チョコレートの季節でございますね。
毎年、華やかに煌びやかになっていくような
気がしているのは、わたしだけでしょうか。
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だって‥‥。
例えば、去年よりちょっと縮小とか
買付けを押さえるとかしたら、
「あれ? 今年なんとなくショボくない‥‥?」と
一瞬にして鋭いチョコレート女子のみなさまには気づかれる
→ ちょっとがっかりされて他の店に移られる
→ そのまま年々、遠のかれる可能性も否めない
としたら、お店側やバイヤーさんにとったら
エラいことでしょうから、
毎年なんらかの拡張+充実をさせていく他、
ないのではないか?
と、傍目からでも、この季節を迎えるに当たっての
当事者のみなさま方の努力や気概に
思いを致してしまうこの頃。
ビールの消費量は落ちてもビアフェスは大人気、なんて
何につけてもイベント感が求められる昨今、
成功してるイベントとして人気を維持し続けるには
相当な気苦労が伴うんだろうなぁ‥‥なんて、
チョコレート売り場をうろうろしながら
考えちゃったりするわけです。
とはいえ、好きこそものの上手なれ! で
携わってる方も多い業界でしょうから、
世界中のおいしいチョコを求めて飛び周り、
勇んでバレンタインに臨む、
な〜んて1年の過ごし方もそれはそれでいいなぁ‥‥
なんて思ったりもするのですけど。
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そんなこんなで、今年は
これが今、旬なのだろうナと思う王道チョコレートを
並べてみますね。
というのも例年は、チョコレートが溢れる季節に
チョコレートに真っ向から向き合うのは
どことなく気疲れする部分もあって
「こんなチョコもありました」とか
「これをもらったら、どんな気分になるのかな?」とか
ゆるゆる綴ってますけど(すみません‥‥)
この季節は時にびっくりするほど
おいしいチョコに出会う幸運もあるので、珍しく真正面から
今が旬な(と思われる)チョコレートをダダっと挙げてみます。
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■PASCAL LE GAC
(パスカル ル ガック)
今、一番おいしいかも。
もちろん嗜好はそれぞれなので、
順位づけできるものではないですけれど、
去年いただいて驚愕したチョコです。
「え? なに、これ‥‥」と、正直思いました。
ちなみに贈り主は主人の同僚で、私の大学の先輩。
服・食・言葉と超センスの良い女性で、
あぁこういうチョコを見つけて贈れるようになりたい‥‥
と、しみじみ思った次第。
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■YVAN VALENTIN
(イヴァン ヴァレンティン)
これも幻のチョコと言われてるらしいです。
ロサンゼルスのチョコラティエで、
トム・ハンクスやシャロン・ストーンなどの
ハリウッドスターや
ビバリーヒルズの5つ星ホテルなど、
限られた顧客のみに販売されるため、
幻のチョコレートと呼ばれるとか。
この季節、バーニーズニュークなどで買えるけれど
むろん列が出来ることも多々あり。。。
あ、味はフランスやスイス、イタリアのチョコに比べて
どこかアメリカンな感じ。
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■Stettler
(ステットラー)
スイス、ジュネーヴで1947年創業のショコラトリー。
パヴェ(石畳)チョコの
生チョコっぽい食感とボリュームは嬉しい限り。
やっぱりスイスといえば、チョコレート、時計、
アルプス、セントバーナードなイメージなので(勝手に)
一個一個手作りの風合いなども含めて
プレゼントするには間違いない気が。
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■BABBI
(バッビ)
何年か前にイタリア帰りの上司
(そんなにチョコ好きではない方)から
「こんなにおいしいチョコは食べたことがなかった‥‥」
という感想とともに、
ちょっとだけ分けてもらった思い出があるのです。
その後、日本にも出店されましたが、
やはりあの時のおいしさは鮮烈でした。
チョコレートの濃厚さが
ちょっとくどくて苦手という方にも、
このウエハースは軽いので好評かと。
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■PEYRANO
(ペイラーノ)
イタリア、トリノの老舗。
トリノがチョコレートの中心地であるには
歴史的理由があるとか。
16世紀、大航海時代にコルテスが南米から
スペインにもたらしたカカオ豆に砂糖が施され、
一気に特権階級の間で
ホットチョコレートとして人気を博し、
後にスペイン王室と婚姻関係にあったサヴォイア王国が
トリノに遷都をした際、祝いに市民にチョコラータと称して
ホットチョコレートをふるまったのが
一般市民とチョコレートとの出会いだそうです。
また、ここの代表作ジャンドゥィオットが
ヘーゼルナッツ味なのは
19世紀、ナポレオンがイギリスに対して
大陸閉鎖令を出したことに対抗して
イギリスが海上封鎖をしたことからカカオ豆の輸入が激減、
高騰したため、何とか知恵を絞って
地元ピエモンテ地方特産のヘーゼルナッツを混ぜた
このチョコレートが生み出されたためといいます。
歴史を知ると、この小さなひと粒は凄いな‥‥と。
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■Chocolaterie de Monaco
(ショコラトリー ドゥ モナコ)
モナコ王室ご用達のチョコレートで、
グレース・ケリーの結婚式の
引き出物に使われたことでも有名。
コフレグレースケリーは淡いピンクの箱に
カップケーキ型のチョコが可愛らしく並んでいて、
優雅で繊細。
ひと粒、ひと箱でふわっと気持ちを柔らかくさせてくれる
チョコレートという菓子ならではの逸品かと。
などなど、思いつくままに挙げてみましたが、
この時期でないと日本では買えないというものも
多いですよね。
オンラインショップがオープンしたりと、ニーズに応じて
需要も追いついてきているようではありますが。
思えば10年以上前、
パリに住む友達の雨宮塔子ちゃんから
LA MAISON DU CHOCOLAT
(ラ メゾン デュ ショコラ)や
JEAN-PAUL HEVIN(ジャンポール エヴァン)の
チョコをおみやげにいただいて、そのおいしさに
ひえぇ〜〜! っと、のけぞったりしていましたが、
またたく間に日本店もオープンしていき、
何だか隔世の感があります。
もちろん、この2つのお店も
トップランナーであり続けているわけで、
今年もはずせないラインナップが登場しています。
しかし‥‥いつも以上に長くなりながら
最後にひとつだけ思うのは、
チョコはおいしい。
けど、チョコは高いですよねぇ、つくづく。
いや、チョコレート職人の方からしたら、
高い値段設定ではないのだろうと察しつつ、
木村屋のアンパン1個が180円(だったかな、確か)、
うさぎやのどら焼きが1個205円(上野)とすると、
上記のチョコだと
1個700円くらいのもありますからねぇ。
自省をこめて
財布の具合を慮りながら‥‥。
良いバレンタインを♡ |