ぼくは、きのこ好きを自称しておりますが、
野外、できれば天然林のような自然たっぷりの森で、
実物を見たり写真を撮ったりすることが好きなので、
グッズやフィギュアなどを蒐集するまでには至らず、
まあ、何というか、中級程度(笑)の、
きのこファンではないか、と思っています。
ただ、株式会社いきもんさんの、
ネイチャーテクニカラーシリーズにおける、
いろいろなきのこのフィギュアは、
けっこう持っていますし、
プレゼントでいただいたきのこグッズもあるので、
家には本以外のきのこコーナーがあります。
そんなグッズたちの中にあって、
存在感抜群で、家宝とも言えるものが、
熊本県在住の木彫作家・小島秋彦さん作の、
きのこ彫刻です。
開いた厚手の本の上にいろいろなきのこが生えている、
といったモチーフの作品で、
テングタケやタマゴタケなど20本以上のきのこたちが、
リアルなのにファンタジック、
ファンタジックなのにリアル、
といった感じで、他に類を見ない、
素晴らしい質感で彫られているんです。
そして、同じく小島さんの木彫り作品で、
大きな存在感を放つのが、ツチグリのブローチ。
本物よりも本物っぽいんですよ、これが。
本物のツチグリと並べて写真を撮りたいと思いつつ、
家宝なので勿体無くて外に持ち出すことができません。
ですから、野外で、開いたツチグリを見つけると、
ふと、小島さんの作品を思い浮かべてしまうんです。
ツチグリは、夏から秋に、
各種林内の裸地(地中)に発生します。
ただ、腐らずにけっこう長い期間存在するので、
春にも冬にも、つまり一年中見ることができます。
幼菌時は球形〜扁球形で、径2cmほど。
表面には灰褐色〜黒褐色の菌糸束が見られます。
外皮は革のように硬く、
熟すると6〜10片の星形に裂開し地上に現れます。
各裂片は白色で網目状の模様があり、のち褐色に。
内部は袋状で胞子が入っていて、
雨などの刺激を受けると頭頂部から胞子を放出します。
外皮は、湿度が高いと開き、乾燥すると閉じます。
食不適。
東北地方などでは、
中が真っ白な幼菌時は食すらしいですが、
基本的には、まあ、食べるには不向きでしょう。
個人的には、
裂開した雪片が逆反って、立ち上がって、
胞子が入った袋を持ち上げたような姿が大好きです。
ただ、美しく開いているものは、
なかなか見つかりづらいんですよね、これが。