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「モギさんが得意な写真があるとか」 |
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「どうしてもうまく撮れない 被写体があるのです」 |
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「ああ‥‥ それはぼくもうまく撮れません」 |
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「それが、なぜか、 わたしは撮れるんです!」 |
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弊社にときどき出勤する 「ブイヨン」という犬がおりまして。 |
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もちろん知ってます。 かわいいよねえ。 |
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そのすがたは糸井重里の 「気まぐれカメら」で 日々、紹介しているわけですが。 ![]() ![]() ![]() |
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これはぼくらには撮れないよねえ。 会社に来たときのブイヨンは 糸井さんちにいるブイヨンとは やっぱりちがうわけで。 |
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それで、われわれも、 ブイヨンが出勤すると 写真をとるわけですが、 遊びたいというのと、 落ちついていられる場所がないので わりと、動いてますよね。 糸井さんの写真のようには じっとしてないですし カメラのほうを向いたりも、 しませんよね。 |
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あれは、カメラのほうを 向いているというより 糸井さんのほうを向いてるわけだもんね。 |
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ふむふむ。 |
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で、こういう写真に なっちゃうわけです。 ![]() ![]() ![]() |
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糸井さんのように 撮りたいわけじゃないんですけど せめて、もうちょっと、ねえ‥‥。 |
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それで今日のお題ですが、 「コンパクトカメラで、 走っているブイヨンを撮るには」です。 |
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なるほど。 |
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あの〜。 |
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はいっ。 |
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わたし、けっこう、 撮れてるんだけど。 |
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ああっ! |
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そういえば‥‥ |
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ほら。![]() ![]() |
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ブイヨンらしい動きが 撮れていますね。 |
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撮れてますね‥‥。 |
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これはね、撮りかたにコツがあるんです。 モギさんはそれがわかっているんだね。 |
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どんなふうに撮っているの? |
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や、ただシャッターを 押してるだけです〜。 |
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そんなわけない。 |
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教わったことはない? |
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ないですー。 最初は、撮れなかったんですよ。 ![]() |
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それが、あるときから 撮れるようになって。 |
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そしてその理由を、 モギさん自身は知らない、と。 |
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わかりません。 |
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ちょっと構えてみてよ。 |
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ブイヨンいないじゃない。 |
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山下さんが走るから。 |
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えっ! |
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ははは、そうするしかないか。 カメラを構えるモギさんの前を 山下さん、駆け抜けてみてください。 モギさんは、いつもブイヨンを撮るように 撮ってみてください。 |
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じゃあ、い、いきますよ‥‥ せやーっ!(猛ダッシュ) どたどたどたどた。 |
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ほいきた! (GRを構えて撮影) ![]() |
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よっ!![]() |
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はっ!![]() |
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(壁にぶつかる) うはぁ、ぜいぜいぜい‥‥ あたまいたい、あたまいたい。 酸欠です。 |
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そんな、5メートルのダッシュで。 |
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できあがりをみる前に、 逆をやってみましょう。 山下さんが構えて モギさんが走ってみてください。 |
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は〜い。わたし短距離得意。 いきますよ〜!! よっ! たたたたたたたたた! ![]() |
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は、おっ、えっ、あの‥‥ |
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(息切れせずに)撮れた? |
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なんとか、シャッターはおしました。 |
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くらべてみよう! |
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まずはわたしの撮った山下さん。![]() |
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すごっ! よく撮れるなあ。 |
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ばっちりじゃないですか。 |
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じゃあ、ぼくの撮ったモギさんを‥‥![]() |
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これは‥‥ |
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フレームからはみ出たうえに ぶれちゃってますね。 |
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めんぼくないです。 菅原さん、これはなぜですか。 はぁはぁ‥‥(まだ息切れ)。 |
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答えを言いましょう。 かんたんなことですよ。 モギさんは、カメラを構えたまま 山下さんの動きについていくように 体を動かしていたんです。 ![]() 「流し撮り」っていうんですよ、それ。 写真の技法の一つです。 |
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たしかにそうだ。 いつのまにそんな高度なことを。 |
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ぼくは‥‥。![]() |
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棒立ちでした。 |
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その通りです。 |
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動いているスピードで カメラを動かして撮るんですが、 これ、写真の学校に行くと習う 基本技術のひとつです。 マラソンランナーを沿道から撮ったり、 車のレースを観覧席から撮ったり。 だから、ブイヨンもそうで、 モギさんはブイヨンの速度に合わせて カメラを動かしてシャッターを押しているんです。 |
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F1だ。 |
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F1ですね。 |
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F1のレースとか撮っているカメラマンって、 すごいんですよ。 何枚も連写するのかと思ったら、 1枚だけ、決め打ちするんです。 しかも三脚が邪魔だから手持ちで。 ピントは「置きピン」といって、 予測した場所であらかじめ合わせておく、 ということをするんです。 F1は超高等テクニックですけどね。 |
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いや、ぼくらにとってはブイヨンは F1に匹敵しますね。 |
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とはいうものの、ボケてる写真がダメ、 ってことじゃないですよね。 |
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そうそう。 わざとやってるんでなければ、 ぜんぜんいいと思いますよ。 |
(このテーマは読み切りです。 次回、また別のテーマでお会いしましょう!) |