サンパチマイクが、生まれる場所。

サンパチマイクが、生まれる場所。

糸井重里、大分県の「ソニー・太陽」へ。

サンパチの愛称で知られる
ソニーのコンデンサーマイクロホン
「C-38B」をつくる工場は、
日本、いや、世界で1か所しかありません。

もっというと、その工場のなかでも、
サンパチを組み立てられるのは、
限られた職人さんのみだそうです。
そんな特別な場所「ソニー・太陽」へ、
糸井重里が向かいました。
そこで見た光景、聞いた話、感じたこと、
全5回にわけておとどけします。
#05 じぶんたちの力が出せる場所。
サンパチマイクの工場見学を終えた
糸井重里とほぼ日一行。
最後は、社員のみなさんといっしょに
記念撮影をおこないました。



案内されるがままに食堂に向かってみると、
そこには大勢の社員のみなさんが‥‥!
なんとサプライズで集合していてくださったのです。
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何も知らされていなかった糸井重里も、
みなさんからの大きな拍手にびっくり。



「ひゃー、いまからなにがはじまるの?
俺、なんにも知らないよ(笑)」
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みなさんとの記念撮影の前に、
さきほど取材にもご協力いただいた
サンパチマイクを担当する樋口さんから、
糸井さんへのお礼のことばがありました。



「糸井さん、きょうはソニー・太陽に
お越しいただきありがとうございました。
私は、昔から奥様の樋口可南子さんには、
勝手ながらずっと親近感を抱いていました(笑)。
まさかそんなじぶんの未来に、
その樋口さんの旦那様とお会いして、
お話をすることになるとは思ってもいませんでした。
きょうは私にとって、とても感慨深い日です」
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ユーモアのある樋口さんの挨拶に、
糸井の顔もゆるみっぱなし。
ぼくたちも樋口さんとお会いできて、
とてもうれしかったです!



そして、マイクのバトンは、
そのまま糸井重里のもとにわたります。
「うわぁ、こういうの苦手なんですよね(笑)」と
照れ笑いを浮かべながらも、
きょうの工場見学の感想とお礼を、
集まったみなさんの前で話しはじめました。
少しだけここでもご紹介いたします。
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ぼくは漫才を見てるときに、
「漫才をするときっていつも同じマイクだなぁ」と、
なんとなくずっと思っていたんです。



そしたら、ある漫才師の方が、
「ふたりの芸人がいて、
真ん中にサンパチがあれば漫才がはじまる」
みたいな言い方をしていて、
「あのマイクにはサンパチって名前があったのか!」
って、そこで気づいたんです。
それからは「サンパチ」というものが、
漫才に欠かせないもののように思えてきて、
「あれはミュージシャンにとっての
ギターみたいなものじゃないだろうか」
と思いはじめました。
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じつはぼく、これまでギターをずいぶん買いました。
「ビートルズが弾いてたのはあれだ」って聞いたら、
それを探して買ったりもしました。
別に弾けるわけじゃないんですけど、
同じギターを持っているだけで、
じぶんがその世界にいられるような気がしたんです。
それって野次馬の最高の贅沢だとも思うんです。



だから、尊敬するお笑いの人にとって、
サンパチマイクはギターと同じなんだって思ったら、
なんだかそれがすごくほしくなっちゃった。
それで「俺、サンパチ買うわ」ってなったんです(笑)。
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その話をぼくのマネジメントをやってる
秘書のクラモチさんにしたとき、
「サンパチの工場って大分なんですよね」って言う。
「なんで知ってんの?」って聞いたら、
「昔いっしょに働いていた人がそこにいるんです」と。
それが西島社長だったわけです。



そこからご縁がつながって、
「工場見学ができたら最高だね」とか言ってたら、
ほんとうに実現することになって、
それできょうぼくはここにいます(笑)。



ここに来た経緯はそういうことなんですけど、
じぶんも曲りなりに会社経営者のひとりなので、
「じぶんたちが思いっきり力を出せる場所」というのを、
ぼくはいつも考えています。
そういうテーマを持っているじぶんにとって、
この会社のはたらき方、歴史、いまやっていること、
「こういう場所で、こんなふうにできるんだ」を、
きょうはたくさん教えてもらった気がします。
いまは導かれてここに来たような、
そんなふうにも感じています。
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2026年のきょう、こういう日が来て、
帰ってからまた頭を整理したいと思いますけど、
ぼくの友だちやほぼ日のみんなにも、
きょうここで感じたことを、少しずつ、
小分けにして話せたらなと思っています。



