── | システムエンジニアをやっているときに イラストを仕事にしたいと思い立って Macを買って有休で東京に部屋を探しに来て、 「イラストレーター募集」とあった 雑誌MacFanに面接を受けに行く。 でも作品がないから、 コドモ向けのソフトでしまうまを描いて 持っていくことにしたと。 ‥‥無鉄砲ですね。 |
たかしま | 無鉄砲ですね。 とりあえず、翌日の面接では 「作品をお願いします」って言われて、 「あ、これ昨日描きました」 ってフロッピーを渡したら、 読みこめない、って言われて。 そのソフトが編集部になかったんです。 |
── | はははは。 家庭向けソフトだから プロの使うMacには 入ってなかったんでしょう。 |
たかしま | はい、イラストレーターとか、 フォトショップという プロが使うソフトしかなくて。 「作品、見れないんだけど、 どういう経歴ですか?」 っていうことで、 いままでの経歴を話したんですよ。で、 「‥‥なんでイラストレーターになりたいの」 って話にやっぱりなって。 そうしたら、イラストレーターとして 実績がないと雇うことはできないと。 |
── | それはそうでしょうね。 |
たかしま | ただ、コンピュータ詳しそうだし、 好きだっていうのは、わかったから、 編集者としてだったら雇ってあげるから、 編集の仕事をしながら、 イラストレーターの勉強もしてみたら、と。 |
── | いい面接官に会いましたね。 |
たかしま | それが当時の編集長だったんですよ。 そう言ってくださって、 「それは、もうぜひお願いします」 ということで、 大阪に戻って辞表を書くわけです。 「すぐ来てください」って言われたんで。 |
── | 身辺整理して、すぐ来ますと。 |
たかしま | はい。 |
── | でも、編集者。 |
たかしま | はい、編集者になりました。 MacFanって、 毎日コミュニケーションズなんですけど、 社内でも、新しいジャンルの雑誌ということで、 けっこう売れ始めて勢いのあるときだったんですね。 それで、編集部員もどんどん増やしたい、 っていうちょうど、いい時期だったんですよ。 そういうのもあって、 入れてもらえたと思うんですけどね。 |
── | どんな仕事をしたんですか? |
たかしま | 初仕事は、スージー甘金さんの取材でした。 イラストレーターさん取材するからってことで、 連れて行ってくれたと思うんですけど。 |
── | また、いい先輩に巡り合いますね。 |
たかしま | くっついて行っただけで、 雑用をやってたんですけど、それが初仕事で、 そのあと、いきなり担当を 持たせてくれたんですよ。 ぼくが、担当持ったのは、 女性のライターさんの連載と、 電脳奥様(ハイパーおくさま)っていう 当時連載されてたマンガなんですよ。 そのふたつを連載の担当として 仕事をしていくわけですけど、 それがイラストレーターになる 転機になるんです。 あるときに、先輩の編集者が 第2特集の扉と中の絵を ぼくの担当してた 電脳奥様(ハイパーおくさま)の 後藤ユタカ先生に描いてもらいたいってことで、 きみちょっと担当だから、帰りに先生のとこ寄って、 お願いしてきてって言われて、 わかりましたって言って、 だいたいの概要を聞いて、帰るんですけど、 ぼくは、寄らずに家に帰ってしまうんですね。 |
── | ‥‥なぜ? |
たかしま | 家で徹夜して、ぼくが描いてみたんですよ。 |
── | ‥‥え? |
たかしま | はははは。 |
── | また思い切ったことを‥‥。 |
たかしま | いま思うとほんとに、 なんか、もう‥‥。 |
── | 突き動かされたんですか。 |
たかしま | はい‥‥。 いましかない! みたいな感じで。 |
── | で、描いたんですか? |
たかしま | 描いて、つぎの日に、 「先生のところ行ってきてくれた?」 って言われて、 「すいません、行ってません」 「わすれちゃったの?」 「いや、忘れてないんですけど、 ちょっとこれ見てください」 って、その描いてきた絵を。 |
── | そこで見せたら。 |
たかしま | 激怒されて。 |
── | 編集長? |
たかしま | いや、先輩の編集者です。 「そんなこと頼んでないよ、きみに」 って言われました。 |
2008-12-12-FRI | |
(つづきます!) |