

| ── | 「たかのがくしゅう」 という四字熟語かと思ったら違いました(笑)。 鷹狩りの鷹ですね。 ![]() |
| 代々木公園でたまに 鷹匠の練習しているひとがいませんか? |
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| ── | います! |
| いますよね! |
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| 革の手袋をして。 |
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| そうそうそう。 今これを見て思い出しちゃいました。 |
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| ── | 猛禽類はかわいいですねえ。 きれいですよね。 鳥類というより獣に近いくらいの印象です。 目が表情に富んで、ほんとにきれい。 動物園でもじっと見ちゃいます。 |
| そうですよね。 |
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| ── | でも、猛禽類は、 一緒に住むのは大変らしいです。 |
| でしょうねえ(笑)。 |
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| 戦国大名しか 飼えないと思いますよ。 |
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| マンションじゃむりですよね‥‥。 |
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| ── | ということで、季節の魚は「虎魚(おこぜ)」です。 |
| 虎魚。唐揚げ。夏だ! |
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| 唐揚げ以外っていうと? あ、そうか、刺身もあるな。 |
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| 虎魚の刺身! |
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| 天ぷらも確かにありますね。 |
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| ── | これも関西の方が 豊かだそうですよ。 |
| うん。「おごぜ」ですね。 O・GO・ZE。 |
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| ── | ここに本山荻舟いわく、 つまり『飲食事典』の著者によれば 「河豚好きは夏の河豚代わりに愛好し、 河豚嫌いは冬の河豚を 虎魚とだまして食わされる」とあります。 |
| 多分、この人自体が 関西人的な発想ですよね。 河豚と虎魚へのこの執着ぶりが(笑)。 |
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| ── | しかも共通点として、毒があるんですね。 虎魚は「背びれに猛毒」。 |
| 自分でさばくことは まずありえなさそうですね。 |
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| ── | でもきれいな魚ですよね。 |
| きれい、色が。 |
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| ── | かっこいいですよね。 すっごいガンとばしてる。 それにしてもおいしいですよね、虎魚ね。 |
| おいしい! へへへへへ。 |
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| ── | さあ、そして次、「レタス」。 |
| レタスにも旬があるんですね。 一年中、食べられるから。 |
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| ── | ねえ。 えっ、平安時代からあったんだ。 |
| 「チシャ」っていうんですね。 |
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| あ、ほんとだ「カキチシャ」。 |
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| 古名はそうです。 |
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| ── | へえー、あったんだ。 |
| てっきり明治以降の 新参者かと思ってましたけど。 |
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| ちなみに『飲食事典』も 「レタス」とは出ていなくて 「ちさ」で出ております。 |
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| 一同 | 「ちさ」! |
| ── | そして本当に鎮静作用と催眠効果が あるんだ、レタスって。 『ピーターラビット』に 出てきますよね。 レタス食べて眠くなっちゃうみたいな話。 |
| へえー! |
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| ── | 本当にあるんですよ。 「ポリフェノールの一種 ラクチュコピクリン」って かわいい名前の成分に 沈静と催眠効果があるそうです。 |
| そしてびっくり。「チシャ」の漢字は 「乳草」なんですね。 |
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| ── | 切り口から白い液体が出るから それを「乳」。 |
| ああ、出る出る! 確かに白いのが。 |
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| ── | レタスの語源も 「ラテン語で乳を意味するLac」。 |
| ── | ラクって、 日本でも酪農の「らく」? |
| 酪農のらく?! |
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| ── | もしかしてつながりが どこかにあるのかもしれないですね。 |
| あるかも。平安時代は どうやって食べていたんですかね。 茹でて? |
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| ── | 『飲食事典』に出てないですか。 |
| ないですねえ。 |
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| ── | 「加熱調理をしていたが 戦後はサラダになった」とありました。 |
| あんまり生野菜は 食べなかったんですね。 |
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| ── | 衛生的に食べなかったのかもしれないですね。 さっと煮付ける? おひたし系かなという気が。 |
| ありました! 「チシャ膾(なます)」。 |
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| ── | 膾にしたんだ。 |
| ほーっ。 「平安時代には伝わり、 栽培されていました」。 |
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| ── | なるほどね。 シャキシャキするから 膾、いいかもしれないですね。 |
