不正解、食べられません!
アカウロコタケ食不適

「きのこの話」は、写真のきのこを見て、
食べられるか、食べられないか、判断してもらう、
という趣旨になっているのですが、
もしかして、今回ご紹介するアカウロコタケが、
どこに写っているのか、わからない方はいますか?

写真にデ〜ンと写っている大きな木はトドマツです。
真冬なので雪がびっしりついていて、迫力満点です。
北海道の木々は、凄まじい風雪や寒さを耐え抜き、
力強く生きて、何百年も森を見下ろしているのです。
すごいですよね。

で、肝心のきのこがどこにいるか、ですが、
名前が「アカ」ウロコタケなので、
赤いものを探して……、という方、大正解です。
きのこそのものがわかりづらくてすみませんでした。

写真の真ん中からやや上、
太い幹から伸びた枝が前後に交差している部分に、
赤いものが見えませんか?
きのこというよりペンキを塗った跡みたいですが、
これこそが、アカウロコタケです、はい。

さあ、きのこがわかったところで、
もう一度、問い直します。
このきのこ、食べられるか? 食べられないか?

さて……。
アカウロコタケは、春から秋にかけて、
針葉樹、まれに、広葉樹の枯木や枯枝から発生します。
写真のアカウロコタケは、晩秋に発生していたものが、
冷蔵・冷凍保存され、真冬まで残ったものかと。

きのこ本体は、薄く長く広がり、
基物にくっついている背面を見ることはできません。
表面は赤色〜濃いえび茶色。
成長して表面が崩れてくると胞子が放出されます。
きのこの内部には、2種類の菌糸があるのだとか。

食不適。

そもそも見た目からして、
食べられそうな感じはまったくしませんし、
木から剥がしたとしてもペラペラのカサカサなので、
とてもじゃありませんが、食用には向かないかと。

それにしても、真冬のフィールドを歩いていて、
きのこを見つけると嬉しいんですよ。
思いもかけず、真っ赤っかの派手派手きのこであれば、
もうたまりません

モノクロームの冬の森に、原色派手派手きのこ。
そりゃあ、絵になりますよ。

このコンテンツでは、
				きのこの食毒に触れてますが、
				実際に食べられるかどうかを判断する場合には、
				必ず専門家にご相談ください。