ほぼ日刊イトイ新聞 -留守番番長スガノ

わくわく。いったい何だろう？

壱	なんだろ。
darling	あてたら、１個食べていいよ。
壱	食べるものなの？
darling	うん。におい、嗅いでみる？
壱	うん。（くんくん）いいにおい、した。
darling	じゃ、ちょっとだけ見せてあげるね。この手の中に入っているから、触ってみて。

darlingの手の中に
謎の物体が入っています。

壱	アメ！
darling	飴じゃないんだな～。じゃあ、もっと触りやすいようにしてあげよう。あ、かけらがとれちゃった。
壱	（手についたかけらを口に運ぶ）おいしい！
darling	何だと思う？
壱	どんぐり！
darling	おしいっ！どんぐりに、よ～く似てる。
壱	えへへへえ（クネクネうれしそう）。
darling	どんぐりの絵、描ける？
壱	うん、描けるよ。

どんぐりの絵を描く壱。
これがどんぐり？？

darling

じゃあ、見せるよ。
ジャジャーン！

正解はピーナッツ。

壱	あ、おいもだ！！
darling	おいも！（パン、とひざを打つ）おいもとピーナッツは、似てるよ。
壱	おいもだったねぇ～。
darling	ねぇ、やっぱり親子だよ、壱とスガノは。
スガノ	ええ？　あ、そうか。（スガノは日ごろ、なすとりんごは似てる、　かぼちゃはメロンと似てる、などと　言い切ってしまう傾向があります。　SKIPの取材でdarlingと秋田に行ったときには　大豆はいちごに似てる、と言い放ち　現地のみなさまの失笑をかいました）
darling	今日は、「似てる、似ていない」ってことについて、やろう。いまピーナツが４つ、机の上にのっています。このなかでひとつだけ、違うものがある。

ひとつだけ皮がむいてあるのです。

よいしょ。こうやって、ピーナツは割れるんだ。
もうひとつ割ってみるよ。

darling

さ、これをバラバラにしてまぜちゃうから、
もとのかたちのピーナッツに戻してみて。
こうやって、合わせて。

なかなか難しいね。

darling	あ、この組み合わせはダメなんだ、きっと。ちがうのでやってごらん。
壱	はんたいむけかなあ・・・うん、できた！
darling	うまくいったね。さわってごらん。
壱	つるつる！

ふたたびテーブルの上に
ピーナツを広げるdarling。

darling	じゃあさ、このピーナッツが壱の、ね？（何粒かのピーナッツとまぜる）さ、どれだ？
壱	これ！
darling	・・・すぐわかったねぇ。
スガノ	すごい！
darling	ほかのと似てなかったもんね？じゃあ、もういっかいね。みんなそっくりのピーナッツです。今度はこれが壱の。覚えた？
壱	覚えた！
darling	ほんとだな？まぜまーす。はい、どれが壱の？
壱	これ？
darling	ちがうじゃん？
壱	じゃ、これだ。
darling	それです！　よくわかったね。似てないからだよね、これと、これはね。おんなじように見えるけど、似てない。それがわかれば、いいんだよ。
壱	（あてたピーナツをぼりぼり食べる）うん。

よーく見ると、わかるんだね。

darling	似てないところをさがすんだよ、いつも。おんなじなんだよ、でも、おんなじじゃないんだよ。
壱	ねえ、これ本物なの？
darling	本物だよ。本物のいもだよ（笑）。
スガノ	似てないことを探すことって、たいせつなことなんですか？
darling	全部おなじに見えるものでも、じつは見分けはつくんだよ。「細」を見ること、覚えることができていないことが多いよね。みんなが会議をしていてなかなかいいアイデアが出ないときもみんながおんなじもの、「ピーナッツ」を見ているからだよ。ありもしないピーナッツってものを想像して。ぼくはそのなかで、欠けていたり形がふくらんでたりするものなどを見つけて、どうしようかと考えたりする。

「細」がわかってないと、
だめなんだ。

スガノ	はっはぁ！
darling	たとえばいまスガノの食べている大学いもなんかも、そうだよ。よくみると、このいもとあのいも、違うだろ？ぼくはいつも、くせのようにそれを発見しようとしちゃうんだよねぇ。

いものひとつひとつの違い、わかりますか？
どうもありがとうございました！

ハハ・スガノの結論

みんな、似てるけど、違う。
それがクリエイティブの
基本のひとつだ。