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これだけ。
ただこれだけのことなのに‥‥ |
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いいんですよねえ‥‥。 |
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ある意味、衝撃の出会いでした。 |
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そうだったねぇ。 |
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この、たまごが、
ぺたんっと産みおとされる感じが‥‥。 |
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かわいいというか‥‥ |
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気持ちいいというか‥‥ |
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じわじわと笑いもこみあげてきて‥‥ |
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3人で何度も回しちゃいましたよね。 |
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そうそう、何度も。 |
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この不思議なモノはなんですか?
と質問をしたら、「オートマタです」。 |
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オートマタ。 |
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オートマタということばも
知らなかったから新鮮でした。 |
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ヨーロッパ式のからくり人形みたいなもので、
山口県の作家さんがつくったものだと。 |
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へええーーーって思いました。
西洋からくり人形の作家さんが、
日本にいらっしゃるのだと。 |
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手紙社のみなさんは、
すてきな作家さんに出会われてますよね。 |
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それはほんとうにそう思います。 |
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出会うと言えば、ほら。 |
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え? ‥‥ああー、そうそう! |
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そう!
そのあとの夜、手紙舎さんで、
まさしくその、オートマタ作家の
原田和明さんに出会ったんです。 |
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あの偶然はすごかった。 |
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前置きが長くなりますが‥‥
たいせつなきっかけなので、言っておきましょう。 |
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言っときましょう。 |
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ぼくら3人、手紙舎さんのテーブルで、
ふつうのお客さんとしてご飯を食べてたんです。
(MacBookを開く)このテーブルで。 |
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あ、まさしくこの席。
夜ご飯のときでしたけどね。 |
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あのときはええと‥‥(紙に描く)
こんなふうに座ってたんだよね
空席 みちこ
───────────
テーブル
───────────
スギエ 山下 |
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はいはい、そうでした。 |
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食事をしながらおしゃべりをしていたら、
メガネの男性がスタスタとお店に入ってきて、
ここの「空席」に、ちょこんと座ったんですよ。
メガネ男性 みちこ
───────────
テーブル
───────────
スギエ 山下 |
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ニコニコ笑いながら、ちょこんと。 |
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他のテーブルが空いているのに、
わたしたちのところへ、ちょこんと。 |
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メガネの男性は自分のご飯を注文すると、
普通におしゃべりに参加してきました。 |
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それがあまりにも自然だったものだから、
ぼくらはそれぞれ心の中で、
『誰かの知り合い』と思ったんです。 |
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ところが、全員初対面。 |
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だいぶしばらくたってから、
「ぼく、オートマタ作家の原田です」と。
原田です みちこ!
───────────
テーブル
───────────
スギエ! 山下! |
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あれは笑ったよねえ。
なぜここに座ったんですか? って訊いたら、
「なんか、たのしそうにしてたから」って(笑)。 |
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くったくがない(笑)。 |
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ほんと、くったくがない(笑)。 |
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笑いながら感動しましたよ。
こんなにも簡単に人は仲良しになれるんだと。 |
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ねえ。 |
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それがわたしたちと原田さんとの出会いでした。 |
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そのあと、「もみじ市」でお会いしましたよね。 |
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たのしかったー、「もみじ市」。 |
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やっぱりこのときも原田さんは、
お客さんひとりひとりと
あっという間に友だちになってたよね。 |
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このころにはもうすでに、わたしたちは、
原田和明さんの魅力に
心をつかまれていたんだと思います。 |
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そうだね、つかまれてた。 |
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そしてことしの10月、
3人で京都に行ったんですよね。 |
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「恵文社」さんでの個展をみるために。 |
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これがまた、おもしろかった。 |
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ねー。 |
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よかったー、たのしくてかわいくて。 |
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作品といっしょの原田さんがまた、
いい雰囲気なんですよ。 |
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‥‥もう、決めた。 |
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ん? なに? なにを決めたんですか? |
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もうね、せっかくだからね、
ここまで前置きが長くなったなら、
覚悟をきめて、
もっとたっぷりやってしまおうと。 |
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おおー。 |
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京都「恵文社」でみてきた作品を、
ズラッとご紹介いたします。 |
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せっかくですもんね。 |
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では。
(MacBookを操作)みていきましょう! |
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この展覧会は、
「音」をテーマにした新作がメインでした。 |
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動物とか人形じゃなくて‥‥ |
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自動楽器みたいな?
カラクリ楽団の演奏会のような‥‥。 |
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ね。
わくわくする展示でした。 |
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自分でハンドルを回せるのがたのしくて。 |
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スギさん、黙々と回してた(笑)。 |
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「音」がテーマの作品の他に、
いままでの代表作も展示されていました。 |
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この子にも、また会えた。 |
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この作品、二階堂和美さんなんですよ。 |
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びっくりしました。
原田さんは二階堂さんとお知り合いで、
前に一度、原田さんのおうちで
ライブをしたこともあるのだそうです。 |
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二階堂さんに、そっくり。 |
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そしてこちらが、
なんともすてきに、ばかばかしいオートマタ、
「箸が転んでも可笑しい」です。 |

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NHKで紹介されて一躍人気者になった、
ネコパンチの作品。 |

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こちらの「M」という作品もまた、
まじめにふざけていらっしゃいます。 |

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シンプルでかわいい、タップダンス! |

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マトリョーシカ! |

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スギちゃんが回しているのは、
原田さんの代表作「匙を投げる」ですね。 |

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山下さんが回しているのも最近の代表作で、
タイトルは、「空気の彫刻」。
しゃぼん玉ができるオートマタなんです。 |

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で、これがまた、すごい。
「愛のからくり」という作品です。 |
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うまれるんですよ、愛が。 |
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ラブマシーンですね。 |

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まだまだ作品はあったけど‥‥山下さん。 |
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なに? |
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わたしたちの、この会話、
あとでページにするとかなり長くなりません? |
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うーん‥‥そうかも。 |
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まだぜんぜん本題にたどりついてない‥‥。 |
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ええと‥‥じゃあ、ページにするときは
このあたりまでをプロローグの前編にしよう。 |
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あ、前後編になるんですか。 |
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だって、せっかくのことだから‥‥。 |
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‥‥そうですね、
ここは急がず、ていねいにいきたいですよね。
コンテンツの最初には、
原田さんの作品を何点か、
動画といっしょに載せたいですし。 |
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そうそう、せっかくなので。 |
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せっかくなので。 |
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ですね、せっかくなので。 |
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(せっかくなので、後編につづきます) |