さて、さて。
このフサヒメホウキタケの写真を撮影したのは、
ユネスコの世界自然遺産に登録されている、
青森県は白神山地の、日本海側の麓、
実際の数は12湖以上あるけど名前は十二湖という、
美しい湖沼群と豊かな森が堪能できる場所です。
時は2025年5月中旬、つい先日も先日です。
我が撮影のホームグラウンドとも言える、
北海道は阿寒湖周辺であるなら、
このきのこは本来、夏も夏、暑さ最高潮の、
8月とか9月に発生するのが常なのですが、
内地では、春から秋にかけて、
けっこう長い期間にわたって見られるようです。
この季節、十二湖の森は、
バードウォッチャーがそこそこ多いんですよ。
で、美しい森を五感で感じて気分爽快になって、
呑気に鼻歌なんぞを歌いながら歩こうものなら、
いきなり迷彩色を着込んだ人影と接近遭遇し、
非常に恥ずかしい思いをすることがあります。
(しかも相手は「騒音」に怒っていたり……)
要注意です……(笑)。
まさか、こんなところに人はいないだろう、
と思うのは、まだまだ修行が足りません。
自分だってそんなところを歩いているわけで(笑)。
阿寒湖周辺の森の中だって、ごくごくごく稀ですが、
人がいることだってあるんですから!
(この四半世紀で一人だけ会ったことがあります!)
と、まあ、いつものことながら、
なかなか本題に辿り着きません……。
ここは、心を鬼にしても、
きのこの話をせねば!
フサヒメホウキタケは、春から秋にかけて、
主に針葉樹の枯木や倒木から発生。
しばしば群生します。
広葉樹から発生しているものは、似ているものの、
類似の別種である可能性が高いみたいです。
子実体は高さ15cmくらいにもなり、
樹枝状に枝分かれしています。
枝の先端は杯状に広がり、その周辺部から、
3〜6本の枝が直立しています。
はじめは淡黄土色で、成長するにつれ赤褐色になり、
(触ったりしても、赤褐色になります)
のち、全体的に黒ずんできます。
肉は白く、触ると、平坦で、
しっかりとした硬さがあります。
食不適。
ホウキタケの仲間には、
食べられるものもありますが、
このきのこは食毒不明。
触らぬ神に祟りなし、です。
そうそう、フサヒメホウキタケ、と、
ホウキタケの名前が付けられていますが、
最近の研究によると、その形とは無縁の、
ベニタケの仲間であるらしいです。
ちなみに、この写真をご覧になって、
きのこの周辺に青い小さな物体がたくさんあるのに、
気がつきましたか?
改めて見てみると、
ぞっとする方がいらっしゃるかも。
これ、ムラサキトビムシの仲間ですな。
すんごい数ですよね……。
ちょっと刺激をすると、
ぴょん、と飛び跳ねます。
ゆえに、トビムシ、です。
昆虫に近縁の節足動物です。