| 西本 | 最後に、このDVDについて もう一度総括したいんですけど。
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| 田中 | はいはいはい。 | 
| 西本 | 純粋にコントがつくりたかったっていうのが この「ペルソナル活動」の制作の
 モチベーションとしてあると
 思うんですけど、
 一方で、
 テレビでもコントをやってますよね?
 「ココリコミラクルタイプ」でやっていることも
 コントといえば、コントだし、
 実際、今回の「ペルソナル活動」にも
 「ココリコミラクルタイプ」のスタッフが
 かかわってますし。
 でも、やっぱり、テレビとは違う?
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| 田中 | それはもう、全然違う。 あの番組は投稿をベースにしてるし、
 絶対守らなあかんもんもあるし、
 番組側がやりたいことがあって、
 オレらがやりたいことがあって、
 こういうのが見たいっていう視聴者もいる。
 だから、当然、歩みよって
 残さなあかんとこは残さなあかんし、
 守らなあかんとこは守らなあかん。
 けど、これはもう、完全に「自分発信」なんよ。
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| 西本 | なるほど。 | 
| 田中 | 「自分発信」というのは どういうことかというと
 例えば会議ひとつをとってみても
 結局オレが
 何をしたいねんっていう話がないと、
 何も始まらないわけですよ。
 こっちからまずスタッフにプレゼンしていく。
 その中でちょっと膨らましてくれる意見を
 もらったりする。
 だから作り方もテレビとはまったく違う。
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| 西本 | 「目指すものに向かって自分で旗を振る」 っていう意味では
 ライブも同じだと思うんですけど。
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| 田中 | ライブかあ。 たしかにライブも好きやからなあ。
 新ネタをコンビで舞台でやるっていうのは、
 いまだに一番緊張すんのよ。
 どんな仕事よりも緊張する。
 だけど、その、うまくいったときの
 お客さんからの反応っていうのは、
 何ものにもかえがたい喜びがあるのよ。
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| 西本 | そのあたりはこのDVDと 通ずるものがあるのかもしれないですね。
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| 田中 | そうかもしれん。 だから、ひとりでも多くの人に、
 見てほしいって思うね。
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| 西本 | あの、田中さんって、 もともとお笑いオタクでもないし
 遠藤君に誘われて
 コンビになったわけですよね。
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| 田中 | うん。まあ、そうですね。 | 
| 西本 | なんでいまもまだ お笑いをやってるんですかね(笑)。
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| 田中 | お笑いはね、なんでやろねぇ(笑)。 あの、おおもとのところには、
 18歳の時に見た
 『やぶれかぶれ一発勝負!!』
 という映画があるんですよ。
 B級のコメディ映画なんやけど、
 ほんとに、それを見て、
 人生観が変わったんよ。
 学校に冴えへん男がいて、
 そいつは学校の
 マドンナ的な女の子とつきあってる。
 その彼女を、プレイボーイかつ、
 スポーツ万能みたいな男に取られて、
 その取られた女を取り返すという
 単純なストーリーなんやけど。
 その主人公が
 彼女を取り戻そうとする過程で
 何かと失敗するんだけど
 それを全部笑いにしていく映画なんよ。
 そのコメディ映画が、
 自分のベースにあって
 今やっている笑いの仕事に
 つながっていると思うんやけど。
 ‥‥ほんまにさ、人生って
 ひと笑いで変わると思ってんのよ。
 映画、とくにコメディって
 すごい力持ってると思うし、
 その力をすごく信じてんのよ。
 だから、もしかしたら、このDVDを見て、
 人生観変わる人がいるかもしれへんし。
 もしそういうことがあったら、
 それはすごい素敵なことやなと思うし。
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| 西本 | なるほどなぁ。 | 
| 田中 | まあ、けっきょくは、 自分が好きやから
 やってるだけやねんけど(笑)。
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| 西本 | うんうん、いまので、 ちょっとわかりました。
 やっぱり、お笑いとか、コメディとか、
 コントが好きなんですねぇ。
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| 田中 | うん。映画とかで演じるのも好きやけど、 それは、やっぱり、
 コントが好きなことの延長やと思うねんな。
 色んな仕事があるけど
 コントをやってる時が一番楽しいしな。
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| 西本 | ああ、なるほどなるほど。 ずっと暇だった時期も
 コントは作ってたもんね。
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| 田中 | うん。やっぱり、楽しいねん。 オレ、生き方がおもろいわけでもないし、
 破天荒でもないし、
 トークがおもろいわけでもないし、
 アドリブがきくわけでもないし。
 結局、何が好きかって言ったら、
 コントが好きで、
 そこに頭を使ってる時が楽しいねんな。
 体も、演じてる時は、楽しいと思うねんな。
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| 西本 | だから、 「ペルソナル活動」を作っているときも
 精神的ストレスはゼロで。
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| 田中 | うん。楽しいなあ。 | 
| 西本 | なるほど。わっかりました! 無口で有名な田中さんですが、
 今日はたくさんしゃべってもらいました。
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| 田中 | うん。 雑誌の取材とかでは
 こんなにじっくり話せないし
 こんなに細かいことを話せる場、
 ないもんね。
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| 西本 | それじゃあ、来月2巻目が出る時も ぜひ、話しにきてくださいよ。
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| 田中 | ああ、ありがとう! ぜひそうさせてください!
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