イタリアでは、インテルがセリエA4連覇、
通算17個めのスクデットを祝う一方で、
カルチョメルカートの
「花火の打ち上げ」のようなシーズンが始まります。
ここ数年で、イタリアサッカーは
世界的レベルにおいて後退しています。
同時に経済恐慌が日に日に肥大しているのも事実ですが、
サッカーにおいて栄光をとりもどしたい願望が、
経済的な分別をも乗り越えて
突き進もうとしています。
借金がふくらんでも、しかたありません、
だれかが埋め合わせてくれるだろう、というわけです。
実際、石油業者でありインテル会長の
マッシモ・モラッティが、彼に融資した銀行に
1億8900万ユーロという素晴らしい金額を、
6月中に支払うであろうということも、
偶然ではありません。
同様にベルルスコーニは6100万ユーロ、
ユーベは5000万ユーロ、
それぞれに支払うようです。
金持ちや大金持ちにとって、
夢を果たすチャンスの前にあっては
経済恐慌も存在しないと言わんばかりです。
インテルがUEFAチャンピオンズ・リーグで
マンチェスターUに敗退した時には、
モラッティ会長は激怒し、更衣室で
イブラヒモヴィッチを怒鳴りつけました。
「きみに大金を支払うのは、もうウンザリだ。
きみはヨーロッパの舞台では
ゴールを入れないじゃないか!!」と。
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来シーズンのインテルの目標は、
もちろんUEFAチャンピオンズ・リーグ優勝です。
もしイブラヒモヴィッチがチームを去るとしたら、
モラッティは、UEFAチャンピオンズ・リーグで戦うことに
慣れている選手を、だれか入れるつもりでしょう。
イブラヒモヴィッチを買う意志のあるチームは
バルセロナ、レアル・マドリード、
マンチェスターCですが、
もしバルセロナと交渉するとなれば、
入れ替わりにエトーと2000万ユーロを
インテルが要求する可能性が大です。
2000万ユーロくらいの金額は、インテルはすでに、
今年ジェノアで大活躍したアルゼンチン人のアタッカー、
ディエゴ・ミリトを購入するために使っています。
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インテルのメルカートは、
オビ・ミケル購入へ進む可能性もあります。
ミッドフィルダーの彼は、
チェルシーが3000万ユーロほどで
手放すかもしれませんから。
まさにそのチェルシーへ、
ACミランのアンチェロッティ監督が
行きそうな気配もあります。
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先週のこと、ベルルスコーニは新聞記者たちに向かって、
ACミランがスクデットを取れなかったのは
インテルの手柄ではなく、
アンチェロッティのせいだと、明言しました。
どうやらこの二人の別離は、
切迫しているように思えます。
アンチェロッティがチェルシーに行けば、
富豪アブラモヴィッチ会長に
カカを買わせようとするのではないでしょうか。
ただ、このブラジル人については、
レアル・マドリードも8000万ユーロ近い金額を用意して、
大いに興味を示しています。
しかし、ベルルスコーニは間違いなく
カカに対するあらゆる提示に抵抗するでしょう。
そうしなければ、ACミランは、
あらゆる勝利の夢に
別れを告げることになりそうですからね。
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ベルルスコーニの極限の夢は
イブラヒモヴィッチ獲得なのですが、
インテルは、宿敵に彼を売り渡すよりは
スペインからのあらゆる申し出に耐えて、
なにがなんでも彼を手許に置こうとするだろうと、
ぼくは思います。
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このほか、ユヴェントスは
監督を替えたがっているのですが、
守るべき契約があり、来年を待つことになりそうです。
というのも、来年のW杯南アフリカ大会の後、
マルチェッロ・リッピがイタリア代表の監督の座を退き、
ゼネラルマネージャーとしてユーベに戻る予定なのです。
彼は監督として
アントニオ・コンテを連れて来るでしょう。
コンテは今期、バーリを率いて
セリエB優勝を果たしたばかりです。
ユーベはすでに、
ヴェルダー・ブレーメンから
ディエゴを買うという一撃を、
メルカートで放っています。
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ディエゴは才能豊かで、まだ若く、
ユーベは彼に、シヴォリやプラティニや
デル・ピエロらが付けていた、
歴史ある10番のユニフォームを託そうとしています。 |