北京近郊の万里の長城、
八達嶺(はったつれい)長城の
観光客が踏み込める道のてっぺんをめざす、
田島貴男番長率いるオレのニュース一行です。
「西遊記」という言葉が
体力の極限を感じるスタッフの頭によぎります。
悟空のアニキ‥‥じゃなくて番長、
ブタはもうだめです。
「ここからなだらかだから!」
番長は歩幅が大きいので追いつくのがたいへんです。
ハーハー。
「ねえねえ」
はい。
「ユーアー、サッドフェイスだよ」
あ、いや、大丈夫です。
「これが最後の山場だよ。ほらもうそこだ!」
さっきから同じセリフを何度も。
「いいか! これは
万里の長城ダイエットだ。
一歩一歩で昨日たらふく食った
北京ダックの脂肪が
爆発的に燃焼するぞ!」
そう言われると俄然やる気が出ます。
「あ‥‥最後の山場は、ほんとに
最後の山場だったみたいだよ?」
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着いた?
「着いた着いた。
着いたぞー!(叫び声)
やったー(叫び声)」
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やったー!(叫び声)
長城の頂上だー!(叫び声)
「爆発だー!(叫び声)」
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どうして“叫ぶ言葉”が
岡本太郎さんのパクリなんですかー!(叫び声)
「これで秦の国はワシのものだー!(叫び声)」
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人生の頂点の顔を撮りましょう。
「よくわからんが、登り切ると
征服感が湧いてきてしまうな」
皇帝気分を味わえますね。
「しょうがねぇなぁ、味わえちゃうなぁ。
では皇帝は、
頂上で長城のまねをしまっす!」
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万里の長城のまね。
「‥‥‥‥」
どうしましたか。
「いまのポーズ、まわりにいた
みなさんに笑われてしまいました。
ビックリしている人もいた。しまった」
すみません、カメラを覗いていたので
周囲の反応まで気を配ることができませんでした。
どんな顔でビックリされましたか?
「こんな顔で」
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ほんとうか?
「では、みなさまに笑っていただいたついでに
ここでケンパをしまーす!」
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ケン、ケン。
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パ!
オオオー。
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笑顔で応える番長。何ごとにも動じぬ人です。
「しかし、周囲の山々も長城だらけだな。
これが6000km以上でしょう?
秦(シン)の始皇帝ってどんな人だったんだろう」
しかも、秦が中国を統一したのは
紀元前221年だそうですよ。
「秦ねえ。
その前に、ナツ(夏)ってのがあったんだろ?」
ナツ?
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それはカ(夏)王朝ではないでしょうか。
しかも、ずいぶん前の王朝じゃありませんか。
(黄河流域に、記録上はじめに興ったのが
夏王朝といわれています)
「カって読むのか。そうか」
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北京の街に戻ってきました。
「ずっと思ってたんだけど、
このオレの帽子、
もしかしてすごく目立つ?」
我々はわりと見慣れましたが、
きっと、帽子と番長の組み合わせが
ちょっと目立つ雰囲気なんじゃないでしょうか。
「ほら、なんだかいま、
クラクション鳴らされたよ!」
あれは、番長に対してではありません。
あのタクシーの運転手さんが
歩道を歩く番長に見とれて
わき見運転でスピードがゆるんだことについて
後方の車がクラクションを鳴らしただけです。
「いずれにせよ同じような気がする。
おかしな人に見えるのかなぁ」
まぁいいじゃないですか。
それより番長、故宮ですよ。つまり紫禁城です。
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500年ものあいだ、24人の皇帝が
君臨してきた宮殿です。
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「すごいな。お城の中が街みたいだな。
この広場には人を集めて、
なんか演説したの?
マイクないじゃん?」
ないでしょうね。
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「そうとう大きい声じゃないとな、皇帝も」
広い広場といえば、天安門広場に
そういえばまだ、行ってないですね。
「行こう、行こう」
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故宮と天安門広場は隣接していますが
歩くとけっこう距離があります。
「すぐ着くと思ったけど
なかなか着かないね。
ガイドブックには、
天安門広場観光は体力勝負だって
書いてあるよ」
でも、さっき行った八達嶺長城は
あんなにきつかったのに、
体力については何も書いてありませんでしたよ。
「恐ろしくなってきたな。
北京はどれもこれも、
近くに見えてすっごく遠いよ。
オレの人生みたい」
歩けども歩けども‥‥ん???
(後頭部にパァー、パァー、と音の攻撃を感じる)
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‥‥それはトランペットのマウスピース?!
「そ! 持ってきました!」
なにもここで吹かなくても。
「練習を欠かすとよくないからさ(真顔)。
きっと、あのトンネルを抜けると、
天安門広場だよ」
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「おおおお!」
トンネルを抜けても、
番長、赤壁しか見えません。
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「あっち、あっち!」
どこどこ? どこどこ?
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「あっち、あっち!」
あ‥‥!!
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番長。
「うん。オレたち、ほんとに中国に
来たんだね」
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中国を全身で味わう番長を
動画でごらんください。
(明日につづきます!)
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