ご用心!食べられないんです!
ニカワホウキタケ食不適

北海道にも熱波が到来。
「歴史的高温」という言葉が、
SNSの「X」のトレンドに上がっているくらいで、
7月23日24日は、最高気温の予報が、
なんとなんとの体温超え、40度!
ここは、群馬や埼玉ではなく、北海道なのに。

昔、昔、30年くらい前、帯広市に住んでいたとき、
最高気温が38度になった日があって、
その日は十勝全体で牛が400頭も暑さで死んだとか。
北海道の生物は暑さに耐性がありませんから。

でも、まあ、暑くても、森へ行くのです。
それが、きのこカメラマンの宿命なのです!

出かけたのは阿寒川源流部の森。
清流と森林とで目に見えるもののすべてが、
美しく爽やかなのですが、気温は29度。
う〜む、やはり、ちょっと、暑いです。 きのこも少なめです。

何より、アブが活発化していて、
もう体にまとわりついてきてうるさいのなんの。
防虫スプレーを全身にかけてきても、
わずかな隙間をついて攻撃してくるんです。

やつらも命がかかってます。
毛が生えてないでっかい動物がうろうろしていたら、
そりゃあ、盆と正月がいっぺんに来たような、
吸えや歌えやの、お祭り騒ぎになりますわな(笑)。

いま、阿寒の森の林床では、
アリドオシランという小さなランの仲間が花盛り。
きのこが少ないのでこの小さな白い花を撮影しようか、
と思っていたら、花々の間に、きのこ発見!

鮮やかな橙黄色のきのこ、
ニカワホウキタケは、夏から秋に、
針葉樹の枯木や倒木などから発生します。

高さは1〜8cmで、全体的にはサンゴ形。
円筒状の各枝は2〜3の分岐を繰り返し、
先端に向かって細くなっています。

基部は結合していて、
同幅で径2〜5mmの円筒形。
根状菌糸束があることも。

こう見えてもキクラゲの仲間なので、
触ると、こりこりとした軟骨質です。

食不適。

そう、どうせ食べるなら、おいしいきのこを。
毒がないから、というレベルのきのこを食べても、
全然おいしくないじゃないですか。

さて。
7月25日に、この原稿をお読みいただいている、
ということは、ぼくは、記録的高温にも負けず、
生き延びている、ということです(笑)。
来週以降も阿寒湖からお送りします。
(暑さはきっと落ち着いているはず!)

このコンテンツでは、
				きのこの食毒に触れてますが、
				実際に食べられるかどうかを判断する場合には、
				必ず専門家にご相談ください。