田中 |
んー、いやー、面白いっすねー。
これ、司会進行されてる方って、どなたなんですか?
慣れたさばき方ですよね。 |
鈴木 |
司会の彼は金沢にいて、
1年中、司会をやってるんです。 |
田中 |
(笑)え?
じゃ、年中無休なわけですよね? |
鈴木 |
ええ、ほぼ年中無休に近い。
朝出て、各店に、所感述べさせて、
それに、バッとコメントを必ずつける。
毎日事例は違いますから、
それについて、
即座にスッススッスと、
コメントを出していく感じですね。 |

電話会議中のスタッフ |
田中 |
途中、「事例」っていうお話されたのは、
この前お聞きした、
各店の特殊な修理のケースとか、
成功例のことですか? |
鈴木 |
ええ、そうです。 どういうふうにやって修理注文が取れたか、
っていう事例紹介で、
フロントで自信持たせるようにする。
こうすることによって
商品知識もみんなにつく。
今やっているような
販促キャンペーンの始めのころは、
契約が取れた事例を、どんどん出させるんですね。 だいたい、みんな取れない事例を
言いたがるんですよ。 |
田中 |
はい。 |
鈴木 |
お客さんは電話を使わないとか、
ダイアルアップがいいとかですね。
そういう取れない事例を潰してくんですよ。 |
田中 |
はい。言い訳を潰していくわけですね(笑)。 |
鈴木 |
他店の良い事例見て、
何でできないんだ?って潰す。 |
69 |
うわぁー、すげぇー!(笑) |
鈴木 |
これをやっていて、
商売がうまくいかないっちゅうことは、
ま、無いやな、っていう気がします。
災いを転じて福とすべし、ですね。
分社化していることもあって、
各店々に任せてますから、
思わぬトラブルとかに
遭うことあるんですよね。
そのようなことで萎縮しちゃったりする
ケースもあるんです。 |
田中 |
どんどん悪い話を出させるってやつですよね(笑)。 |
鈴木 |
うん。そういうのは1回やれば、
もう繰り返さないだろうと。
また自信もつきますしね。 |
田中 |
いやー、良くできてる仕組みですよねー。 |
鈴木 |
これ、簡単ですけどね。
良くできてるような気がします。 |
69 |
毎日、その日の目標を設定させるんですね。 |
鈴木 |
毎日やるんですよ、毎日。 |
田中 |
これ、やっぱり、電話なので、 耳だけ集中しておけば聞けて、
情報共有できるわけですもんね。 |
鈴木 |
そうです。
だから、僕なんかはね、
仕事の半分ぐらいこういうことやってるわけ。
中には聞くだけの会議みたいなのもあるわけですよ。
それは、パソコンやりながら、
耳に入れていくということで、
電話でも参加できちゃいますね。
そういう意味でうちは
ナレッジ・マネジメントの、最たる会社なんです。
|
 |
田中 |
先日、よその会社からも聞きに来るって
おっしゃってたんですけど、
どういう会社が多いんですか? |
鈴木 |
聞きに来るっていうよりも、
この会議に、例えば吉本興業の販促やってる人とか、
ゲストとして招く。
それで、みんなに家電の小売業じゃない人たちが、
こんなことを今考えてるんだと、いうようなことを、
月に1回ぐらい40分とか50分話してもらう。
また翌月になると、
小っちゃい電気屋のオーナーは、
何を考えてるんだ、なんていう話を聞くんです。 |
69 |
はぁー! |
田中 |
面白いなー! |
鈴木 |
会議のコンテンツはすごく大事にしてますね。
やっていることはすごくアナログなんだけど、
ナレッジ・マネジメントみたいな、
そういうビジネス用語あるじゃない、
よくわからないんだけど(笑)。 |
田中 |
いや、なさってることは、そうですもんね。
ええ。ふーん。
電話会議は、すごいですね。はぁー。 |
鈴木 |
やっぱね、みんな人間が出ますよ。 |
69 |
出てますよね、なんか聞いてると。
あ、この人、ちょっとタルいな、とか(笑)。 |
鈴木 |
これね、平日やってるときなんかは、
もう、バンバン出ちゃいますよね、人間がね。 |
田中 |
