| ── | 糸井家は、カレーのお肉は？ |
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正月のカレーでいうとビーフ。 煮込む用のほかに、 ちっちゃいステーキぐらいの大きさの肉を 別に用意しておいて、 焼いて、カレーの上にのせて食べる。 |
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あー、いいですね！ |
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超高等テクニックですね。 |
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お正月向きな感じですね。 |
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というのはね、 煮たお肉も食べたい気持ちがあるんで、 そっちはちょっとちっちゃくして入れるんです。 香り付けにもなるし。 |
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何年か前まで、ホテルオークラでは まさしくそういうカレーを出していました。 カレーって煮込むときに入れる具は だいたい出汁が出るから、 すごくおいしいスープができるんだけれども、 お肉は出汁がらになるんですね。 だからそのことを突き詰めるシェフは 出汁がらの肉は捨てるんです。 |
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ああ！ |
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その代わり、ビーフカレーって言われたときに ソテーした肉を最後に合わせて出す。 いちばんおいしいのはステーキ肉だから。 糸井さんは、それをダブルでやってるんですね。 |
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すごいですよね。 |
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でもさっきのチャーシューを作るのに比べたら、 手間はかかんないんですよ。 |
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それは何かどこかで聞いたわけじゃなくて、 自分で食べたくてそうなさったんですか。 |
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そう、食いたい、食いたい（笑）。 |
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いいなあ、そういう、 本能に素直にレシピを作っていくと、 精度のいいレシピができるんですね。 |
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本能に素直（笑）。 |
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何なんですかね、 こういうのを筋がいいって言うんですかね。 |
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タマネギも、炒めたやつの他に、 かたちで食べたいぶんを入れますよ。 |
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そうですか！ もともとタマネギは、 スパイス的な感覚なんですよね。 香りが結構強いので。 刻んだ生のタマネギを いちばん最後にどさっと入れて、 ぱっと混ぜたりすると、 タマネギ臭いのが、残るじゃないですか。 ぼくもそれが欲しいから、 後で入れる用のタマネギを ちょっと取っておいて、 最初炒めるぶんの他に、入れます。 |
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それもおいしいですよね。 最初のタマネギは甘くなるし。 |
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そうです。 でもタマネギらしさがなくなる。 ショウガとニンニクといっしょくたに、 ペーストみたいになりますから。 |
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いやはや、糸井さんのカレー、すごいです。 |
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えっ、ほんとに、本能のままです（笑）。 |
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いや、それが、すごい。 本能カレー。 |
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すっぽんはやめたけど。 |
| ── | 飯島家は、お肉は？ |
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私は牛を使ってます。 そうだ、あと、最後にショウガをおろして、 『LIFE』みたいに入れたりします。 |
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飯島さんて出身はどちらですか？ |
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八王子なんです。 |
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じゃあ東京だけど牛肉なんですね。 東京の人のカレーは 豚っていうイメージがあって。 |
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そうですね、 家ではずっと豚だったんですけど、 |
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豚もおいしいよね。 |
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自分で作るときは、牛もいいですね。 |
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どっちもいいよね。 鶏もいいしね。 |
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あと、カレーの日って カレーがメインじゃないですか。 そういう日もあっていいんですけど、 映画『東京タワー』のときに出した本で、 おかずのひとつがカレーだったらいいのにな、 って思ってつくったものがあって。 |
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ああ、いいねー。 |
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うん、うん。 |
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野菜炒めみたいなのに、 仕上げにちょっと濃いめに溶いたカレーを入れて、 おかずの１品としてのカレーにしたんです。 高田馬場のカレー屋さんに そういうのがあって。 |
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夢民（ムーミン）ですね。 |
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あ、そうです！ あそこがすごくいいなあと思って。 そうそう、うちの近くの焼肉屋でも、 カレースープだけ出すところがあるんですよ。 |
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なるほど。 |
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牛肉で出汁を取って、 それを市販のルウで溶いてるだけなんですけど、 それが焼肉の間にあるとすごく贅沢なんですよ。 |
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付けタレっていうわけでもなく？ |
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スープがわりですね。 お椀で出てくるんですよ。 具は何も入ってないんですよ。 |
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（笑）面白いです。 |
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音楽で言う、転調ですよね。 カレーをちょっとだけ、 おかずの１つとして出すっていうのは わりと流行ってきてますよね。 コースの最後にカレー食べますか？ って訊かれたり。 |
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あっ、そうですね。 でも、中途半端にカレー風味っていうのは あんまり‥‥ |
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そうですね、つまんないですね。 |
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安っぽい感じがしちゃうんですよ。 |
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カレー粉だけ振ったよみたいな。 |
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そうなんです、そうなんです。 カレー炒めみたいなものって、 どうかなって感じることがあるんです。 そういうときは、ただのカレー粉じゃなくて、 それこそスパイスで炒めたい。 いかにもカレー粉の味じゃなくて、 糸井さんがブレンドしているようなスパイスを、 一緒に炒めて、インドの副菜みたいな、 ああいう味で食べたいな。 |
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カレーを濃いめに作っといて、 ソース的に食卓にのせる人とかいたら、 ちょっと憧れるな。 何かこう、トーストにジャムみたいな感じで、 カレーがちょっとあるって。 そうだ、ぼくが最近、 ちょっと行くようになった料理屋で、 トンカツ頼むと、 カレー、ちょっと付けてくれるんだ。 |
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あ、それ、いいですね！ |
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ジャム容れぐらいのところにカレーが入ってて、 トンカツ、ぼくはからし醤油でも食べるんだけど、 ソースでも食べるし、レモン塩でも食べる。 で、カレーもちょっとこうのせて。 |
| ── | うわー、それはおいしそう。 |
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それ、いいですね。 |
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築地の洋食屋さんにも１軒あるんですよ。 小鉢のカレーソースが100円でつく。 それはもうトンカツでもメンチカツでも 追加できるんです。 |
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うわー、いい！ 最後、ちょっとご飯を残して一気に食べる、 |
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そうです、そうです。 |
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よきタイミングでカレー味を 入れられるからいいですよね。 飯島さんの焼肉屋もそうですけど。 |
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| いやはや今回情報量が多い。 そして水野さん、飯島さん、 外のカレーもたくさん食べてるんですねー。 「ちょこっとカレー風味」はぼくも苦手です。 給食の、カレー風味のポテトサラダが嫌いだったな。 と、カレー回想をしつつ、明日につづきます！（武井） |
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