すっかり、秋になりました。
早く涼しくならないかナ~と思い続けた夏だったのに、
過ぎ去ってしまうと何となく淋しいような、
ちょっと人恋しくもなるような。
でも、そんな感傷に浸ってると、
あっという間に落ち葉が舞って、クリスマスになって、
年末年始の大掃除や年越しの仕度になるんですよね、
必ず。
時間は圴一に平等に過ぎる──なんて言いますが、
心臓の鼓動みたいに心なし早くなったり、
ゆっくりになったりする気がします。
特に秋から年末にかけては、
一年の中で最速なんじゃないかと毎年、疑います。
さぁ、こっから速くなるから騙されないようにしよう‥‥
なんてこの時期思うものの、
誰に騙されるというわけでもなく、
気を引き締めたところで速いものは速くて、
年末年始のバタバタは必至になる仕組みです。
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そんな秋口の気候とはほとんど関係なく、
地元らしいお饅頭を見つけました。
馬車道饅頭といって、
横浜の馬車道(伊勢佐木町や横浜スタジアムの近く)の
シンボル、ガス灯が茶色の饅頭に、
馬車が白い饅頭に印されています。
実は、「横浜のお店を知らないな~」と思って
有隣堂という書店で買った
横浜ガイドブックに載ってました。
生まれた時から住んでる割に、
ほぼ知らないんですよね‥‥
みやげものとか、食事処とか。
実家にずっと暮らしてると
外食ってあまりしなくないですか?
うちが特に質素堅実を旨としていた感も
否めないのですが、
そういえば中華街も法事の時以外、
行ったことないですし。
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馬車道の「松むら」は、小さい頃から食べ馴染んでた
和菓子屋さんでした。
祖母や伯母がよくおもたせや法事に使っていたからか
遊びに行くとお団子や草餅や生菓子があって、
いつのまにか懐かしく、ホッとする味になってました。
ただ、自分で買いに行くことはほとんどなかった分、
他にどんなラインナップなのか知らず、今回はじめて
ガイドブックで馬車道饅頭を知った次第です。
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余談ですが、ここの黒砂糖をつかった寒天の菓子を
ダーリンイトイさんが確かお気に入りでした。
一度、持って行った時によく食され、
喜ばれてたと聞きました。
素朴な、そんなに凝った感じのない四角く切り出した
寒天なんですが、機会があったら書いてみますね。
(ある程度、量を頼まないと作れないみたいなので。)
地元の菓子を見つけるのは、いくつになっても
ちょっと嬉しいものですね。
月もだんだんときれいになってくるころ、
良い秋を。
わたなべ まり |