阿寒湖周辺では、夏なら日の出が3時台で、
朝日がらみの写真を撮影したかったら、
相当な覚悟で早起きをする必要がありますが、
冬季であれば日の出は7時前〜6時半くらいなので、
起きられない時間ではありません。
そして、厳冬期の北海道は、
早起きする価値が十分にあります。
ダイヤモンドダスト、サンピラーなど、
寒い日の朝のみ出会える美しい現象が盛りだくさん。
最近、冬季阿寒湖観光の目玉としても知られてきた、
「フロストフラワー」なる現象もそのひとつ。
凍った湖の上にできた霜の結晶が翌朝にかけて成長し、
湖面に氷の花が咲いたかのように見えるんです。
-15度以下に冷え込み、風が吹かない朝のみ発生する、
厳冬期ならではの風物詩だと言えましょう。
日の出前後でフロストフラワーを堪能したら、
そのまま森をちらっと散策します。
雪に覆われた森は本当に、無音で、静かで、
自分が出した音だけが寒い空気に吸い込まれます。
この時期、森で、きのこが見つかるとしたら、
多年生のサルノコシカケの仲間、あるいは、
冷凍保存されてしまった秋のきのこくらいですが、
スノーシューをはいた冬の森歩きはやめられません。
立ち枯れた大きなトドマツの幹を覆う地衣類の間に、
たくさんのきのこ発見!
そのきのこ、ウスバシハイタケは、
夏から秋に、トドマツなどモミ属の樹木から発生。
重なり合って、群生しています。
傘は、薄くて、小型で、半円形、
表面は灰色〜白色で短い毛を帯び環紋があります。
傘の裏側は暗紫褐色で、長さ1〜3mmの歯牙状の管孔。
食不適。
触ってみると、革質で、強靭で、
とても食べられるとは思えません。
それにしても、トドマツの表面を覆う、
多種多様の地衣類の美しいこと!
この時期、きのこに出会うのは稀ですが、
立木や倒木の表面には、ほぼ確実に地衣類がいます。
きのこが無ければ、地衣類を鑑賞し、撮影する……。
これがまたたまらないわけです、はい。