
それを何かに使う人もいれば、
使わないでとっとく人がいたり。
ぼくの場合は、ときどき「詩」にしてみたり。
- 乗組員A
- お金の使い方って
人によってぜんぜんちがいますね。
- 糸 井
- ちなみに、ぼくは海外旅行はしません。
そこに関してはケチです。
通帳に入っていたほうがいいと思う(笑)。
- 乗組員E
- えぇー(笑)。
- 乗組員A
- なんでそう思うんですか。
- 糸 井
- そこはぼくもわからないです。
ホテルの冷蔵庫の飲み物も、
ぼくは取らないですから。
部屋に行く前にコンビニで買います。
- 乗組員C
- あと、糸井さんは居酒屋で
ウーロン茶を何杯も頼む人にきびしい(笑)。
- 糸 井
- ウーロン茶にはすごくきびしいです(笑)。
- 乗組員C
- でもサンパチには甘いですね。
- 糸 井
- 甘いですねぇ。
つまり、この買い物は、
合理的ではないってことなんでしょうね。
- 乗組員B
- サンパチの話をしていると、
工場にも行ってみたくなりますね。
- 乗組員D
- じつは工場見学の話も進めているんです。
いま日程を決めているところで。
- 一同
- おぉーーっ。
- 乗組員C
- サンパチはどこで購入するんですか。
- 糸 井
- どこでも。
ネットでポチッと買えるみたいだし。
- 乗組員A
- ぼくも勘違いしていたのですが、
「サンパチマイク」と呼ばれるものって、
じつはマイク部分だけなんです。
- 乗組員C
- えっ?
- 乗組員B
- あ、そうなの(笑)。
- 糸 井
- そうそう、マイクスタンドは別売り。
- 乗組員B
- そういう豆知識はいちいちおもしろい(笑)。
- 乗組員A
- なので、サンパチを買うなら、
いっしょにスタンドも買わないとなんです。
- 乗組員B
- スタンドもいろいろあるんじゃない?
- 乗組員A
- 漫才用とかがあるんだと思います。
サンパチに興味があるので、
そのあたりもいっしょに調べてみます。
- 糸 井
- ありがとうございます。
劇場で使っているモデルとか知りたいですよね。
いいものが見つかったら教えてください。
- 乗組員A
- はい。
- 乗組員B
- サンパチマイクが届くのが、
どんどんたのしみになってきました。
- 乗組員C
- ほんとに。
早く本物が見てみたいです。
全4回でおとどけした
「ミーティング編」はここまで。
お読みいただきありがとうございました。
このあとの展開は、
明日からの「マイクスタンド編」につづきます。
ひきつづき、おたのしみくださいね。
(つづきます)
2026-03-05-THU