 |
足かけ2年にわたる
リニューアルプロジェクトもいよいよ大詰め。
「人」の問題も、「裏」の問題も、
どうやら見通しが立ち、
残るはいよいよ「デザイン」です!
わたしたちが洗い直した結果、
「デザイン」によって
解決しなければならないテーマは
3つのエリアをバランスよく配置することでした。
ひとつは、「今日のダーリン」
ひとつは、「コンテンツのもくじ」
ひとつは、「ストア」
この3つを読みやすく、
かつムダを少なく、レイアウトすれば、
「長い」「わかりづらい」「読みづらい」
と言われたトップページを
リニューアルできるはず!
とりわけ、大きなスペースを占める
「今日のダーリン」と「コンテンツのもくじ」を
どういう配置にするかがカギになりそうです。
ということで、ここからは、
ぐっさんによる膨大なラフと
チームのメンバーによる意見の出し合いになります。
たとえば、こんな案ができました。
![]()
「縦にスクロールが長い」という
従来のデザインの不便さを解消するために
最初っから、上下にわけちゃえ! と。
上下のブロックはワンクリックで
ぴょんぴょん行き来できるようにしてみました。
さらに、各コンテンツは四角い窓の中に入れて
それぞれメニュー紹介を読むというより
見た目の印象で感覚的にクリックする!
という発想です。が。ですが。が。
「これ、読む人は、どっちをメインに考えるの?」
「はじめて読む人が『今日のダーリン』だけ読んで
コンテンツの存在に気づかないんじゃない?」
「『今日のダーリン』がすごく長い日は、
スクロールしたうえにジャンプするっていう
わかりづらい操作になっちゃうよ」
などと異論が出て、あえなく不採用に。
それからこんな案もありました。
「コンテンツのもくじ」の部分は、
最初っから全部見えるわけじゃなくて
クリックすると現れる、というパターン。
sample1
![]()
この案は、一時期チーム内で
けっこう人気がありましてね、
「よおし! この方向で進めるぞ!」と
「今日のダーリン」のエリアと
「コンテンツのもくじ」のエリアを
どう重ねるかという動きのパターンを
いくつかつくってたんですよ。
sample2
![]()
sample3
![]()
sample4
![]()
ほーら、こんな感じに。
みんながノってる感じがわかるでしょう?
当時、メンバーは左側の四角の部分を
「筆箱」と呼んでまして、
「リニューアル記念に
特製筆箱をプレゼントしよう!」
なんていうことも
(かなり)本気で話し合われてたんです。
そんなふうに舞い上がっていたわたしたちに
がつんと冷静なツッコミを入れてくれたのが、
当時まだまだ新人の、リンリンでした。
「できた! 筆箱システムでいこう!」と
盛り上がった会議の翌週に、
リンリンからメンバー全員に
つぎのようなメールが届いたのです。
 |

みなさま、おつかれさまです。
今日、sample3と4を動かしたとき、
ちょっとびっくり&混乱してしまいました。
(あのときはそこまで思わなかったんですが)
2つもあたらしい枠が出てきて、これはなに??
ここ、クリック前は何があったところだっけ?
と思いました。
それぞれのページの関係性が
感覚的に理解しにくいのでは、と不安です。 |
た、たしかに‥‥。
いま見ると、このデザインは
「なんだこりゃ?」っていうところがありますね‥‥。
新人のリンリンをプロジェクトに入れたのは
「入社したばかりで、
まだ抱えてる仕事が少なかった」
というのが、いちばんの理由なんですが、
その新鮮で冷静な視点が、
しばしばわたしたちを助けてくれました。
当時、どんなふうな気持ちで
プロジェクトに関わっていたのか、
ちょっと聞いてみましょうか。
 |
入社後、はじめて参加したプロジェクトだったので
みなさんのアイディアから会議の進め方まで、
ほんとうになにもかもが新鮮!でした。
ナカバヤシさんに言われて
議事録を書くようになったのですが
次のMTGまでにだれが何をするのかってことが
わからないまま終わった回もありましたし、
最初は正直とまどうことも多くて・・・・。
でも、何回か参加するうちに
ゆるゆると決まったことでも
次の回には、ラフができてたりするってことが
わかってきて、それもすごいなと思ってました。
前の会社では、
もっとしっかり決めてからやりはじめてたんで。
(ていうか、普通の会社はそうですよね?)
で、筆箱のときも、
ラフがいっぱいできて、
一時「ワーッ!」っと盛り上がったんですけど
時間が経ってから「あれ?」と思ったのを
正直に言ってみたら、
意外と受け入れられたというか・・・・。 |
「うわー、いいねー!」
と、盛り上がったデザインやアイデアも、
一週間経つと
「あれ? なんかちがうかも?」
という気がする。
そんな一進一退を全員で繰り返し、
それでも、なんとか、
決裂せずに話し合いを続行します。
そして、時は過ぎ、
秋が終わり、冬が来て、春を迎えようとするころ、
チーム内で話し合ってきたページのサンプルが
ようやくひとつのかたちになりました。
「‥‥できたんじゃない?」
「‥‥いいんじゃない?」
「‥‥大丈夫?」
「‥‥大丈夫、だと思うけど」
最初の敵は、あ、いえいえ、失礼、
最初のお客様は、身内です。
読者のみなさんにお披露目するまえに、
糸井を含む、スタッフ全員に見せてみて
「いいね!」と言ってもらわなければ
「新しい『ほぼ日』」といえるわけがありません。
というわけで、スタッフ全員を集めて
ついに最初のプレゼンをする日が
やってきたのです‥‥。
(つづく) |
2007-09-24-MON
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