ご用心!食べられないんです!
イヌセンボンタケ食不適

涼しい夏が定評の釧路市中心部で、
今年、2日連続で最高気温が30度を超えました。
100年を超える観測史上初めての出来事なのだとか。
北海道も過去に例がないような夏を迎えています。

住民は息も絶え絶え、ですが、
内地からいらっしゃっている観光客の皆さまは、
気温が34度なら問題なし! と、
平気な顔をしているのですが、
いざ自分の宿泊施設にエアコンがない、と知ると、
けっこう困惑しておりました(笑)。

しか〜し、そこは、阿寒湖。
最高気温が30度を超えても、
例年であれば、最低気温は20度前後で、
夜、窓を開けっぱなしで寝ると寒いくらいです。
(今年は最低気温が25度以上の日も数日!)

関西からやってきた友人知人たちが、
数日阿寒湖に滞在しておりましたが、
皆、「帰りたくない!」の連発です。

森へ一歩入ると、街場よりも、
さらに1〜2度気温が下がるのですが、
吸血昆虫が大挙して押し寄せてくるので、
帽子に長袖長ズボンの完全装備で挑み、
結局、汗だくになってしまいます……。

お、倒木に、大量のイヌセンボンタケ発見!

立ち止まると大量の虫がたかってくるので、まず、
帽子の上から長袖Tシャツのフードをかぶります。

座ったり立ったりして構図を決めて、いざ、撮影。

撮影中、ずっと息を止めているので、
撮影が終わった瞬間、息が、はあはあ、ぜいぜい。
汗がぶわっと吹き出します……。

く〜、暑っつ!

イヌセンボンタケは、夏から秋にかけて、
広葉樹の腐った切株や倒木などから、
おびただしい数で大発生します。
名前の「千本」は伊達ではありません。

傘は径1〜1.5cm。
初めは卵形でのち釣鐘形。
表面は白色〜灰色。

傘の裏のヒダは白色のち黒色。

柄は長さ2〜3.5cm。
半透明できわめてもろく
初めは微細毛を帯びますがのち無毛に。

食不適。

小さくて触るとすぐ折れちゃうくらいもろくて、
採集することすら困難なきのこです。
黙って観察しようではありませんか!
集合美を感じさせてくれる、
貴重なきのこではないかと。

日本の最高気温更新!などというニュースを聞くと、
阿寒湖に滞在している幸せを心から感じるわけです。
皆さま、ぜひ、避暑にお越しあれ。

このコンテンツでは、
				きのこの食毒に触れてますが、
				実際に食べられるかどうかを判断する場合には、
				必ず専門家にご相談ください。