| あ、でもそのまま食べたふうな ことも書かれてありますよ。 『食物和漢本草』には 「京童の戯れに銭を苣(ちさ)の葉に包み 噛み割るに歯痛まず、銭欠くるなり」。 銭って、お金の銭ですけど、 てことはこのまま生で食ってる? |
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| ── | でも「京童の戯れ」ですよ。 |
| お金を苣の葉っぱに包んで噛むってさ、 南の国の人がさ‥‥。 |
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| ── | ビンロウ? |
| そうそう、あれみたいね。 なんか噛み噛みしているっていう。 |
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| なるほど。そっちですか。 |
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| ── | おもしろーい。 意外ですね、 レタスがそんなに古いとは。 ちょっとそんな目で見ると 楽しいですね。 |
| 意外と和だったんですね。 |
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| ── | さあ、今度は洋でございます。 「ズッキーニ」。 おいしいですよね。 でもこれすごく最近ですよね、 馴染みになったのは。 |
| さいきーん。 |
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| 90年代でしょうね。 |
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| ── | 花ズッキーニなんて ごくごく最近ですよ。 |
| これ胡瓜の仲間だと思っていたら 南瓜? |
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| ── | 南瓜の仲間でございます。 |
| ええ? どう見てもこれ‥‥。 |
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| ── | 胡瓜っぽいでしょう。 |
| ── | これ、南瓜ですよ。 でもまあウリ科ですからね。 カボチャ属であって。 |
| 胡瓜と茄子って やっぱり仲間ですかね。 色違うけど。 |
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| ── | 胡瓜はウリ科キュウリ属。 属が違いますね。 同じウリ科なのですが、 カボチャ属かキュウリ属で違うと。 これはカボチャ属である。 おいしいですよね、ズッキーニ。 ちょっと早めに花ズッキーニが出て その後ズッキーニの旬になると。 |
| うん。生で食べます? |
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| ── | 生では食べないですね。 |
| 何かしら火を。 |
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| ── | 漬け物にもしませんね。 そういうところはやっぱり南瓜っぽいですね、 胡瓜だと思うと生で食べたくなりますが。 南瓜だと思うと、天ぷらにしたり 焼いたりする感じがよくわかります。 急に出てきた気がするんですよ。 きっと日本で栽培できるように なったんでしょうね。 |
| ああ、そうでしょうね。 |
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| ── | 最初はきっと輸入品で その後日本に定着したんじゃ ないですか。 ええと、「日本には戦後導入され」と 書いてあります。 アメリカ大陸原産? イタリアの印象がありましたが、 イタリアのものって 意外とコロンブスの時代に持ち帰ったものが多いので、 これもきっとそうなんですね。 |
| トマトとかね。 |
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| あれも南米。うん。 |
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| ── | あ、わかりましたよ。 「細長い形状のものは19世紀後半の イタリアで改良されたもの」。 「もともとはメキシコの巨大南瓜が 祖先種であると考えられている」。 |
| ずいぶんちがうんだ。 |
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| ── | 「植民活動により持ち込まれたが 本格的に普及したのは20世紀である」と。 なるほど、イタリアで改良したから このズッキーニというイタリア名が。 |
| 確かに名前が イタリアっぽいですもんね。 |
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| そうですね。 |
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| サッカー見てたら 出てきそうな名前ですもんね。 |
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| ── | 「ズッキーニ2点目です!」みたいな? さあ、季節のたのしみは「風鈴市」。 |
| 風鈴、いいですね。 |
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| ── | 市そのものは川崎大師だったり。 |
| 水沢とか。 |
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| ── | ああ、そうですね。 奥州の水沢。 南部鉄器のいい音がするものですね。 風鈴は銀座なんかにも 風鈴売りが出たりしますよね。 |
| いいですよね。 耳で涼しくなろうっていう。 |
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| ── | 風鈴、つけます? |
| やー‥‥。 |
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| ── | 町の暮らしでは、案外、うるさいですよね(笑)。 しまい忘れたりして。 |
| そうですね。 寒いのに、冬なのに ちりんちりん(笑)。 |
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| ── | あと、昔の家だったら 縁側って、夜はだいたい開けっ放しにしないんで 平気だったんだけど。 |
| 雨戸閉めちゃう。 |
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| ── | 今は密集する集合住宅で 風鈴ずっとしていると たぶん、うるさいですよね。 |
| よその家が迷惑ね。 一晩中ちりちり言ってると。 |
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| ── | そうですね、怒られちゃいそうですね。 |
| 「風鈴殺人事件」とかあっても おかしくないですよね。 |
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| ── | それにエアコンで窓閉めちゃうから 風もなにもあったもんじゃないし。 ということで、ありがとうございました。 次回は「桐始結花(きり はじめて はなを むすぶ)」。 7月23日にお会いしましょう。 |
| 2013-07-17-WED |