相変わらず涼しい道東地方です。
からっと晴れる日は少ないのですが、
何と言っても、最高気温が20度前後と、
暑さに喘いでいる内地とはまるで別世界。
ほんと、過ごしやすいです。
しかも、きのこ、にょきにょき。
ひと段落した暑さ、そして、適度な降雨が、
森をきのこワンダーランドにしています(笑)。
出かけた阿寒川源流部の森では、
やや水量が多い川のせせらぎの向こう側で、
日本最大のキツツキ、クマゲラの、
トトトトン、と、餌を食べるために木の幹を突く音、
いわゆるドラミングがけっこう大きい音で響いてます。
また、カラスがカーカー騒いでいる声に加えて、
オジロワシの幼鳥と思われる甲高い叫ぶような声。
空の王者・猛禽類ではあるけど、まだ幼く小さく、
カラスに追いかけられているのかなあ?
姿は見えないけど、
森の自然の営みを間近に感じられる幸せ。
しかも、涼しい、ときた。
ああ、森はいいなあ……。
川からちょっと離れて、
シダが生い茂る小高い丘を越え、
エゾシカの獣道を辿っていくと、
大きなダケカンバの倒木の脇に、
ちらっと、きのこの姿が見えたような……。
改めて近づいてみると、ビンゴ!
やや古いけど大ぶりのきのこがこんもり。
そのきのこ、ハンノキイグチは、
秋に、ハンノキ属の樹下に発生します。
傘は、径5〜13cm、
表面は湿ったときに粘性があり、
褐色〜黄褐色で、多少綿毛状です。
イグチの仲間ゆえ、
傘の裏側は、小さな孔が集まった管孔。
この網状の小さな孔の集まりは、
柄に向かって長く伸びています(垂生)。
黄色のち黄褐色〜オリーブ色で、
傷つけると青く色が変わり、さらに褐色にも変化。
柄は、長さ4〜8cm、
表面は傘とほぼ同色かやや暗色です。
食。
傘はあまり歯ごたえはないものの、
舌触りがよく、香りもいいので、
油を使った汁物によく合うとか。
ぼくは食べたことがありませんが。
そうそう、
姿が見えない森の営み、と言えば、
われらがきのこもそうです。
きのこの本体は糸状の細胞である菌糸で、
森の地中に人知れず広がっています。
森の木々の8割以上はきのこと共存関係にあり、
木の根と菌根や菌糸がつながる地下のネットワークは、
栄養だけではなく、情報もやりとりしているのだとか!
目に見えない世界も、すんごいんです、森は。
そして、きのこも。