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<やさしいタオル>をつくっている
工場を見学してきましたよ! の記 |
|
*ほぼにちわ!
モギモギコです!
今日はまずはお詫びから!
昨日、「サイズと厚さ」の発表をしましたが、
そこで、無地のバスタオルが2種類表記されておりました。
正確には、無地のバスタオルは、59×126センチです。
(ページには、69×126センチの表記がありました。)
混乱させてしまって、大変申し訳ありませんでした!
さて、では早速、まずは、いつものように、
いままでのおさらいです。
タオルの
基本仕様 |
片面ガーゼ
片面パイル(タオル地) |
片面ガーゼで
刺激を少なくする。 |
パイルの糸
|
【コットンの種類】
超長繊維綿の
ピマ・コットン
(コーマ糸) |
繊維が長く、
けば立ちがすくなく
滑らかな糸をつくる。 |
【糸の撚り(より)】
ゆるい撚り(より) |
ふわふわの糸にするため。 |
【糸の種類】
双糸 |
パイルのねじれを少なくするため。 |
【特殊加工】
LA加工 |
・糸にハリ、コシ、
ツヤを出すため。
・パイル糸の中にある
撚り(より)により
変形しようとする力をなくし、
パイルを芯から
リラックスさせるため。
・洗濯・乾燥で
パイル糸の繊維が
膨張・収縮し、
パイルがよじれることを
防ぐため。
|
ガーゼ面の
糸 |
【縦糸】
双糸(カード糸) |
・木綿の風合いを出すための
非LA加工。
・しなやかさを出すための双糸。 |
|
【横糸】
単糸(カード糸) |
・木綿の風合いを出すための
非LA加工。
・耐久性を出すために
摩擦に強い単糸。
・パイルを立たせるための太い糸。 |
織り方 |
縦糸横糸ともに、
ガーゼタオルで
できる限りの密度。 |
・横糸でパイルをおさえて、
パイルをふんわり立たせる。 |
デザイン |
表面:チェック4種類
無地2種類
裏面:無地パイル |
・よぶんな装飾は、
いらないけれど、
ベーシックで
スタンダードなデザイン。 |
サイズ |
ハンドタオル
フェイスタオル
バスタオル
|
・一日のうちでかならず、
<やさしいタオル>を
手に取ってもらえるような
サイズ設定をしました |
そして今日は、
じっさいに<やさしいタオル>が作られている
現場に行ってきたときのレポートをお送りします。
読んでいただければ、<やさしいタオル>が
もっともっと身近に感じていただけるはずです!
**********************
ほぼ日タオルチームの、
わたくしモギモギコと、
「今日も金魚は。」でもおなじみの、
デザイナー・べっかむ3(べっかむさん)は、
入梅前の6月某日、
ドクター・コットンにご引率いただき、
愛媛県の今治市(いまばりし)にある、
<やさしいタオル>を作っている工場を訪ねました。
イエイ! と、叫んだりしてみているのは、
出張をあまりしたことが無いわれら、
やや興奮ぎみのあかしです。
羽田空港から松山へ向かう飛行機のなかでも
松山から今治までの予讃線の車中でも
ずーーーーーーーーーーっと、ドクター・コットンに
タオルについてお話をお聞きしながら
向かったのでした。
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今治駅前には、「タオルちょうちん」が!
タオルでできたちょうちんなんですって。
ほんとですってば!!
「今治でタオルが作られるようになったのは、
気候と地形に理由があるんですよ」
と、ドクター・コットン。
さすが、くわしいわ〜。
そういうこと、わたくし、まったく知りませんでした。
「今治が綿の布の産地に成長したのは
明治時代以降のことなんです。
理由は、資材の運搬に適している
海沿いの街であったこと、
そして、市内に大きな川が流れていることが
理由だったんですよ」
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来島大橋の近くを通りました。
「織物をつくるのには、染色や洗浄のために、
大量の水を使います。
そして、昔は、それを乾燥させるために、
よい天気が続くことが必須条件だったのです」
なるほど。気候的条件も、地理的条件も、
物流ということでも、今治は綿の産業には
好適地だったんですね。
タオルをつくるようになったのも、
自然なことだったんでしょうね。
「そうです。タオルを作るようになったのは
戦後のことですけれども
いまや今治のタオル産業は
たいへん質が良く、
とても有名なんです。
量もさることながら、
高い技術を持っているということで
よく知られているんですよ」
わああ! そんな「タオルの名産地」(って言うのかしら?)
今治で、<やさしいタオル>も生まれるんですね。
さっそく工場に行きましょうよ、はやく、はやく!
「もうつきますよ。ほら、ここです」
ドクター・コットンは私たちを
<花椿テリー>さんという会社の工場に
案内してくださいました。
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「 珍しい織り方のもの、
技術的にむずかしいものなど、
チャレンジングなものだったら、
<花椿>さんがいいと思ったんです」
とドクター・コットン。
そうか、たしかに<やさしいタオル>は
ガーゼとパイルを組み合わせるだとか、
LA加工したピマコットンを使うとか
チェックで織ってほしいとか
いろいろ、難しい注文を出しています。
ドクター・コットンの信頼しているところに
お願いするのが、いちばんですものね。
私たちは、工場のリーダーである
<花椿テリー>専務のヤマダさんに
お目にかかることになりました。
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この方が、タオル製作の総指揮を取っていらっしゃる
ヤマダさん。
物静かなジェントルマンです。
まずは、タオルができあがるときの、
<花椿>さんの役割について、説明をしてもらいました。
「今治で、タオルを作っていくときには、
織機でタオルを織る工場が、
ほかのさまざまな工程を
外部の専門工場に、
発注していく仕組みになっています」
おっと、それも知りませんでした。
でも、それはそうですよね。
織機で織るのが最後の工程だとしたら
その前に「糸をつくる」だとか「色を染める」だとか
複雑な工程があるんですものね。
「そうなんです。ほかにも、タグをつけたり、
洗いをかけたりと、いくつもの工程があります。
織機を動かしながら、
この工程のスケジュールを立てて、
品質のコントロールをしていくのが、
工場の役割なんですよ。
それから、デザイン画を、タオルの形にするときの
糸の配置やバランスを考えて、
設計図をつくるのも、僕らの役割です」
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この左側の紙が設計図。
紙に柄のパターンの穴があいていて、
織機がどうやって動くかを制御します。
「じゃ、ちょっとその工程を、
実際に説明していきましょうか」
わあ、ありがとうございます!
ぜひ、見学させてくださいね。
と、 そこからの見学で
私たちは知りました。
タオルって本当に驚くほど
人の手がかかっているんだ
ということを。
本当にハンドメイド、
といってもいいと思う。
機械を使ってはいるけれど、
手作りよ、これは!
では、その工程を速足で見ていきましょう。
糸を染工場に持っていき、
染めます。
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白いものが糸で、
これを、巨大なお釜にいれて、
染色液に浸します。
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染め上がった糸。
タオルには、糸を先に染めるものと、
タオルに織られてからあとから染めるものと
二つあります。
模様があるものは、糸を先に染めてから、
織ります(先染といいます)。
無地のものは、白い糸でまずは
タオルの形に織ってから、
あとで染めるんです(後染めといいます)。
こんな大きな染める機械をつかって、
温度調節や時間調節をコンピューターで管理して、
色見本とたがわないように染めていくんですよ。
色見本は、こんなかんじのラボラトリーで
つくっていました。
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おお、いかにもラボ!
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糸の見本です。
ここで取られたデータが、
実際の量産のときに、正しく設定されるのです。
染める段階で糸が巻き付いている芯には、
中心部に穴が空いていて、
内側からも染色水が浸透するようになっていますが、
これを、織機用の芯に巻き付け直します。
いよいよ織機にセットするために、
設計図通りに糸を配置して、
糸を織機にセットしていきます。
横糸、パイル糸をセットして、
いよいよ、織り始めます。
今回は、ガーゼタオルなので、
専用機にセッティングされます。
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両わきに並んでいるのが織機。
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もちろん、<やさしいタオル>も製作中。
糸は、強度を出すために、のりをつけてから
織られていますので、染工場にふたたび持っていき、
糸についているのりを洗い落とします。
このときには、まだタオルは、
何枚かがつながった、大きな一枚の布です。
さあ、ここまでは、機械が頑張るところ。
(もちろん、機械を調整したり人力は必要ですが。)
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巨大洗濯機のドアを開けてもらったところ。
大きなドラムに水がざあざあと流れていて、
高速で回転しています。
乾燥中(こちらは<やさしいタオル>ではありません)。
一枚の大きなタオルを裁断し、
端を始末していきます。
このときに、品質表示のタグなども一緒に縫い込みます。
これは、<花椿>さんの社員の方が、
一枚一枚縫っていくのです!
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一枚の大きなタオルを裁断していく。
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端をミシンで縫う。
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再び花椿テリーさんの工場を出て、
今度は、織りネーム(タグ)を専門につける工場で、
タグをつけます。
こちらも一つ一つ人間の手をつかって、
縫い付けられています。

