みなさんは、ミスター・ブレインウォッシュ(MR.BRAINWASH)をご存知ですか?
LA在住のストリートアーティストで、
現在、渋谷PARCO
PARCO MUSEUM TOKYO(4階)と
GALLERY X(B1階)の2会場で日本初の本格個展
「LIFE IS BEAUTIFUL」が開催されています。
ミスター・ブレインウォッシュ
のことを知れば知るほど、
「アートの価値」とは、
なんなのか考えさせられます。
▶Banksy Thrower,(2019)
ミスター・ブレインウォッシュがアーティストとしての
キャリアをスタートさせたのは、
ストリートアーティスト・バンクシーさんが
初監督を務めた、ドキュメンタリー映画
「イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ」(2010)
への出演がきっかけです。
以前、この映画について、
乗組員のシオリさんがおすすめ記事を書いてくださっていて
とても、気になっていました。
展覧会と合わせて、この映画を鑑賞していただくと
より一層楽しめると思ったので
あらすじをご紹介します。
「ビデオ撮影が趣味の男ティエリー・グエッタが
様々なグラフィティ・アーティストと出会い、
彼らの素顔を撮影するうちに
念願だった伝説のバンクシーとの接触が叶う。
本人はアートの知識も技術もない
ティエリーはやがて、
バンクシーによってアーティスト
“ミスター・ブレインウォッシュ” に
仕立て上げられ、ついには個展を開くことに。
全ては仕組まれたことなのか、
あるいはリアルなドキュメンタリーなのか…。」
映画の中で、ミスター・ブレインウォッシュが作品を
制作する場面がとても印象に残りました。
様々なアーティストの作品から
気に入った絵を見つけて、それをトレースし、
手を加えることで自身の作品としていきます。
トレースしているのは、
絵だけではなく手法もです。
かつて自分がビデオで撮影していた、
様々なアーティストの表現方法を、
そのまま自分のものにしていきます。
▶Never,Never Give Up!,(2020)
今回の展覧会で、その方法で制作されたと思われる
実際の作品を目の前にして、
「価値」に関するいろんな考えが
ものすごい勢いで、頭の中を駆け巡りました。
▶Mona Lisa Koona,(2018)
私は、大学で絵の勉強をしています。
繰り返し先生に教えられるのは、
”独自のスタイルを確立していくこと”です。
それが「アートの価値」において、
とても重要な要素なのだと信じて疑いもしませんでした。
しかしその工程を抜かしているようにもみえる、
ミスター・ブレインウォッシュですが、
華々しくデビューし、現在も多くの人々に支持され
世界的アーティストとしてご活躍されています。
「価値」って一体どこから
生まれて来るのでしょうか?
作品自体に備わっているべきもの?
それとも、鑑賞者が生み出していくもの?
ミスター・ブレインウォッシュの存在と作品が
とても大きな問いを投げかけてきます。
今回の展覧会では、映画にも登場する、
1990年代のストリートのシーンを
彷彿とさせるメッセージ作品や、
既存の作品の転用し描き足して
作品そのものの意味を変えてしまうシリーズなど、
ミスター・ブレインウォッシュの
代表的な作品が多数展示されています。
会場で「アートの価値」についての問いを
肌で感じてみるのはいかがでしょうか。



