すっかりおなじみになった「TOBICHI」のすぐ近くに、
「ほぼ日」は、「TOBICHI②」をつくりました。
そのこころを、ちょっとお話しておこうと思います。
「ほぼ日」は、いつも「コンテンツ」をつくっています。
「ほぼ日」の仕事のすべては、
「コンテンツをつくること」であるとも言えます。
ぼくらのつくる読み物も商品もイベントも、
みんな「コンテンツ」です。
ぼくらは、「コンテンツ」というのは
「考えや思いのかたまり」だと考えています。
だから一般的に「内容」と訳されているこのことばは、
「演目」と訳してもいいし「出し物」とか、
「料理」とか「題材」とか言ってもいいかもしれません。
「コンテンツ」は、居るための「場所」を探しています。
「場所」、あるいは「お皿」というものは、
一般的には「メディア(媒体)」と呼ばれています。
「コンテンツ」は、「メディア」と出合うことで、
また新たな「コンテンツ」に育っていきます。
ぼくらが「TOBICHI」をつくって、
さらに「TOBICHI②」に広げて行ったのは、
とてもシンプルな理由です。
もっともっと「コンテンツ」のための
場所がほしかったからです。
「TOBICHI②」には、ニックネームをつけました。
「竈(かまど)」といいます。
ほんとうに使える竈が、正面に据えられています。
青い色で、左官屋さんが特別につくってくれたものです。
薪をくべてご飯も炊けますが、
いつもはガスコンロが組み込まれています。
「どうしてそんなものをつくったの?」と言われそうです。
「食うに困らないようにという願いをこめてさ」と、
たぶん答えるのだと思います。
ほんとのところは、よくわからないのですが、
まんなかに竈があると、ものすごく落ち着くんですよね。
糸井重里