不正解、食べられません!
ピンタケ食不適

この冬、災害級の大雪にみまわれた青森県も、
都市部では積雪がほぼ無くなってきました。
と、いうことは、
サクラの季節がすぐそこまで来ています。
わくわく。

野山にはまだまだ雪が残っておりますが、
日当たりがいい場所や標高が低い山では、
お久しぶりの地面が露出しはじめています。

何を隠そう、雪解けのこの時期は、
きのこより粘菌を探すことに注力してしまうのです。
雪解けすぐの地面からまるで宝石のような光沢を持つ、
そりゃあきれいな粘菌が見つかるから。
「好雪性粘菌」なんて呼ばれているやつらです。

でも、まあ、なかなか見つけづらいのも確かで、
そうなれば、仕方なく、きのこを探します(笑)。

この時期、春ならではの、
発生したばかりのぴちぴちのきのこを探すなら、
どこに目を凝らすか……。

まず、雪解けの地面。
それがダメなら、倒木。
それでもダメなら、立木。
カチカチの硬いきのこはそこそこ見つかるけど……。
忘れちゃいけない、小さな沢もチェック!
え?沢?水があるところ?

ビンゴ!
小さな流れの沈みかけている枯れた枝に、
黄色いきのこ発見!

枯枝に刺さったピンのようなきのこ、
その名もピンタケは、春から初夏に、
湿地の腐朽根株や水に浸った落枝などから発生。
なんと、水中でも生きていけるのです。
いや、水無しには生きていけないのです。

きのこの高さは1〜1.5cm、
半球形〜凸レンズ形の頭部は、卵黄色〜橙黄色。
縁は内側に屈曲して、柄にくっつきます。

柄は白地で黒い鱗片が見られます。

食不適。

春の水の中なんて、
何がうようよ泳いでいるかわからないし、
たくさん集めるのは大変だし、
毒はないとしても、食べる気にはなれません。

それより、水の中に生えているきのこなんて、
そう出会えるものじゃありませんぜ、旦那!
あ、いや、おねえさん、おにいさん……。

見つけたら、心ゆくまで、
観察、鑑賞しようではありませんか!
最近のスマートフォンなら防水性能もいいから、
ぜひ、水中の写真も撮影してお楽しみあれ。

さてさて。
サクラの季節、といえば、イコール、きのこの季節。
若人たちよ、ネットも書も街も捨てて、森へ出ようぜ。

このコンテンツでは、
				きのこの食毒に触れてますが、
				実際に食べられるかどうかを判断する場合には、
				必ず専門家にご相談ください。