CAKE

 
 
前出の無花果ゼリーです!


無花果好き、
かなりいらっしゃるんじゃないでしょうか‥‥。

“いちじく”って、誤解を恐れずに言うとですね、
「‥‥なんだ? コレ」って果物じゃないですか?
桃みたいな甘さ、
苺みたいな酸っぱさ、
柑橘系みたいな香り、
マンゴーみたいな非日本っぽい個性なども特に無くて‥‥
これは種なのか、
この食感は果物ジャンルでいいのか、
薬にもなっちゃってるこのフィギュアはOKか‥‥
なんて色んなことが頭をめぐるわけなんですが、
気づくと多いんですよね、無花果好きが。

引っ張るつもりはなかったのです。
前回、「無花果ゼリー」を出した時から。
なので、遅ればせながら報告しますね、
「無花果ゼリー」。



正直、おいしかったです。
さすが、『和久傳』さん‥‥
としか言い様のない隙の無さ、
成熟ぶり、かつ控えめな菓子でした。
「西湖」もそうですが、極上の笹の葉
(熊笹だったかな)に、
極上の材料で創り上げたオリジナルな食感と
味わいの菓子を大仰でない様でさらっと置く、
という姿勢は、
この老舗ならではの美学かと拝察します。

前回に続いて書くと、
鱧しゃぶで相当いっぱいになったお腹にも
「いや〜食べちゃったね」と、
夏の夜、
鍋を囲んだ4人に言わせるような菓子でした。
無花果が新鮮で、周りのゼリーも全てに程よい感じです。
もっとうまく言葉で表せればいいんですが、
ここのお菓子やお弁当は上質で派手派手しくなく、
主張しない分、存在感が増す雰囲気なので、
くだくだ書きにくい‥‥というより、
書いて装飾しない方が
言い得ることが出来るような気もして
言葉にするのを迷います。



お値段が張りますが‥‥
(値段=)価値というのは、
見合った数字なのでしょうから、
高いと思うも思わないもそれぞれかと。
私は──と申しますと、根がケチなので、
頻繁にはいただかないかと思いつつ、祖母や母には
買って帰ろうかと思う初秋です。

季節の変わり目、
夏の炎天下にたくさん働かれた方々には特に‥‥
お身体をお厭いくださいね。

               わたなべ まり
 

2006-10-06-FRI