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こちらが、タグをつけてくれる「渡辺ネーム」の
社長さん。職人肌な方。
↓こんな複雑なレースもミシンでひょいとやってしまいます。
タオル一枚一枚を、
じっくりと見て、不良品はないか、ということを
厳密にチェックしていきます。

こちらでは、目でパイルや端の始末の確認。

<やさしいタオル>の仕上がりチェック!
ふむふむ、よいできですよ〜!
できあがったタオルをパッケージにいれます。
金属を探知する機械で、
タオルに針や金属がまぎれこんでいないかをチェックします。
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この機械で、針や金属片を探知します。
と、ここまでで、ようやく
<やさしいタオル>はでき上がってくるのです。
染めの工程はコンピューターが制御しているとはいえ、
色を作り出す段階では、人の経験の微妙なさじ加減が必要ですし、
織機を動かすときでも、機械の調整は人力です。
さらにいうと、
仕上げの部分は、ほとんど人力でやらないと
いけないことなんだということが
すごくよくわかりました。
タオルをつくるすべての工程に
携わってくださっている人々ががんばってくれるおかげで、
<やさしいタオル>はできあがってるのだなあと
実感しましたよ〜〜。
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次回は、これも気になる
「吸水性」のお話、そして、
「柔軟剤の秘密」についてお届けします!
ドクター・コットンは
最後の最後まで秘密をニギッテいたのです!
次回(7/2)は、
ドクター・コットン最後の秘密。
すぐ使えるタオルの秘密、ですよ〜〜。 |
「やさしいタオル」の販売は、
7月9日(水)より開始予定です。 |
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