けっこう最近まで、雨が降っていると、
森へ行くのをやめてラーメンを食べに行ったり、
どこにも出かけずに本を読んだり、
という生活だったのですが、
実は、雨の森って、魅力的なんですよ。
まだまだ新緑のこの時期、
雨に濡れた木々の葉の美しいこと!
空気も多少はひんやりしているし、
鼻腔をくすぐるような、つんとするような、
いかにも、これぞ、森の香り!という、
いい匂い、とは言い切れないけど(笑)、
気分が落ち着くような匂いの中にいるわけで。
しとしとぴっちゃんと降る雨の音も、
葉っぱごとに、樹木や地面ごとに、
いろいろな音を生み出しているし、
読者の皆さま、雨だからと億劫がらず、
雨だからこそ、森を歩いてみてください。
木々の葉がたくさん生い茂っているので、
けっこう強い降りでも雨の勢いが緩和されますし。
上下にレインウエアを着込んで、
可能なら傘を持って、長靴をはいて、
いざ、森へ……。
実は、これだけ雨の話をしておいて、
今回ご紹介する写真は、
雨の日に撮影したものではありません(笑)。
6月のとある雨の日に、奥入瀬渓流で、
このきのこ、冬虫夏草のカメムシタケを見つけて、
そのときは、虫から出ているきのこ(子実体)が、
細く先っぽが尖っていて成長途中だったので、
しばらく放置しておいて、8月下旬に訪れ、
(久しぶりに真夏に北海道外へ出たんですよ!)
改めて撮影した、というわけなんです。
つい、見つけたときの雨を思い出しまして……。
カメムシタケは、夏から秋にかけて、
葉っぱに埋もれたようなカメムシから発生します。
冬虫夏草、夏に草で冬は虫、ということで、
生きている虫にきのこが寄生して、
徐々に殺してしまった、というわけです。
子実体は、
鮮やかなオレンジ色で紡錘形の頭部と、
黒くて太い針金のような長い柄からなります。
頭部に粒々があるのが冬虫夏草の特徴のひとつですが、
あるにはあるけど、ちょっと目立たない感じです。
柄はしっかりしていて持ち上げても折れません。
全長は5〜17cmくらいです。
食不適。
虫の死骸から出ているきのこですから、
食べたい!と思う人はまあ少ないのではないかと。
食べても死なないとは思いますが、ねえ……。
昆虫ときのこのコラボとも言える、
その姿を愛でようではありませんか。
ちなみに、カメムシタケは、
昆虫から発生するきのこ=冬虫夏草の中では、
けっこう見つけやすい種類だと思います。
自然の中で、派手なオレンジ色が目立ちます。