さっきもちょうど話していたんですけど、
今度、30代の漫才師の方とミュージシャンの方と、
3人でごはん食べる約束をしているんです。
ふたりともソニーのマイクを、
プロとして相当使い込んでいる人たちで、
ぼくはこの工場で聞いた話を、
彼らにたっぷり自慢してやろうかと思ってます。
そんな彼らを通して、又聞きで、
ぼくの自慢話が世間に伝わっていくといいなと
密かに思っています(笑)。



きょうはこうやって集まっていただいて、
お礼を申すばかりです。
ここに来られて、ほんとうによかったです。
どうもありがとうございました。
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糸井の挨拶がおわれば、
椅子に座ったままみんなで記念撮影です。
ソニー・太陽で写真を撮るときは、
「はい、チーズ」ではなく、
「はい、ソニー」というかけごえをするそうです。



ということで、みなさんごいっしょに‥‥。
せーーーのっ!



「ソニーーーーー!」
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糸 井
いやぁ、おもしろかったです。
きょうはありがとうございました。
西島さん
みなさんにお会いできてうれしかったです。
来てくださりありがとうございました。
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糸 井
これもサンパチマイクという、
物が持っている引力なんでしょうね。
漫才だけのことじゃなく、
コンパスの中心軸みたいなところに、
いつもあのマイクがあるんですよね。
西島さん
サンパチがつないでくれたご縁です。
ありがたいことです。
糸 井
あらためて思いますけど、
ぼくは人の集まる「場」を買ったんでしょうね。
マイクじゃなく、「場」を。
西島さん
あー、なるほど。
サンパチのことを「場」とおっしゃった方は、
私が知る限り糸井さんだけです(笑)。
でも、たしかにそうかもしれません。
糸 井
茶道なんかと同じなんでしょうね。
茶室に茶碗がひとつあるだけで、
そこから場が生まれます。
それと同じようなことが
このマイクにもあるような気がします。
大槻さん
そのサンパチマイクを、
いまも手づくりで匠がつくっているという部分も、
他にはないここの強みだと思います。
糸 井
梱包までやるんですもんね。
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大槻さん
たぶんそういう仕事のやり方は、
昔からずっと継承しているからできることで、
他が簡単にマネできないところだと思うんです。
糸 井
いやいや、すばらしいですね。
西島さん
作業している人が、検査、調整、梱包、
最後まで一貫してやってるからこそ、
品質のちがいがわかるんです。
体に染み付いているんでしょうね。
糸 井
そういう仕事への向き合い方とか、愛着とか、
いまはどんどんなくなって、
「いまどきそんな仕事なんかないですよ」って、
みんな言ってたはずなんですけど、
いやいや、ここにあるじゃないっていう(笑)
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大槻さん
すべては「音」のためですよね。
糸 井
いい会社だったんですね、ソニーって(笑)。
大槻さん
ありがとうございます(笑)。
西島さん
ははははは
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サンパチマイクが生まれる場所、
「ソニー・太陽」の工場見学のようすを
全5回にわけてお届けしました。
最後までお付き合いいただき、
ありがとうございました。



ひょんなことからサンパチマイクを購入し、
不思議なご縁がつながり、
大分県まで足を運ぶことになったのですが、
いやーーー、おもしろかったです。
プロフェッショナルなお仕事の現場を見学できて、
ぼくたちも背筋がのびる気持ちでした。



さて、ほぼ日のサンパチ特集は、
ひとまずここで一区切り‥‥というより、
ここまでを「第1章」としたいと思います。



最後に糸井が話していたように、
ぼくたちが手にしているものは、
単なるマイクという「製品」ではなくて、
何かが新しく生まれる「場」そのものだと思っています。



これからのほぼ日のなかで、
サンパチマイクを使ったコンテンツが、
きっと近いうちに登場すると思います。
第2章、第3章‥‥と、
どんな形になるかわかりませんが、
ひきつづき、たのしみにしていてください。
ぼくたち自身もちょっとワクワクしています。



という小さな予告だけを残して、
ひとまず「第1章」はこれにて完結! 
最後までお付き合いいただき、
どうもありがとうございました。



それではまたーーー!
写真
(おわります)
2026-04-03-FRI