| なにしろ料理の基本になる醤油がそもそも甘かったりする。
 甘さの源の砂糖が手軽に手に入る、歴史的な背景もあったのでしょう。
 かつてボクの父が、うなぎの専門店を経営していたとき、
 子供にもおいしくたべてもらおうと作ったタレは甘かった。
 飲食店を経営するだけでなく、
 そのタレを販売することで事業拡大をしようと、
 甘いモノが好きな九州に売りにいき、
 それでも「これじゃぁ、甘みが足りない」
 と断られてビックリしたほど。
 ちなみにそのタレを売りに行った先が「ロイヤルホスト」。洋食レストランでお客様の層が広がらないからと、
 うなぎや肉の照り焼きのようなモノを導入したいと
 調味料を検討していたときのこと。
 結局、しばらくはロイヤルホストらしい
 料理で突き進もうと、
 日本料理的な料理の導入は先送りになりましたが、
 九州風の甘い料理は他の地方でも
 徐々に人気を獲得していった。
 日本の人たちに「甘い=おいしい」という
 味覚のあり方を広めた張本人は
 もしかしたらロイヤルホストだったのかもしれないと
 業界の人たちは今でも思っていたりする。
 ロイヤルホストの本社は福岡。その福岡でもひときわ「甘いのがおいしい」
 と言われているのが「うどん」の出汁。
 日本で初めてうどんという料理が生まれた街、福岡。
 おそらく中国から伝わったやわらかな麺がお手本で、
 だから今でもやわらかいのが特徴として伝えられてる。
 けれど、福岡のうどん最大の特徴は
 出汁が甘くて旨みが強いというところ。
 ときに「これほど甘くなくてもいいのに」と思ってしまう。
 つまり「甘すぎ」。
 味醂や砂糖をさぞかし沢山使って
 甘みを出しているんだろう‥‥、
 だって大衆料理だから安く売るには
 そういう工夫をしなくちゃいけないに違いない。
 そう思って、先日、「牧のうどん」という
 福岡のうどんの最大手の会社に行って社長に話を聞いた。
 どうして、ココのうどんは
 あんなに甘くておいしいんですか?
 普通の出汁だと思って食べると、甘すぎるのだけど、
 それはどうして? ‥‥、とも聞いてみた。
 答えは驚くべきモノでした。
 
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