顔が見えなくて声だけですもんね。ええ。 |
鈴木 |
声だけ。
まあ、僕なんかはけっこう知ってますけど、
他の人はだいたい、知らないわけですよ。
声だけでみんな顔も想像するから。 |
田中 |
だから、沈黙が怖くなりますよね。 |
鈴木 |
そういう時は「喋んないな」
って言っちゃいます。 |
田中 |
営業の訓練にもなってんじゃないですかね。
営業の場合、こう面と向かって話すわけですけど、
普段から、この、沈黙が、
禁ぜられているような場に出てるわけじゃないですか。 |
鈴木 |
そうそう。いや、まさにそうなんですよ。
で、みんなその、カウンターで営業させる。
そこにいて喋れないとダメなんで、
そういう訓練にはなってると思いますよね。 |
田中 |
ラジオに出てからテレビの世界に行くみたいな(笑)、
芸人さんみたいな、そんな感じだ。 |
69 |
ラジオができない人は、
テレビで使えないってこと多いですからね。 |
田中 |
トークの力、つきますよね、これは。 |
鈴木 |
だから、まあ、ごまかしてる人間とかね、
そういうのが上手い人間もいるわけですよ。
そこに、何ちゅうの、毎日聞いてるから、
そこに、ほんと心から出ているもんかとか、
うわべだけで答えてるという感じは、
もう、みんなやりとりの中に出ちゃいますよね。
「あ、今、あわてて走って来たな」
とかね。
走って来て、何も考えてねえやこいつ、
考えているようで、とか。 |
田中 |
口だけの人とかも、やっぱりいるんですか? |
鈴木 |
いますよね。います、いますよ。 |
田中 |
でも、中にはこう、寡黙な人なんだけども、
数字はしっかり上げるとか……。 |
鈴木 |
あ、いますよ。
うちの店長なんかは、最たるもんだよね。うん。 |
田中 |
これは先ず、各自、達成目標を上げるんですか。 |
鈴木 |
いや、最初に、決めちゃうわけ、通し予算で。
キャンペーンが、あと残り10日とか15日ぐらいまでは、
もうずーっとこの最初の通し予算から
いっくらギャップが出ようが、かまわない。
そこで、あと10日で30ポイント残となると、
「どうするんだよ」、とかって、
けっこう詰めてっちゃいますね。 |
田中 |
(笑)。 |
鈴木 |
で、またその、小っちゃい目標数字は出させない仕組み。
あの、その、修正しながらも、
無理な数字を出るようなかたちにはなってます。
要するに、1歩でも先に行く。 |
田中 |
はぁー。
これ、達成すると、えー、給料が上積みされたりとか、
なんかボーナスみたいなのがあるんですか? |
鈴木 |
ボーナスには多少影響するけど、
数字は分社でやってるから、各店の利益になる。 |
田中 |
はい、はい(笑)。 |
鈴木 |
店の利益になれば、えーと、
いちおうたくさん分社して
会社ごっこやってますから、
分社ごとで株価をつけるんですよ。
分社の株価。 |
田中 |
あ、分社ごとに株価をつけてるんですか!?
非上場なのに。
あ、それは面白い(笑)。 |
鈴木 |
計算基準があるわけですよ。
それで、株主配当みたいな感じで戻る。 |
田中 |
なるほど、なるほど。
あ、で、みなさん、分社の株を持ってるから、
その分社の中で、利益が来れば、
それが働いている人たちに還元されるわけですもんね。 |
鈴木 |
そうです。はい。 |
田中 |
なるほど、なるほど(笑)。
その株価って、じゃあ、月1で変動するわけですか? |
鈴木 |
そうですね、月1か、2ヶ月に1回か、
メールで送られてきますから。
決算時にやりますね。半期とか。 |
田中 |
あ、本部がその株価を付けるわけですね(笑)。 |
鈴木 |
ほんとに本部があってね。ええ(笑)。
それがまあ、会計事務所とかなんと、色々やって。
そういう株価をつけて、ケツを叩く。
|
69 |
よくあの、シャレで、
今日、田中さん3円安とかって言うけど、
店ごとに格付けがどんどんされていくっていう(笑)。
|
鈴木 |
そうなんです、ええ。
|
田中 |
すごいなー(笑)。
|

なぜか朝礼にも参加している関心力の男
|