
矢野顕子さんが、 |
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アッコちゃんって、もともと 「なにかを教えたい」って人じゃないもんね? |
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ぜんぜん、教えられないよ。 |
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コツっていろいろ あるとは思うんだけど。 |
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「座ったらいきなり 『エリーゼのために』がすらすら弾ける」 とかね(笑)、そんなことはちょっと‥‥。 |
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そんなことって、ホントは 誰も求めてないんだよね。 |
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うーん‥‥。 こうして話していると、やっぱり 「矢野顕子といっしょに曲をつくろう」 というのがいいんでない? |
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そうだね。そんで、 打ちあげみたいにして、 いっしょにめし食うのも、いいかもね。 |
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それはいいね! |
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でもね、こういうワークショップにありがちな 「できました」「よかったね」 というのが、おれは嫌なんだ。 |
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うん、うん。 |
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「できた」と言えば、なんでもできるでしょう? お題をもらったら アッコちゃんはすぐに 歌がつくれちゃうでしょう。 だけど、観念でどうにかしようと思って いいものをつくるなんて ほんとうは無理だよね? |
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そうなのよ。 |
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実力とクリエイティブが重要です。 たとえば、アッコちゃんが どんだけすごいかということの 一部をお話しますとね。 |
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お願いします(笑)。 |
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あの「気仙沼においでよ」という歌を 例に挙げましょう。 聴いたことない人は聴いてみてくださいね。 あの歌は、ぼくたちにも、地元の人たちにも とてもウケたのです。 |
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それは、歌に 「自分」が入っているからではないでしょうか。 |
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そうね。遠くの人も現地の人も 「おれたちの歌だ」と思えた。 だってみんな、泣くもの。 |
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そして、歌えるメロディーである。 |
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そこが重要です。 |
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ね? |
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あの歌をつくる前から 矢野顕子はそう思っていたはずです。 つまり「歌える歌にする」というモードに 入ってから、つくってるんですよね。 |
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あの「気仙沼においでよ」は 自分のための歌ではなく、 みなさんに歌っていただくための歌です。 そういう意味じゃ、この仕事こそ、 10年前はできなかった。 昔のわたしには、とてもできない。 |
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そうなんだ。 |
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たぶんね。 |
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それができないと、きっと ほんものじゃないのかもね。 |
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そうかもね。 |
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だから、このワークショップも アッコちゃんのそういうすごみを 感じられるようなものにしたいのです。 アッコちゃんが ふだんひとりでやってることがわかるような ワークショップがいい。 |
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そんなこと、したことないよ。 |
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でしょう? そこでできたものが、 なんだか、ものすごくいいものだと うれしいよね。 |
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それでないと、嫌だね。 |
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嫌ですか(笑)。 |
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こういうことってだいたいが、 さきほど糸井さんが言ったように 「お題拝借」のようなことになります。 それで、 「矢野顕子がお料理いたしますわ」 ということになるんだよね。 |
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それは芸として見せれば、 すごく感心されるだろうけど、 脂汗をたらして歌をつくるのとは 違う話です。 つまり、いいものをつくるって 簡単じゃないんだよね。 |
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簡単じゃないよ。 |
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そこを、言葉で関わってもらいながら いっしょに見て体験してもらう。 遊びじゃない、本気のワークを見せる。 |
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やってみるのはいいね。 |
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2部構成にしてみようか。 |
(つづきます) | |
2012-10-26-FRI |
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