第3回「おばけの生活」
糸井 そうそう、
個展があるらしいじゃない。
南 ああ、そう、そう、個展があるんだよ。
糸井 大丈夫なんだろうね?
前の個展のときは、
やきもきさせられたからね。
開催2週間前なのに
絵がほとんどできてないとかいってさ。
南 うん、だからね、今回は
そういうことのないようにと思ったんだけどね。
糸井 「思ったんだけど」?
南 え? それがさ、どうも、
そういうことなの‥‥。
糸井 え? また?
南 また。
糸井 うそだ。
南 あはは、ほんと。
糸井 (ひそひそ声で)
‥‥これから描くの?
南 (ひそひそ声で)
‥‥うん。
一同 (笑)
糸井 個展はいつから?
南 10月22日から27日まで。
糸井 わ、もうすぐだよ。
南 いや、もう、描くとなったらね。
テーマも決まったからね。
今回は「おばけの生活」っていうタイトルなの。
糸井 それは、宮部みゆきさんの、
おばけの小説の挿絵を描いたっていうことで?
南 え? そうそう。
あれ、もともとは、宮部さんから
ご指名で描いたんだけど、
最初は、オレでいいのかなと思ってさ。
その、けっこう、おそろしい小説だからね。
糸井 おそろしくないぞと、オレの絵は。
南 うん。わるいけど。
糸井 ははははは。
南 で、おばけとか、妖怪の絵は
もともと好きなんだよ。
とくに、江戸時代に描かれた
おばけの絵、いいんだよー。
愛嬌があっていいんだ、すごく。
『百物語』とかね、見たことある?
糸井 うん、多少あるよ。
南 あれはさ、プロの絵描きだけじゃなくて、
どうもそのへんの素人が
描き写したりなんかしてるのがいいの。
糸井 ああ、なるほど。
みんながガンダムの絵を描くみたいに。
南 そうそう。
糸井 自分に正直なたとえ話で言い直すと、
つまり、オレがおそ松くんを描くように。
南 そうそうそう(笑)。
そういう感じで、
オバケを描いてる本がたくさんあるんだ。
そのおばけってのが、なんだか、
かわいくて好きだったんで、
そういう絵を描こうかなと。
糸井 個展もその方向で。
南 そうそう。
糸井 なるほど、なるほど。
南さんのことですから、もう、
構想は完全にできあがってるんでしょう?
南 え?
糸井 南さんのことですから、もう、
構想は完全にできあがっていて、
あとは描くだけなんでしょう?
南 ‥‥ああ、うんうん!
そうそう、もう、できたようなもんだ。
一同 (笑)
糸井 その、お描きになるおばけっていうのは、
オリジナルのものですか?
南 なんですか?
糸井 いや、おばけがさ、
いわゆる、一般的なおばけなのか、
オリジナルのおばけなのか。
南 ああ、うん、そうですね、
まぁ、オリジナルのような、一般的なような、
そのあたりは、そんなには、はっきりしてない。
糸井 えええっ!
南 いや、まぁ、いかようにも。
糸井 いかようにも。
南 だから、その、たとえば、
糸井さんは、どういうのがいいと思う?
糸井 わはははははは。
南 わはははは。
糸井 じゃあ、たとえば、オバケが
電信柱に立ちションしてるとか。
南 ああ、おばけがね。
うん、それ、いいんじゃないの。
うーん、それ、やりましょう。
糸井 ‥‥南さんは、
どのへんに行きたいんですかね?
南 わははははは。
(また、これから描くの‥‥? つづきます)

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2010-10-22-FRI