Babbo Natale バッボ・ナターレ(サンタさん)を
信じている人はラッキーです。
なぜって、それは、
子どものような純真さと夢を、
まだ持っているということだからです。
大切な人たちの愛情が
せいいっぱい表される時である
il Natale(クリスマス)は、
子どもたちにとって
いちばんステキなお祭りです。
だれもが一緒にお祝いできますようにと
願う祝祭です。
そういうわけで、我が家でも、
──あ、ぼくはもう65歳ですが──
毎年12月25日が近づいて来ると、
リビングのすみにクリスマスツリーを飾り、
朝になって目が覚めたら
プレゼントがいっぱい来てるとよいなぁと、
期待するのです。
この時期、イタリアの子どもたちは、
バッボ・ナターレに手紙を書きます。
1年のあいだ待ちに待ったプレゼントのお願いをね。
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サンタの起源はイタリア? |
そのバッボ・ナターレは、
英語圏ではサンタ・クロースなど、
色々に呼ばれますが、
その起源は北欧と思っている人が
多いようです。
ノルウェーという人あり、
オランダとか、ドイツとか言う人もいます。
でも、イタリアの聖人が起源だ
という説もあるのです。
その人は南イタリアのバーリの聖人で、
聖ニコラといい、千年ほど昔に
貧しい子どもたちにプレゼントを配ったと、
伝えられています。
ともかく、バッボ・ナターレを
信じている人は幸せです。
子どもだけでなく、
大人も信じていたら‥‥
世界には希望の光がもうひとつ増えて、
もっと多くの人たちが
幸せな気持になれるでしょう。
悲しみに沈んでいる時も、
バッボ・ナターレが
願いを叶えに来てくれると信じれば、
良い方へ向くはずです。
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イタリアのクリスマスには、
もうひとつ、presepeプレゼーペという
伝統があります。
キリスト降誕の場面の模型飾りです。
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しばらく忘れられていた時期もありましたが、
近年また返り咲き、
「流行っている」と言っても良いほどです。
ぼくの家では、
ナポリ製の一式と、
Thun(トゥーン)製の人形を置いたものと、
2セットを飾りました。
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ナポリ製の方は、
700年代の建物のミニチュア模型に、
羊飼いたち、ヨセフとマリア、
それから生まれたばかりのイエスさまがいて、
ちいさな灯りがともされています。
トーゥン製の小さな人形を使った方は、
オーストリアと隣接する北イタリア地方で作られた、
もっと小規模なセットです。
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こうして「ほぼ日」読者の皆さんと
クリスマスを祝うのも、8度めですが、
ぼくの喜びは年ごとに新たになり、
より大きくなっています。
もしクリスマスが
心と心をつなぐお祝いなら、
日本のみなさんと心をつなぐことができて、
ぼくはシアワセです。
イタリアから愛をこめて
Buon Natale!!(メリー・クリスマス)
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