『バカドリル』を知ってますか〜? ふたりのマンガ家さんいらっしゃ〜い。


第3回 不条理コントの思い出。


── ちょっと脱線するんですが、
さっきお話に出た
不条理コントみたいな演劇が流行ってたころに
おふたりもすこし、お芝居に出たりしていたそうで。
タナカ ええ、ああ、はい、
やりましたね。
── なんでも、うちの山下がやっていた
劇団に出演されたとか。
天久 うん、山下さんと、古いつきあいで。
ぼくらはゲストでときどき参加して。
タナカ あのね、お芝居ってね、毎日稽古すんのよ。

── 毎日。
タナカ もう毎日。
今思うとすごいのが、みんな、働いてるんですよ。
── 昼間はアルバイトで?
タナカ 大学生とかじゃないの。就職してる人もいるの。
── あ、そうだったんですか?
タナカ 会社が終わって、
発声練習してる。
天久 (笑)。
タナカ そう、ア・エ・イ・ウ・エ・オ・アオとか言ってさ。
あめんぼあかいな、言ってんだもん、おかしいじゃん。
── すごい。
え、じゃあアフター5に、ぼちぼち集まってきて。
タナカ だから
ネクタイ締めてるの、最初。
天久 (笑)。
タナカ ネクタイ取って、ウオーとか言って演技すんだよ。
── 不条理な世界を。
タナカ そう、不条理な世界を。
「お願いします!」
とか言って。
「ぼくの、ぼくの弟子になってください!」
とか言ってさ、土下座するコントとか。
天久 あと銭湯に行った外人が、脱衣場で服を盗まれて、
全裸で家までたどり着く話とか。
そういえば、あのとき土下座してたの、山下さんですよ。
タナカ うん。
「お願いします、ぼくの弟子になってください!
 弟子になってくれるまで、ここを動きません」
とかいうようなさ、
何だそれ!っていうようなことを
やるのよ。

── そうですか(笑)。
お芝居の話がおもしろくて
そっちばっかりになっちゃいそうなので、
『バカドリル』の話に戻らせてください(笑)。
タナカ あれはあれで、おもろかったですよ。
── はい。思い出話をありがとうございます。
で、『バカドリル』っていうのは、
おふたりで、どんなふうにやって作ってたんですか?
天久 会って、打ち合わせして、でしたね。
タナカ あの、演劇とかやってたころだよね?
『GOMES』配ってたのって。
天久 うん。
── そのフリーペーパーの『GOMES』連載から
書籍化するまでには、
ちょっと時間がかかったんですか?
タナカ うん、そうですね。
天久 うん。
デザインとか作るのが結構時間かかったんですよね。

タナカ はじめの書籍は何年だったっけ?
── ええと‥‥初版が94年になっています。
天久 だからね、5年なんですよ。
タナカ そうだね。連載始まってから5年かかって、
書籍になったんだ。
でね、5年経ってるから、僕らにしてはね、
当時の20代の5年じゃん。
だからもうだいぶ変わってんだよな。
出したときって。
── ああ、そうでしたか。
天久 最初のノリからは、変わっていった気がします。
── なるほどー。
タナカ 大判の出したあと、文庫本出して。
文庫本の方が売れる。


『バカドリル』


大きいのは、売れなかったんですよ。
でね、シリーズの累計50万が部なんやね。
── どひゃー!
タナカ でね、それはね、長〜い時間かかってんのよ。
出したときってやっぱ、それなりに売れてなくて。
この本は、ほっとんどが、
回し読みなんですよ。
── そうなんですよ!
そして、あたしのもなくなりました。
回って、どっかいっちゃったクチです。

天久 たいてい高校生とか、大学生でしたからね。
よく言われるのは、
「見たことあります、
  買ってないけど」

っていう。
タナカ 「そう、ほとんどそう」
読んでるのに、持ってないのね。
天久 今回は買って下さい(笑)。
  (続きます!)



今日の立ち読み『バカドリル』

『新しいバカドリル』の中から厳選したものを、
少しずつ掲載させていただくことになりました。




犬の飼い方(『新しいバカドリル(下)』より)

タナカ:
「犬の飼い方」ってね、ざっくりしてるよね。
犬なのに猫柄のパンツだし。

天久:
屈辱ですよね。
しかも、カルバンクライン履かせられてたり。




2008-11-24-MON



(C)HOBO NIKKAN ITOI SHINBUN